あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

五感ならぬ四感を駆使して

2021-09-05 20:54:00 | 日記・エッセイ・コラム
こんにちは🌞久しぶりに晴れ間がしっかりとみられましたね。
やはり太陽の光はありがたいですね!

毎週日曜日は、院長の自伝です。

東洋医学の診断法の一つに『望診』があります。西洋医学では『視診』に相当しますが、
『視診』は眼で見た診断法です。視覚障害者の私は全くお手上げの診断法ですが、『望診』ならば可能です。
患者さんが玄関からベット上に仰臥するまでの動作は「見て」(視診)いませんが、「観て」「感じて」(望診)聞いて(聞診)いるのです。
さてここで聞診についても若干説明させていただきます。聞診とは、臭いを聞いて(かいで)患者さんの体調を診察する方法ですが、
これについては、入院されている患者さんや自宅治療(往診治療)など居所を同じくしている患者さんならば有効ですが、
来院される患者さんには不適当です。なぜなら、外界の各種臭いと交じってしまうからです。

聞診で私が主としているのは、患者さんの話される声の調子です。
低い声・高い声・籠もる様な声・呻く様な声・小さくて消え入る様な声等々患者さんの発する声の調子により、
五臓六腑や精神状態の乱れなどを推しはかっているわけです。
これを東洋医学では五声(呼・笑・歌・哭・呻)と称して五臓六腑の診断の一助としています。
つまり、患者さんが玄関を入った時からベット上に仰臥するまでにもどこが悪いのか予測を立てているのです。
従ってベット上に仰臥した患者さんに、脈診や腹診をしながら「今日は○○が悪いですね」、と言いながら悪い場所に直接手があたる訳です。
「エ! なぜ解るの?」「先生は感がいいからね」などとよく言われますが決して感がいいわけでは有りません。
五感を研ぎ澄ましと言いたいのですが、視覚がありませんので、残された四感の中でも聴覚と感覚(観覚)に集中させて情報を集めている訳です。
例えばこんな例もあります。蛇口からの水漏れは聴覚で、ガスの閉め忘れは聴覚と嗅覚で、
窓の閉め忘れは聴覚と皮膚感覚で誰よりも私が先に気付きます。
「見る」情報は確かに一度に多くの情報を獲得する事が出来ますがそれを見ていなければ貴方の直ぐ後ろに有る物も見えないのです。
観る事に集中して、すぐ傍に漂う「気配」を感じることが出来ないのです。
この『気』を大切にしたのが東洋医学です。
血管の全てを繋いだら地球二周半と言われる血液の通路も、全身の70%をしめる津液(水)も、五臓六腑や諸器官も『気』が働かなければ病を引き起こすのです。
「病気と「元気」や、「天気・地気・人気」等々『気』のつく文字は八十余りもあると言われます。
『気』について一度『気』にかけてみませんか。

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