よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

嵯峨菊が咲くお寺へ-京都市右京区:大覚寺

2024年11月30日 | 京都市(右京区、西京区)
Daikakuji Temple, Ukyo Ward, Kyoto City

さてさて、紅葉真っ盛りの嵯峨野を散策していたワタクシと相棒の「いまでは晴れ男さん」ですが、
嵯峨鳥居本を後にすると嵯峨野を東の方に歩いて行きまして、「大覚寺」へと向かいました


大覚寺は真言宗大覚寺派の大本山となる寺院です。平安時代の初め、嵯峨天皇がこの地に離宮を営み、嵯峨天皇が崩御した後、
離宮が寺院に改められたのが大覚寺の始まりなんです。お寺の入り口近くで、見事な紅葉と青空がワタクシ達を迎えてくれました。
ではでは、お寺の中に入って行くとしましょうか


手前の菊は嵯峨菊といいます。嵯峨菊は、嵯峨天皇がその気品ある姿と香りを好まれ、
この独特の古代菊を永年にわたり王朝の感覚を持って育成し、一つの型に仕立て上げられた風情と格調をかねそなえた菊が
大覚寺「門外不出」の嵯峨菊だということです。なんだかすごい菊の花ですな


鎌倉時代には後宇多法皇が、ここ大覚寺で院政を行ったため嵯峨御所とも呼ばれました。
皇族や貴族が住職を務める寺院を門跡寺院と言いますが、ここ大覚寺は皇室との関係が非常に深いんです。
そのため、ちょっと他のお寺とは違い、御所のような雅やかな雰囲気を持つお寺なんです


上にも書きましたが、ここ大覚寺は代表的な門跡寺院です。門跡寺院とは皇族や公家が住職を務めたお寺のことです。
元々「門跡」という言葉は、日本の仏教における正式な後継者のことを指していましたが、
鎌倉時代以降は格式の高い寺院そのものを表す言葉になったんですよ。
京都には最初の門跡寺院である仁和寺をはじめ、青蓮院、知恩院、三千院、勧修寺などの門跡寺院がありますわ


宸殿(しんでん)の広縁に立ち、勅使門を眺めてみました。
勅使門とは言うまでもなく、天皇の使いである勅使を向かい入れるために造られた門のことですね。
京都のお寺に行くと勅使門を持つお寺というのは数多くありますが、ここ大覚寺の勅使門はさすがに立派ですな


王朝風の伽藍が美しい大覚寺なのですが、この大覚寺のもう一つの見どころは庭園なんですよ


境内東の大沢池は嵯峨離宮の名残りで、嵯峨天皇が中国の洞庭湖に思いを馳せて造ったとされています。
かつては舟を浮かべ、詩歌管弦の宴が繰り広げられたと伝わるのがこの大沢池です


ワタクシ達はこの後、東山近くにあるこの日のお宿へとバスと地下鉄を乗り継いで向かいました。
そして、宿に到着して少し仮眠をとった後、夕暮れの京都の町へと向かって行ったのでした

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


嵯峨野は京都の西の端。この日の宿をとった東山は京都の東の端。移動するのに結構な時間がかかりました。
「それなら嵯峨野の近くに宿をとればいいのに」と思われるかもしれませんが、
翌日は早朝から東山界隈を散策しようという目的があったので、東山近くのビジネスホテルに泊まることにしたんです。
この頃はまだ京都のビジネスホテルは7000円〜8000円で宿泊することが出来ましたが、
今は外国人観光客が高い値段でも宿泊してくれるので、宿泊料金は大幅に値上がりしています。



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化野という地名-京都市右京区:嵯峨鳥居本

2024年11月29日 | 京都市(右京区、西京区)
Saga Toriimoto, Ukyo Ward, Kyoto City

さてさて、ワタクシ達は祇王寺を出て嵯峨野をさらに北に向かいました。
しばらく歩いて行くと、「嵯峨鳥居本」の町並みが目の前に広がります


京都の北西部には愛宕山という山があり、山頂にある愛宕神社は「火の神様」として京都の人から信仰されています。
嵯峨野から愛宕神社へと至る道は愛宕街道と呼ばれ、江戸時代中期から数多くの参詣者が愛宕山を目指して歩きました。
京都へ行くと、多くの家庭の台所に愛宕神社の『火廼要慎』(ひのようじん)と書かれたお札が貼ってありますわ


その愛宕街道の途中に、江戸時代後期から明治時代にかけて建てられた家屋が緩やかな勾配の坂道に沿って建ち並んでいるんです
ここが嵯峨鳥居本でして、愛宕神社の門前町らしい光景が残っているんです


嵯峨鳥居本は重要伝統的建造物群保存地区にも選定され、愛宕神社の門前町として賑わった時代の名残りを感じます。
ちなみに門前町というのは、室町時代ごろから寺社の門前に発達した町のことです。
宗教が庶民の間に広まって参拝客が増加するにつれて,有名な寺や神社の門前に店や宿屋が立ちならんで形成された町ですね。
伊勢神宮の宇治山田(現在の伊勢市)や善光寺の長野などがその代表でしょうか


この辺りは古くは化野(あだしの)と呼ばれていました。
この地は古来より死者の埋葬地として故人との離別を悲しんだ地であったと伝えられています。
数千もの石仏が立ち並んだ化野念仏寺は有名ですので、皆さんもその名前はご存知かと思います


ワタクシは化野という地名を見るたびに、学生時代のことを思い出さずにはいられないのです。
ワタクシの友人が「なあ、嵯峨野に面白い名前の寺があるんやなぁ」と言うんですよ。
「へぇ〜、何ていうお寺?」とワタクシが訊くと、「ばけものねんぶつでら」と答えが返ってきました。
その後、ワタクシが大爆笑したのは言うまでもありません。ちなみにその友人は、今でも一緒に飲みに行く良き友です}。


最近のことはすぐに忘れるのに、40年以上前の学生時代のことはよく覚えているのは不思議ですな


早朝に大阪を出て、気がつけば時刻もお昼になっていました。ワタクシ達は「腹減ったなぁ」「美味そうな店があったら昼飯食おうか」
「けど、湯豆腐に3000円もよう出さんわ」などと言いながら歩いていました。
すると「さが美」といううどん屋さんがありました。ワタクシ達はこのお店に入ることにしました


ワタクシは「たらいうどん」を注文したのですが、この日は車じゃないのでビールもいただくことしました。当然ですな


うどんもお出汁も美味しかったです。ワタクシ達はお腹も満足し、次の目的地へと向かうのでした

「さが美」…京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町11-1

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


「化野」もそうですが、京都は難読地名が多いです。帷子ノ辻(かたびらのつじ)、太秦(うずまさ)、雲母坂(きららざか)等々、
いろんな地名がすぐに頭に浮かんできますが、私の中では最大の難読地名は久御山町にある「一口」ですね。
「一口」と書いてなんと読むと思いますか。これ、「いもあらい」と読むんですよ。これは超難読地名だと思います。
https://blog.goo.ne.jp/harigatake1961/e/5851c49bc49940f5b69232454395c576



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深紅に染まる尼寺-京都市右京区:祇王寺

2024年11月28日 | 京都市(右京区、西京区)
Giouji Temple, Ukyo Ward, Kyoto City

さてさて、この日(2020年11月22日)の嵯峨野は、まさに紅葉の見頃となっていたのでした


二尊院を出て少し歩くと、京料理のお店に真っ赤な野点傘がありました。
紅葉と野点傘の赤いコラボ…なかなか絵になる光景でした。やっぱりレンズを向けたくなりますね


嵯峨野をさらに北に向かい、ワタクシ達は「祇王寺」へとやって来ました。
祇王寺は真言宗大覚寺派の仏教寺院。寺自体は尼寺でして、ひっそりと静かに佇む小さなお寺なんです


祇王寺は『平家物語』にも登場してきます。平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王と仏御前が出家のため入寺したお寺なんです。
そして、このお寺の最大の魅力は、何と言っても苔に覆われた美しい庭園です


そして、晩秋になると苔に覆われた庭園は、散り初めた紅葉に覆われます。
まるで真紅の絨毯を敷き詰めたような、素晴らしい光景が目の前に広がるんです。ああ、なんて素晴らしい光景なのでしょう


普段は静かな祇王寺なのですが、紅葉の時期だけは多くの人が訪れます。
数年前、紅葉の時期に家人と一緒に祇王寺に来た時なんて、境内は人が数珠繋ぎになっていて前に進むのも大変でした


その時のことを思うと、この日は比較的人が少なくゆっくりと写真を撮れました。
コロナ禍だったとはいえ、「静かな京都」「人が少ない嵯峨野」を満喫できたのは幸運でした


日本庭園の苔むす庭、森の中の苔の絨毯…私達はそんな苔の姿を見ると、ワタクシ達はどこかホッとした気持ちになります。
湿潤な気候で、水が豊かな我が国は苔の生育に適しているので、苔は私達にとって身近な存在ですね


そういえば我が国の国歌である『君が代』にも「苔のむすまで…」という歌詞がありましたね

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


50歳になった頃からですが、「色づく紅葉をこれから何度見ることができるのだろう」と思うようになりました。
今回のブログの写真を撮ってから4年の歳月が過ぎましたが、もう紅葉を見ることができる回数はさほど多く無いのかもしれません。
そう思えば思うほど、その年その年の紅葉をしっかりと見ておきたいと思うんですよ。



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嵯峨野を北へ-京都市右京区:二尊院

2024年11月27日 | 京都市(右京区、西京区)
Nison-in Temple, Ukyo Ward, Kyoto City

さてさて、紅葉が見事な嵯峨野を散策するワタクシ達ですが、常寂光寺を後にしてさらに北に向かい、
次も紅葉の名所である「二尊院」へとやって来ました


二尊院は天台宗のお寺で、正式な名前は小倉山二尊教院華台寺といいます。
普段は比較的静かなお寺なのですが、ここ二尊院も紅葉の名所なので、紅葉の時期は多くの人が訪れるんですよ。
境内に足を踏み入れると、そこには絢爛豪華な秋の風景が広がっていました


二尊院なのですが、本尊に釈迦如来と阿弥陀如来を祀ることから二尊院と呼ばれています。
嵯峨天皇の勅願により、承和年間(834~848)に創建されたという古い歴史があるんですよ


この門は勅使門です。名前の通り元々は皇室からの使いが出入りする門でしたが、
今はワタクシのような下々の人間も出入りすることが出来ます。身分制度が無いというのはありがたいですな


二尊院がある嵯峨野は、平安時代から皇族や貴族の狩猟、遊興の場として開け、古今和歌集や源氏物語、平家物語にも描かれてきました。
京都では古くからの中心地であった現在の上京区、中京区、下京区のあたりを「洛中」と言い、その周辺を「洛外」と言います。
嵯峨野などは洛外も洛外。洛中の人から見れば、嵯峨野は今の感覚でいえば「京都のかなり郊外」という感じだったのでしょう


年配の京都人に言わせると本当の京都の人というのは洛中に暮らす人であって、洛外に暮らす人はあくまでも「田舎者」だそうです。
ただ、そのあたりについてはメディアがかなり誇張している面もありますな


ここ数年、神社やお寺の手水に色とりどりの花々を浮かべた花手水が人気です。
神社仏閣巡りが好きな人や、写真好きな人の心を強く惹きつけるようですね。
まあ、今の言葉で言えば「インスタ映え」するということでしょうか。いや、もうその言葉自体も古くなってきた気がします


二尊院を出ようとした時、美しく彩られた蹲(つくばい)がありました。
これもまた写真映えするというか、インスタ映えしますよねぇ。お寺も色々と考えるものですな


若い女性たちが、次々とスマホで撮影していました。最近はスマホのカメラ機能が向上したので、カメラを持たない人も増えましたね。
ただ、ワタクシはどんなにスマホのカメラ機能が進化しようと、写真はカメラで撮影するものだと決めています

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


「京都人は本音と建前を使い分ける」「京都人は他所者に冷たい」などと、よくテレビなどで言われます。
私は学生時代に京都で暮らしたことがあり、そういう面を感じることもありましたが、テレビは誇張しすぎな気がします。
そういう意味では「秘密のケンミンショー」というテレビ番組は、かなりの誤解を撒き散らしているのも事実でしょうね。



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小倉山の麓にて-京都市右京区:常寂光寺

2024年11月26日 | 京都市(右京区、西京区)
Joujakkoji Temple, Ukyo Ward, Kyoto City

さてさて、「紅葉の京都」を楽しもうと、まずは嵐山から天龍寺を訪れたワタクシ達は、
次に嵯峨野の方に向かって歩いていきました


天龍寺の北門を出てしばらく歩くと、見事な竹林が道の両側に広がっています。
ここは「竹林の小径」と呼ばれ、常に多くの観光客で賑わっているんです。
嵯峨野を取り上げる旅番組では必ずと言っていいほど紹介される場所なので、皆さんもご存知かと思います


少し前のことですが、日本の『地球の歩き方』のお手本となった英語のガイドブックに『Lonely Planet』というのがありまして、
「Lonely Planet Japan」の表紙にこの竹林の写真が使われたんです。
竹林というのは欧米にはありませんから、日本的なイメージがするのでしょうね


そして、ワタクシ達は「常寂光寺」に着きました。常寂光寺は日蓮宗のお寺で、山号は小倉山なんです。
関西では日蓮宗のお寺というのは比較的少なく、ワタクシもあまり日蓮宗のお寺に行くことはありません


常寂光寺は百人一首で有名な小倉山の山麓にあり、境内には多くのカエデの木があるんです。
ですので、秋の紅葉の時期は本当に美しく、多くの人が訪れるんです。
普段は天龍寺などに比べると観光客の数は少ないのですが、紅葉の時期だけは別ですわ


このお寺ですが、もとは藤原定家の山荘「時雨亭」があったと伝えられ、16世紀末に日禛(にっしん)がこの地に隠棲したことにはじまります。
言うまでもなく藤原定家は、「小倉百人一首」の選者の一人ですね


常寂光寺の境内に池がありましたが、その池を覆い尽くさんばかりに、カエデの落葉が水面に浮かんでいました。
散ってもなお美しい…そんな言葉が、ふと頭に浮かんだのでした


まるで秋の色をすべて集めてきたかのような常寂光寺の境内です。この日の嵯峨野は、まさに紅葉の見頃でありました


この日、新型コロナウイルスの影響で、ここ常寂光寺にも外国人観光客の姿を、ほとんど見ることはありませんでした。
最近はどこに行っても傍若無人な中国人観光客に辟易してしまうことが多いのですが、
彼らがいないと本来の静かで厳粛なお寺の雰囲気を感じることが出来るんですね。
そういう意味では、この日はありがたかったです

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


今や日本の国はインバウンドによる収益無しには、国の経済が成り立たないくらいになってきています。
ですので、外国人観光客が日本に来てくれることも、日本の良さを知ってくれることも喜ばしいことだとは思います。
ただ、寺社の参拝料金や城郭などへの入場料は日本人と外国人に差をつけるとか、入国税を高くするとか、
もう少し外国人観光客からお金を取ってもいいと思うんですよ。外国ではタージマハル、アンコールワット、マチュピチュ遺跡など
そのような例は珍しくありません。日本でも姫路城が検討しているようなので、ぜひ推進してほしいものです。



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