ソラノハテ・4人組社会人バンド「隼」のブログ

ジャンルにこだわらない自由奔放なオリジナル楽曲を演奏する “音のオモチャ箱!” 主な出没地は愛知県。

gram「新しい世界」の歌詞の世界

2011-10-30 22:00:52 | gram

sakuです。久しぶりに書きます。

gramには、「新しい世界」という曲があります。既に映像(ショートムービー)としても公開しています。

 

 

今日は、この曲の歌詞の世界について分析してみます。

 

ブログでも触れていますが、この曲は、gram結成後、初めてgramとしてつくった曲です。

作曲方法としては、ヒロタさんの奏でるギターにsakuのピアノを足し、セッションしてつくっていきました。

作詞は、ヒロタさんがしています。大枠のイメージは、歌詞を含めて最初に収録したものに近いです。

 

本題に入ります。こちらは、サビの言葉。

 

新しい世界に身を閉ざしていたけど

ここから出たいと あなたはウソつく

 

差し込む光に とまどっていたまま

すぎさったミライを うれいて憧れる

 

特に巧みなのは、「すぎさったミライを うれいて憧れる」

2つの反対語を並べている。さらに、被せるようにそれをダブルで組み合わせている。

 

【反対語なのに並べる。間逆だから、解釈の幅が広がる】

 

過ぎ去った(過去) ⇔ 未来

     +

うれいて(憂う) ⇔ 憧れる

 

確かに一瞬「すぎさったミライ」って何だと思う。反対語が並ぶのだから。

しかし、こういうことを可能にさせているのは、「うれいて憧れる」なのだろう。

これを組み合わせたことにより、意味を増幅させ、いろいろな意味を生ませているのだ。

解釈の幅を広くさせているのだ。

真逆な意味の言葉を組み合わせたため、どの言葉に重きを置くかにより、人によって違った解釈

頂くことを可能にしている。

 

また、「差し込む光」という言葉。こちらは、「モノクロ」という曲にもある言葉である。

前回のライブでは、「モノクロ」で始まり、ラストは「新しい世界」で締めた。

この言葉を使うことで曲間を「シンクロ」させ、ライブの流れをつくり、つなげている。

この流れも意識しての「新しい世界」である。

 

そして、「あなた」という2人称の言葉。これまでのヒロタさんの歌詞の中では、珍しいと思われる。

これまで2人称は、「君」が多かったように思う。「あなた」という言葉が出てきたのは、

gramならではなのかもしれない。一方から他方に一歩引いた視線を送る表現で「あなた」とし、

建て前を取り繕う「ウソ」という言葉で「落とす」。これも巧み。

 

次は、冒頭の言葉。

 

忘れかけた旋律に身を任せ 浮き沈む部屋の中、まわりめぐる 

暖かく丸み帯びた風景 痛み伴いながら今を感じてきた

 

この短い言葉の中にも、キーワードがある。「丸」だ。

このワードをリレーのようにつなぐ。

「まわる」→「めぐる」→「まるみ」→「おびる」


これは、言葉の流れのなめらかさにつながっている。

面白い。

 

 

実は、「新しい世界」は、いろいろなことが含まれています。

また違った見方でgramの曲を聞いて頂ければ幸いです。

ちなみに、映像は、飛び入り演奏で弾いたもの。グランドピアノを使わせて頂きました。

冒頭の映像がゆらゆらしているのは、上記「丸」を意識しています。

良かったら見てみてください。