よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

宗派の枠を超えて-長野県長野市:善光寺

2015年10月01日 | 信州(北信)
Zenkouji Temple, Nagano City

さてさて、長野県長野市の善光寺へとワタクシ達はやってきたのでありますが、この善光寺にはちょっと面白いというか、
他のお寺には無い特徴があるんですよ。ワタクシも詳しくは知らないのですが、わかる範囲でちょっと説明してみますね


通常、どのようなお寺でも真言宗、天台宗、浄土宗、浄土真宗、曹洞宗など、何かの宗派に属しているんですよね。
ところが、善光寺はどの宗派にも属さないというか、宗派を問わない、珍しい性格のお寺なんです


善光寺は日本において仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院であることから、宗派の別なく参拝が可能なお寺と位置づけられているんです。
また、女人禁制があった旧来の仏教の中では稀な女性の救済を行う寺院でもありました


宗派の別を問わず、誰でもお参りできるところが、善光寺の懐の深さなんでしょう。
東京から新幹線で行けるという長野の交通の便の良さもあって、今では年間600万人の人が参拝に来るそうです


ワタクシが暮らす大阪では、ワタクシの印象としては浄土真宗の人が圧倒的に多いような気がします。
ちなみにワタクシは浄土宗なのですが、職場に実家が浄土真宗のお寺さんという人がいるので、
「浄土宗と浄土真宗って一番大きな違いって何なの?」と訊くと、「お寺がもらうお布施の金額がかなり違いますわ」と即物的な返答をいただきました


絵馬にこういう願い事を書くのって、学校の先生でしょうねぇ。きっといい先生なんだろうなぁ


おみくじというのはどこのお寺でも見かけますが、わざわざ「恋みくじ」っていうのがあるんですねぇ。
大学時代の友人で出版社に勤めているやつがいるんですが、そいつが言うには女性向けの雑誌には
「グルメ」「ダイエット」「恋占い」の記事が不可欠だということだそうです。なるほどな


参拝を終えて表参道に行きますと、「caffe terra」というカフェがありました。
terraは大地、地球などという意味ですが、きっと「寺」にひっかけた屋号なんでしょうね


冷たいアイスカフェラテをいただきました。それでは、この日のお宿に向かうとしましょうかねぇ

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


上記した実家がお寺さんの同僚と、その時にお布施の金額の話になりました。
浄土真宗は庶民に広まった信仰ですので、一般的にお布施の金額が各宗派の中では一番低いそうです。
逆に天台宗や真言宗といった密教はお布施の金額が高く、また地域性というのもけっこうあるそうなんですよ。
「じゃあ、檀家さんから七回忌のお布施はいくらなんですかって訊かれたら、なんて答えるの?」と尋ねてみたら
「それはお気持ちにお任せします、としか言いようがないんですよ」とのこと。お布施って難しいですねぇ



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牛に引かれて善光寺参り-長野県長野市:善光寺

2015年09月30日 | 信州(北信)
Zenkouji Temple, Nagano City

さてさて、長野県長野市にやって来て、戸隠で戸隠神社の参拝と美味しい蕎麦を堪能したワタクシ達は、
長野市内の中心部に向かい、善光寺へとやってまいりました


言うまでもなく長野市は善光寺の門前町から発展した街でありまして、善光寺には多くの参拝客がやって来ます。
同行者は善光寺に行くのは初めてで、ワタクシは二度目なのですが、前回は本堂が工事中だったので再訪したかったんですよ


ではでは、表参道から善光寺に向かうとしましょうか。


私が善光寺を前回訪れた時よりも、表参道はずいぶんと整備されて賑わっているように感じました。
ここでも欧米系の外国人観光客をけっこう見かけました。初めて日本に来る外国人観光客は京都、奈良、東京などに行くようですが、
リピーターの人たちはいろんな場所に足を運ぶようですね


この参道を歩きながら、ワタクシ達は「牛に引かれて善光寺参りって言うけど、あれはどういう意味なんやろなぁ?」
「言われてみたら意味がわからんなぁ。善光寺に入ったら、何か説明みたいなものがあるかもしれんで」などと話しながら、お寺に向かいました


おお、ワタクシ達の予想通り「牛に引かれて善光寺参り」の説明が書かれてありました。ちょっと紹介いたしますね。

「昔、信濃国小諸にケチで性根の悪いおばあさんが住んでいた。ある日、川で布を洗濯して軒先で乾かしていたところ、
一頭の牛が現れて角で布を引っかけ走り出した。おばあさんはその牛を追いかけ、なんと善光寺まで来てしまったという。

日が暮れて牛が入っていったお堂におばあさんも入ってみると、光明に照らされて、
牛のよだれが「牛とのみ思いすごすな仏の道に 汝を導く己の心を」と読めた。
するとおばあさんの心に仏の心が芽生え、すっかり信心深い人間に生まれ変わってしまった」ということだそうです


ケチで性根の悪いおばあさん…よほど強欲、因業な婆さんだったのでしょうねぇ。
まさか自分のことが、このような形で後世に伝えられるとは思っていなかったでしょうがね


現存する本堂は1707年に再建されたもので、江戸時代中期を代表する仏教建築で国宝にも指定されています


1707年というと宝永四年になるのですが、宝永年間というのは自然災害が相次いだ時代なんですよpねぇ。
宝永二年には桜島が噴火。宝永三年には浅間山が噴火。善光寺の本堂が建立された宝永四年には宝永の大地震が太平洋側で起こり、
さらには富士山の大噴火。宝永六年には阿蘇山が噴火するなど、すさまじい災害が続発しているんです


しかも、その時の将軍が徳川綱吉でありまして、綱吉は将軍になった当初は学問に力を入れ、しっかりした政治を行っていたのですが、
この頃は「生類憐みの令」に代表される悪政を次々と行なっていたんですよねぇ。世の中は混乱していたのでしょうな

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


政治が乱れ、自然災害が相次ぐ…どうも今の時代を連想してしまうのは私だけでしょうか。
江戸幕府は後に、徳川吉宗という突出した将軍が登場し、乱れた政治を立て直していきますが、
今後の我が国はどうなっていくのでしょうねぇ


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いてててて-長野県長野市:戸隠・戸隠神社宝光社

2015年09月29日 | 信州(北信)
Togakushi Shrine, Nagano City

さてさて、長野県長野市の戸隠にやって来て、美味しい蕎麦を食べて満足したワタクシ達は、
「そば処 千成」さんにお願いして駐車場に車を置かしてもらい、近くにある戸隠神社宝光社に参拝いたしました


宝光社の祭神は天表春命(あめのうわはるのみこと)で、中社の祭神である天八意思兼命の子だそうです。
大きな駐車場やお土産物屋さんなどが集まる中社に比べ、鬱蒼とした森の中に静かに佇む宝光社の方がご利益がありそうに思えてしまいます


ではでは、宝光社に参拝しようかと思ったのですが、ここに思わぬ難関があったのです


宝光社の本殿まで270段の石段がありました。いつものワタクシなら、ヒョイヒョイと登って行くのですが、この日はそうはいきません。
前日の登山で、情けないくらいに太腿の筋肉が疲弊したワタクシは、この日は人生最大の筋肉痛に襲われていたのです


石段を上がるたびに「いてててて」「痛い痛い」を連発し、よたよたヨロヨロと情けない姿で石段を登って行きました。
270段の石段が、2700段の石段に感じるくらいに、ワタクシは哀れな醜態をさらしながらの参拝だったのです


ああ、なんという情けない姿でしょう。なんという哀れな姿でしょう。日頃の鍛錬がいかに大切かを痛感いたしました。
ワタクシ、7年前から仕事が完全にデスクワークになってしまい、外を歩く機会が激減しました。
仕事量が増えたために、スポーツジムに通うこともままならなくなりました


体重はさほど増えたわけでもなく、家にある「タニタの体重計」で体脂肪率や基礎代謝量、筋肉量などが測定され算出される体内年齢が、
常に「39歳~41歳」の幅の中、つまり実年齢より14,5歳は若く数値が表れるので安心しておりましたが、これがダメだったんですねぇ


やはり筋肉は使わないと衰えていきます。そんな当たり前のことを実感させられました。
情けない思いで宝光社を参拝し、よたよたと歩くワタクシにさらなる関門が待ち構えていたのでした


筋肉痛の足には「登り」よりも「下り」の方がさらに堪えます。「いてててて」「あたたたた」などと、哀れな声をあげながら、
ワタクシは270段の石段を下って、戸隠を後にしたのでありました

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


今回の哀れな姿をきっかけに、「これからは月一登山で山に必要な足腰の筋肉を鍛えよう」と思ったのですが、
9月は二度、奈良県と滋賀県の山に登りに行きました。今のところ毎日のスクワットも継続しています。
仕事ではダメなのですが、遊びのためなら決めたことを頑張れる私です



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憧れの戸隠蕎麦に舌鼓-長野県長野市:戸隠・「そば処 千成」

2015年09月28日 | 信州(北信)
Soba Restaurant“Sennari”, Togakushi, Nagano City

さてさて、長野県長野市の戸隠へとやってまいりまして、まずは戸隠神社中社へ参拝を済ませたのですが、
時刻もお昼に近づいてまいりました。昼食に何を食べようかとなるわけですが、信州戸隠と言えば「戸隠蕎麦」の本場です。
蕎麦好きのワタクシですから、蕎麦を食べないわけにはいきませぬ

戸隠神社中社のすぐまえに、ガイドブックや雑誌などでよく取り上げられる「うずら屋」という蕎麦屋があるのですが、
すでに1時間半は待たねばならない行列になっておりました。ワタクシは近くにいた地元の人に「ここの蕎麦って特別に美味しいんですか?」と訊くと、
「戸隠そばの協会に入っているお店は材料、打ち方、盛り方などがどこの店も守らなあかんルールがあるんで、蕎麦の味はそう変わりませんわ。
ただ、そばつゆとか天ぷらとかは店の味の違いがありますよ」とのことでした。
ワタクシ達は戸隠神社の中社の次に宝光社に行きたっかたので、「宝光社の近くにいい蕎麦屋さんはありますか?と訊いてみると
「千成というお店は美味しいですよ」と間髪を入れずに返事が返ってきました。となれば、行かないわけにはいきませぬ


戸隠神社宝光社のすぐ東側に「そば処 千成」のお店がありました。目立つお店はありませんが、地元の人のお勧めですから間違いないでしょう


メニューを見て大盛りにしようかどうか迷ったのですが、お宿の夕食も楽しみでしたので、大盛りはやめておきました


付き出しの一つに「そば団子」というのが出てきたのですが、お店に人に訊くと蕎麦粉と小麦粉を練って、味噌の味付けをし、油で揚げたとのこと。
これが実に美味しくって…もう少し食べたいというか、付き出しでなくてもお金を払ってでも食べたいお味でした


どーですか。ワタクシの同行者は「とろろざるそば」を注文いたしました。うーん、美味そうですねぇ。
先ほど、戸隠そばにはいくつかのルールがあると書きましたが、その一つが蕎麦を盛る「ざる」なんですよ。
必ず根曲り竹で編まれた円形のざるに盛ることがルールなんです。
そして、「ぼっち盛り」と呼ばれる独特の盛り付けをすることも特徴なんです。
「ぼっち盛り」とは、一つのざるに5ないしは6束、馬蹄形状に盛る形式をいうのだと教えていただきました


どーですか。ワタクシはメニューには載っておらず、壁に貼られていた「限定20食 おろしそば」の貼り紙を見て、
大好きな「おろしそば」を注文したのでありました


ワタクシは信州の辛味大根が大好きで、信州に行くとよく「おろしそば」を注文いたします。
ただ、多くのお店では辛味大根の量が少ないんですよねぇ。しかし、ここ千成さんでは辛味大根の大根おろしがどっさりでした。ああ、嬉しい


蕎麦は喉越しのいい、美味しいお蕎麦でありました。蕎麦を打つのに使用するお水は、宝光社境内の湧水を使っているそうです


そばつゆも味がしっかりしており、ワタクシの好みでありました。いいお店に来ることが出来て良かったです

そば処 千成…長野県長野市戸隠2339

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


日本人は「日本○○百選」とか「日本三大××」なんていうのが、異常なくらいに好きなのですが
蕎麦にもちゃんと「日本三大蕎麦」というのがあるんですよね。(誰が決めたのかは知りません)
その三つは「信州の戸隠そば」「島根の出雲そば」「岩手のわんこそば」だそうなのですが
あちらこちらから異論、反論が出てきそうな気がしますね



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伝説に彩られた地へ-長野県長野市:戸隠・「戸隠神社中社」

2015年09月27日 | 信州(北信)
Togakushi Shrine, Nagano City

さてさて、長野県長野市の鬼無里を後にしたワタクシ達は、峠を越えて戸隠へとやってまいりました。
戸隠というのも地名の由来が面白いんですよ。地名好きのワタクシとしては、紹介しないわけにはいきません

日本神話の話ですが、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天の岩屋に隠れて天下は暗闇となったのはよく知られた話です。
八百萬の神々が集まり、岩戸開きの策を練っていました。その時、天宇受売女命(あまのうずめのみこと)の巧みな踊りと八百萬の神々のどよめきに、
何事が起こったのかと天照大御神が岩戸を少し開けたんですよね。その一瞬を逃さず、怪力のタジカラオノミコトが、岩戸を取って遠くへ投げました。
一方の戸は九州宮崎県の高千穂町へ、そしてもう一方の戸が信濃の国、戸隠へと飛んで行ったんです。
岩戸が山となり、戸隠山と呼ばれるようになった、というのが現在一般に信じられている伝説です


まずワタクシ達は、戸隠神社の中社に行きました。戸隠神社は中社、奥社、宝光社、火之御子社、九頭竜社の五社からなるのですが、
まず、ワタクシ達は戸隠の中心部にある中社に足を運び、参拝することにいたしました


中社の祭神は天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)で、天照大神が天岩戸に隠れたとき岩戸神楽(太々神楽)を創案し、
岩戸を開くきっかけを作ったとされる神とされています。なにせ八百万の神がわが国にはいますので、なかなか名前が覚えられません


ワタクシは戸隠を訪れるのは二度目なのですが、前回(10年ほど前だったと思います)に比べて観光客が多いことに驚きました。
目についたのは日本人では若いカップルや女性グループ、そして欧米系の外国人観光客でした


ワタクシはパワースポットというものがよくわかりませんし、そう呼ばれる場所に行ってもワタクシは何も霊的なものは感じませんでした。
まあ、霊感とかが全くワタクシには無いのだと思います。夜中に墓場を歩いても、怖いとも思いませんしねぇ。
それはさておき、ここ戸隠はパワースポット、それも「パワースポット中のパワースポット」のような紹介をされているようで、
どっと若い人が来るようになったようです。観光というのも、何が幸いしたり災いしたりするのかわからないものですね


ただ、霊的なものは感じないワタクシですが、神社、寺院、あるいは教会などを訪ねた際に、
その場に漂う荘厳な空気感、なんとも言えない厳粛な雰囲気というものは常に感じ取ることが出来ます


ここ戸隠神社の中社も、神社ならではの厳粛な空気が漂っておりました。思わず背筋が伸びる気がいたします。


ところで、上にも書いたのですが、ここ戸隠神社にも多くの欧米系の外国人が訪れておりました。
おそらく彼らの大半はキリスト教の信者だと思うのですが、一神教の宗教である彼らにとって、八百万の神を信じる神道という宗教はどう感じるのでしょう


一度はそういうことも訊いてみたいのですが、ワタクシの英語の語彙ではそこまでの会話は難しいなぁ

使用したカメラ:FUJIFILM X-T1


昨日の鬼無里にせよ、今日の戸隠にせよ、地名の由来を知るだけでその場所に行きたくなります。
地名というのが、貴重な文化遺産であるとも思います。
それだけに、安易な地名改変に対しては憤りや怒りを感じずにはいられません



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