よりみち散歩。

日々の暮らしのなかで心に浮かぶよしなしごとを、こじんまりとつぶやいています。お役立ち情報はありません。

依存でなく、支えであれー魔法の指輪

2017年06月23日 | コラム
「魔法の指輪」という童話がある。

鷹の雛を救った農夫が、鷹の母から願いが一つだけ叶う指輪をもらう。

人の好い農夫は、その夜居酒屋で指輪の秘密を喋り散らし、
居酒屋の主人により泥酔させられ、指輪をすり替えられる。

居酒屋の主人は、自室で「金貨をたくさん出せ!」と指輪に願い
降り注ぐ金貨の重みで圧死する。

何も知らない農夫は、帰宅して妻に指輪の話をする。

妻が「お金を願いましょうか」と提案するが
「もっと働いてみようよ」指輪を用いず、夫婦でどんどん豊かになる。

困ったことがあるたび、妻は「指輪に頼む?」と相談するが
「もう少し頑張ろう。指輪はまだ使う時期ではない」と夫は言い張り、
ますます裕福になっていく。



私は、これをベースに過去に二次創作をしたくらい、この話が好きだ。

テーマは、依存と支え

居酒屋の主人は、指輪にすべてを委ね、努力もせずに自滅する。

農夫は、指輪を心のよりどころにするが、その力を最後まで使うことなく、人生を好転させる。


最近、すべてを誰か(何か)に依存し、棚ぼたを待っている人が増えている気がする。

その誰か(何か)も完璧な存在ではない。
あまりに崇拝(依存)すれば、その枠を越えられず、自縄自縛になる。

支えや癒し、拠り所は必要だが、自分のすべてを空け渡すようなことになってはしないか。


支えを持ちつつ、具体的に動くこと。
時には休んだり、迷ったりしつつ、前へ前へと進むこと。

あの農夫は、最後まで指輪が偽物だと知らずに逝く。

モノに力があるのではなく、自身の心次第ですべてのモノが支えになり、歩みを応援してくれるのだろう。
逆もまた真なり。


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足で歩いた頃のこと

2017年06月23日 | 読書
星野富弘さんの最新詩画集『足で歩いた頃のこと』を読みました。



頸髄損傷で首から下が動かなくなり、もう半世紀が経つ星野富弘さん。
口で絵筆を咥えて描かれた絵は、どれも心にしみます。

星野さんの作品には、傍らで絵の具の色を調節し、色味を相談して口に筆を握らせる奥様の姿があります。

おふたりの生み出した作品たちは、いつも私の心を慰め癒してくれます。

心が疲れた時も、元気な時も、ふわりと優しい気持ちになれるのです。



星野さんの詩画集は全部持っていますが、最新刊を読むと、またすべて読み返したくなります。



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