ハノハノ*ニジイロビヨリ

旧ハノハノ*アラチビヨリ
和やかにふんわりと、時々欲張りな日々。

読んだよ*2011.7月~10月

2011-11-01 12:56:17 | Book&Comic

4ヶ月分のレビューです(汗)
目先のことに気持ちをとられて、ゆっくり読書。。。って気分に
ならなかったなぁ。
ドラマ熱も沸騰してるし(爆)



【小説】
チーム 堂場瞬一
パーティ 山田悠介
町長選挙 奥田英朗
薬指の標本 小川洋子
麒麟の翼 東野圭吾
アルキメデスは手を汚さない 小峰元
プラチナデータ 東野圭吾
チヨ子 宮部みゆき
小さいおうち 中島京子

【その他】
12ヶ月のクロゼット 杉浦さやか

▼チーム▼

箱根駅伝の学連選抜チームを題材にしたスポーツ小説。
箱根や実業団駅伝を見ていて20キロ以上も何を考えながら
彼らは走っているんだろう?と常々思っていた答えがありました。
寄せ集めでいわば目立たぬ存在の学連選抜。
だけど彼らのこのレースにかける思いや、チームを作り上げていく
様がリアルに書かれていて。
来年から学連選抜をちゃんと見よう、と思いました。
巻末の対談にあった、「選りすぐりの選手を集めたはずなのに
順位が上がらない」それが箱根駅伝というものを物語ってるという話に
深く納得。
タイムがすべてじゃない。必要なのは「絶対に誰かのためにたすきをつなぐ」
意識なんだなぁと思うと、中継所ってドラマだなって思います。

▼町長選挙▼

小太りで1本ネジが飛んでるんじゃないの?と思ってしまう精神科医
伊良部一郎シリーズです。
どうしてもこれを読んで頭をよぎるのが塚地。
あの人にやってもらいたい。
確かちょっと前に実写化になってたけど私の中では伊良部は塚地!なのです。
今回はよりコミカルで、実在の人物をもじってるような感じだったから
想像しやすく読みやすかったです。

▼薬指の標本▼

耽美な世界でした。
第一「標本室」っていうのがありそうで絶対ないお店だもの。
思い出の品や大切なモノを標本にして管理してもらうお店。
そこに集まってくるのもちょっと風変わりで。

2編、違う話が入っているのだけど、もうひとつの「六角形の語り小部屋」も
ないだろうなぁ・・・でも案外あったら行くかもっていう
琴線にどことなく触れる。
そういう題材を考えることがすごいなぁって思いました。

▼麒麟の翼▼

来年映画上映される「新参者」シリーズ。
なので登場人物をその俳優さんたちを思い浮かべながら読んでました。
そして、半日で一気に、読みました。
もう、寝食忘れるね。さすが東野圭吾だなと。
ぐいぐい引き込まれちゃった。
おもしろかったー。

人って卑怯で、我が身かわいいっていう部分がある反面
ちゃんと反省もできる生き物なんだよね。

▼アルキメデスは手を汚さない▼

旦那が読み終わった本を拝借。
1970年代に書かれた推理小説。
70年代っていうと私はまだバブ期。親の青春時代でもなく
聞きかじることもないし、体験することも記憶も定かじゃない
一番「よくわかんない」時代。
なので妙に新鮮でした。
あの頃の高校生ってこういう言い回しするの?みたいな。
しかも「国鉄」とかでてくるからね。マッハ族って何!?

お話自体も、江戸川乱歩賞をとってる本なだけに
読み応え十分ありました。
タイトルの「アルキメデス」ってどういうことなんだろう?って
思ったらラストで、ああなるほどなって。
この場合のアルキメデスは彼女だったんじゃないかなと
後から考えを深くさせてくれる作品でした。
アルキメデスが発明した兵器でたくさんの兵士が死んだ
でも彼が手を直接下したわけじゃない、これは罪ではないのか?
っていう思想につながっていくのでね。

▼チヨ子▼

宮部みゆきの12年分がつまった短編集。
SFぽかったりファンタジーぽかったり、ミステリーだったり。
色んな顔をした本だなと思います。
イメージ的に「チヨ子」は怖い話なのかと思ったけど
案外そうでもなく・・・。
ああ、そうなんだって思ったら後から読んだ
「聖痕」はインターネットの簡単で希薄な人間関係だったり
あやふやさだったりを紐解いてるのかと思ったら
えぇ!?な結末で。
ある意味怖い。
確かなものを見極める力ってこういう情報が氾濫してる時代だから
必要だなとあらためて思わせられました。

▼小さいおうち▼

前々から読みたかった本をようやく読めました。

戦前、戦中に東京のとある丘の上に建つ赤い屋根のちいさいおうちに
女中として住み込んでいた「タキ」の、当時を振り返ってそれを
ノートにとっていく「回想録」を読んでいきながら
当時の東京の様子、人々の生活そして戦争に向かっていく中で
人々がどんな思いだったのか等を読み解ける作品でした。

戦前、戦中についての情報量の多さったら、いったい作者はどれだけ
調べ、取材をしたんだろう?と思わせられ、ある意味歴史本だなと
思います。
前半中盤の豊かで活気に溢れた日々から段々と戦争の影が忍び寄って
そして戦後、知ることになる不幸な事実を筆頭に
いくつかの明と暗の対比が絶妙でした。

最初はまるでタイムトリップしたかのように昭和10年代の東京の町を
想像して華やいだ気分で読み進めたのだけど
本当にひっそりと、それでいて確実に忍び寄る暗い影がチラチラすると
読みながらドキドキしてしまって。
20年の大空襲や戦争のことも描かれるだろうから、その時代背景に
登場人物達がどのように巻き込まれていくんだろうっていう不安を
感じながら最後まで読み進めました。

登場人物それぞれの物語を織り込みながらなので、本当に
そういう一家がいたんじゃないかって思わせられるリアリティがある
作品でした。

そして読後感がちょっと暗くなってしまうっていうね。
ラストに爆弾を発見しちゃった感じ。
もう一度最初から読み進めていったらもっと違う風に感じるのかな?
って思って。再読してみたい作品です。


コメント (2)
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