ポスト小泉は安倍晋三!? 10月31日 

ポスト小泉は安倍晋三!? 10月31日 

冒頭、小泉総理は、「サプライズ人事ではない」と言ったそうだ。しかし、今回の組閣は、非常に意味深い。事実上、安倍晋三氏を、ポスト小泉に指名したのも同然だ。

「麻垣康三」と取り上げられたポスト小泉4候補のうち、福田康夫氏は組閣から漏れ最も冷遇されたが、もともと福田氏は、「反小泉」の急先鋒になる可能性を秘めていた。今回はずされたことで、一気にその芽を出すかもしれない。

麻生氏と谷垣氏は、実際には、マスコミが取り上げるほどポスト小泉の可能性が高い存在ではない。2人とも、総裁選の推薦人20名を集められるほどの組織力を持っていない。麻生氏も谷垣氏も、安倍氏に対する当て馬にすぎないのだ。

特に、外務大臣に就任した麻生氏は、間違いなく「失言大臣」の汚名を浴びることになるだろう。「一文化・一文明・一民族・一言語」発言に、その片鱗は大いに見られたし、今夕、就任後の挨拶では、「北朝鮮は犯罪国家だ」と、明らかに余計な一言を述べている。麻生氏は、国益を毀損しかねない、危険な大臣の筆頭株だ。

小泉氏は、偉大なるYESマン・武部幹事長を留任させ、今、最も信頼を置く中川秀直氏を政調会長に据え、官房長官である安倍氏の両脇をガッチリと固めた。これからは、毎日2度も3度も安倍氏と会い、徹底的に小泉改革のDNAを叩き込み、完全に手なずけるつもりなのだ。そして、安倍晋三内閣になっても尚、小泉改革路線を継続させる魂胆なのだ。

更に、今回の布陣は、明らかに「靖国参拝内閣」だ。中国は、総理大臣・官房長官・外務大臣の3人だけには、どうしても靖国神社を参拝して欲しくないと言っている。しかし、どう考えても、安倍氏も麻生氏も閣僚として靖国神社に参拝する。今回の起用は、中国や韓国に対する、小泉総理のわかり易いくらい明快なメッセージなのだ。自身が退陣しても、後続の安倍総理も、総理大臣就任中に靖国神社を参拝するぞ。日本の総理大臣は、何年先までも未来永劫、靖国神社に参拝し続けるのだ!と、強力なメッセージを送っていると捉えるべきだ。小泉総理、恐るべし。

自民党の新憲法草案しかり、アジア諸国に対して、アメポチ・ネオコンの小泉流の外交姿勢は、果たして本当に日本の国益に結びつくのだろうか。北朝鮮の弾道ミサイル飛来・中国の潜水艦の領海侵犯そして地球規模でのテロとの戦いに備えるために、日米同盟のもと、武力行使を伴う集団的自衛権は必要だと日経新聞の社説は主張する。しかし私は、アメリカと一緒になって世界各地で戦争に参加することが、日本の国益になるとはとても思えないし、むしろそれは、世界の国々からは絶対に支持されない。

アメリカは、自国の利益のためだけに戦争をする。そんな戦争の支援を、何故日本がかって出なければならないのか。日本は、専守防衛に徹するべきで、日本が世界の平和と安定のために寄与する方法は、国連を通してのみしかない。奇しくも今日は、「日米安保条約」を「日米平和友好条約」に変えるべきだと主張した後藤田正晴氏のお別れの会があった。自民党に、そんな大政治家が居た時代もあったのに、今は昔・・・。

そしてついに、食品安全委員会プリオン専門調査会は、12月には米国産牛肉の輸入再開を容認すると表明した。国産牛肉と米国産牛肉とのリスクの同等性を科学的に証明することは困難だが、そのリスクの差は小さいとし、なんと最後に、吉川座長は「米国産牛肉を買うか買わないかは、消費者が判断すればよい」と、暴言をはいた。米国から攻められ、政府からもプレッシャーがかかり、とにかく年内輸入解禁にこぎつけるための答申であって、その肉を食べる責任は「消費者」にあるのだということを、この言葉は意味している。吉川座長をして、こんな言葉をはかせた責任は、まぎれもなく政府にある。小泉総理のアメポチも、ここまできたか・・・。

肉骨粉に汚染された鶏糞や鶏舎のゴミ(チキン・リッター)や狂鹿病の鹿のレンダリングなど、米国の牛の飼料に対する規制はまったく不十分であることを知りながら、輸入を解禁する政府は、本当に日本国民のための政府なのか!?

第3次小泉改造内閣は、YESマン内閣。すべての閣僚は小泉総理にYESと言い、小泉総理は、ブッシュ大統領に、YESと言うのだ・・・
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