霧に包まれ セスナは 高度を下げていった Leoš Janáček - V mlhách
十七年 飛んだ 異国の
海山を 見霽るかす 空の道
古より 海からの雲を受け
霧巻き 雨煙る 山
ふいに 荒れ逆巻く 海
厚く渦巻く 霧の一粒一粒の底に 昏くゆらめく
きらめきは 薄明を宿しつつ 透き通る蒼穹に わだかまり
蒼白き海の ただ中へ 出でゆく
窓に ふれては消える はかなき羽先に
きれぎれに 囁き流れ 白く透ける
言伝ての波頭を もたげては 没し去る
伊豆の なだらかな山腹へ向かう 霧の中
夫妻を乗せた機は 静かに
さらに 高度を下げていった
西の彼方より 円かな舟で
楽園を探す 旅に出た 聖人 は
幾度となく 戻り來り また 旅立っていった
北の 褐色の海 に 翳なす
暗き島嶼を 名に持つ 人は
耀く 双眸を掲げ 大海を渡る 志を継ぐ
大陸の涯 日の本の島へ 降り立ち
海山に 日輪の安らい宿る その島へ
炎の海を封じ込めた 種子が
蒔かれたことを 正し 伝えんと
原初の 混沌の海より 自ら生れ
鮮やかに 舞い上がり
光り耀く鳥 ベンヌ は
初めの丘に 舞い降りる
やがて 海の底深く
沈んでいた太陽が 昇り來るとき
それを そこで 温めるため
操縦桿を握る 夫の 隣に 奥方は 坐られていた
ふいに 霧の向うに その山肌が現れたとき
息を呑む間も なかった
寄り添う肩が ふれあった
蝱 という 鳥が いる という
虻 の旧字だが 辞典の 説明の最後に
伝説の鳥で 一足一翼で 助けあって 飛ぶ と 書かれていた
どこに なぜ 何羽 いるのかは 書かれていなかった
衝撃で 縦に 真っ二つに なられた 夫妻の
御遺体は 間で 骨が 骨に 食い込み
一つに 離れがたく
一つきりの 御棺は 鎖されたまま
訳を 訊くと そう 言われ
何十年 経ち 話せるようになっても
母の声は 震えた
死と ひきかえに
下降が 上昇へと 内が 外へと
時空の渦巻く中
遺伝子は解け
わが身を割いて 無限の彼方へ 手を差しのべ
一つの新たな 命を紡ぎ 送り出す
炎の海の種子を くわえた 火の鳥
日のもとに 高く掲げ Bohuslav Martinů - Fantasy
時空を 翔り 飛びつづける Bohuslav Martinů - Toccata
混沌の海より あなたが 自ら生れ
鮮やかに舞い上がり 光り耀いている限り
太陽は あなたを追い
幾度 冷たき泥濘の海に沈もうとも また生れ出る
あなたが 通った道だから
抜け出た先に あなたが 待っていてくれるから
その困難な 変容の刹那 あなたは 時空を超え
海山を貫き やってきて
燃え尽きぬ 身体で温め 守ってくれる
日の本の国は あなたの善意と正義に癒され
勇気を奮い 英気を養い
幾度も よみがえる
言葉少なき 静かな陳述で あなたは
あなたの祖国をも 救った
自らの国の過ちを 正そうとすることで
正し 癒やし 償い
ともに よりよい未来へ 前進しよう と
双方へ 手を差しのべる ことで
だれが悪い と 言っているのでは ない
どちらが正しい とも 言っては いない
大切な 身近な人が 見知らぬ 愛すべき人々が
どれほど傷つき 殺されたか と 感情的に 怒っても いない
人間は 戦争という 自らだけの 利益を追求するため
弱い者に暴力を奮い 徒党を組んできた
それを ずっと 幾度も 繰り返してきた
そのことに 想い到り
正し 改めなければ 終わらない と 知っている
なぜ そんなにも 怖れ 憎むのか
だれかが 幸せになる ことは 自分が 不幸せになる ことではない
だれかを 押しのけ 踏みつける のではなく
数多の困難に 助けあいながら 立ち向かい
ともに よりよい未来へ 進んでゆくことが できなければ
人のため 心からの 善意と 誠実さで 叡智と 正義を以て
手を差しのべあうことが できなければ
なにも 残らない 続かない
残りつつ 新しく 変わって行けない
身を ひき割かれようと 怖れ 憎みあう 人々の心を
有無を言わせぬ 正しさで 解きほぐし
果てしなく 深く 遠い 隔たりを 一歩も退かず 乗り越え
叡智と 限りない 優しさで 揺るがぬ手を 差しのべつづける
あなたの微笑みで 涙が消え かなしみが癒やされ
立ちこめる霧の 彼方に 道が かすかに見えてくる
山々の鎮まる 霧と 海に かこまれた 楽園
遠くて 近い わたしたちの 奥深く
身を貫いて ひらく 時空の扉
あなたは 眩しくて 見つめていたい けれど できない
暁に 昇るとき 黄昏に 沈むとき 太陽は 少し 心細く
山の端で 海の辺で あなたを 探す
Geyikli-Çanakkale Sunset, Turkey
そのとき 見える
身を ひき割いても 時空の扉を ひらきつづけ
自ら 扉となり 正義と善意に 燃えさかる 火の鳥
Bennu S.J.D. Ben Bruce Blakeney
あなたの微笑みが 想い出せない
でも 鮮やかに舞い上がり
光り耀く眸に 映っている自分が
瞼の奥に見える
しわくちゃで 震え 真っ赤な 小さい
だれもが 同じ 守り育てるべき 命
だれもが 微笑み 喜び 感謝し 希望に耀く
だれもが そうだった
いまは もう そこには いないけれど
眸の中に 想い出せるはず
どの眸の中にも 同じ耀きが
心から 命を 想い遣れば 生れ出る
(The bald proposition indeed, is that, as a matter of law, individuals may not be
charged with responsibility for wars, not at all because of high position in the state
but because existing law does not prohibit it and assess a penalty.
国家の行為である 戦争の 個人責任を問うことは、法律的に 誤りである
なぜならば、国際法は 国家に対して 適用されるものであって、個人に対してでは ない
個人に依る 戦争行為という 新しい犯罪を この法廷で裁くのは 誤りである
For this reason, additionally, the Indictment, insofar as it relates to the new crime
of waging war by individuals, should not be tried by the Tribunal.
It is superfluous to add that all charges of conspiring to do what was not itself
criminal must likewise fall.
われわれは、この裁判で 新しい法律を打ち立てようとする 検察側の抱負を 承知している
しかし、そういう試みこそが 新しく より高い 法の実現を 妨げるのでは ないか
「平和に対する罪」と 名づけられた訴因は、ゆえに 当法廷より 却下されねば ならない
(As my next point, I wish to discuss [that] -- indeed,) the very existence of entire
body of international law on the subject of war gives evidence of legality of war.
戦争に関し 国際法の法規が存在していることは、戦争の合法性を示す 証拠である
(And body of law, how war shall be commenced, notify, wage, and ended,
is meaningless, if law is proceed illegal.
戦争の開始、通告、戦闘の方法、終結を決める 法規も
戦争自体が 非合法なら、まったく無意味である)
([原文不明]
国際法は、国家利益追及の為に行う戦争を、これまでに 非合法と見做したことは ない
歴史を 振り返ってみても、戦争の計画、遂行が 法廷において
犯罪として 裁かれた例は ない)
The proposition that killing in war is not murder.
That killing in war, is not murder, follows from the fact, that war is legal.
戦争での殺人は 罪に ならない それは、殺人では ない 戦争が、合法的だからである
This legalized killing, -- justifiable homicide, technically, perhaps,
-- however repulsive, however abhorrent, has never been thought of,
as imposing criminal responsibility.
つまり 合法的な人殺しなのである 殺人行為の、正当化 とも 言えよう
たとえ 嫌悪すべき行為でも、犯罪としての、責任は 問われなかったのである
(以下の発言が始まると、同時通訳が停止、日本語の速記録にも この部分のみ
「以下、通訳なし」 としか 記載されなかった)
If the killing of Admiral Kidd, by the bombing of Pearl Harbor, is murder, we know the
name of the very man, whose hands loosed the atomic bomb on Hiroshima, we know
the chief(of)staff,(who)planned that act, we know the chief, of the responsible state.
キット提督の死が、真珠湾爆撃による 殺人罪になるならば、われわれは ヒロシマに
原爆を投下した、その者の名を あげることが できる 投下を計画した、参謀長の名も
承知している その国の 元首の名も、われわれは 承知している
Is murder, on their consciences? We may well doubt it. We may, well doubt it.
彼らは 殺人罪を 意識していたか? しては いないだろう そう思いたい
And not because the event of armed conflict, has declared their cause just,
and their enemies unjust, (but) because the act is, not murder.
それは、彼らの戦闘行為が 正義で、敵の行為が 不正義だから では なく
戦争自体が、犯罪では ない からである
Show us the charge, produce the proof of killing, contrary to the lows and customs
of war, name the man, whose hands dealt the blow, produce the responsible superior,
who planned, ordered, permitted, or acquiesced, in this act,
and you have brought criminal, to the bar of justice.
何の罪科で、いかなる証拠によって、戦争による殺人が 違法なのか
原爆を投下した者が いる この投下を計画し、その実行を命じ、これを黙認した者が いる
その者たちが 裁いているのだ (彼らも 殺人者では ないか)
KOBORI Keiichiro, PhD. P.10-11 Wikipedia on Ben Bruce Blakeney)
母は 履歴書に添え Leoš Janáček - Po zarostlém chodníčku
英文で 自分の夢を書いた
その夢は 手から手へ 渡り
きいたこともなかった ところから
想いもかけなかった 仕事の
面接の知らせが 届き
驚き ためらった 母は
ぜひ 來るだけでも と言われ
出かけて行った
母は どんな夢を 描いたのだろう
白き炎 そよぐ手に 幾重にも 包まれ
目覚めたばかりの 大いなる花
裡には 仄赤き 卵が数多 眠る
白き炎の手は いつしか 一つずつ
一翼となり 付け根を 首と伸ばして
嘴を ひらき 柔らかに 卵を つつく
やがて ほっそりと 羽先に 風を たわめ
沈む陽に 透け ほんのりと温まった
卵を くわえ 飛び立つ
一翼の 半身の鳥は
波間に くずおれ また立ち上がる
海馬に 身を委ね
わが身より 大き飛沫に
ひらめき すさる 蝶
波間に透ける 鎖された 瞼
潮路に漂う 櫛
死の淵で 再生を期し
二つに割けた 遺伝子の螺旋
そこに 棲んでいたものの 息吹きが
木霊し 幾重にも 煙る扉に
鎖された 階 めぐる 貝殻
よきものへ 孵るまで 数多の夢を くわえ
ふたりなのか もはや ひとりなのか
忘れ ひたすら飛ぶ 次元の狭間
静まり返る 水面に 半身を浸し
漕ぐ 歳月 遙かな昔に
凍った海面の よどむ 底流から
数多の 遠い 艱難を語る
聲が かすかに 響もす
水面に たゆたう 月かげ
あれは 円く とじた大地の向うで
あなたを探す 日の光
ひと聲 鳴いて あなたは 飛び立つ
透け たなびく羽から
星々が 瞬き出し 涌きこぼれ
翼 はためく ごとに
霧が さらさら鳴り
数多の涙が 霜と耀き 消えてゆく
風と 漣の あはひを
わたってゆく 子守唄が
木の間を すべり
熱き瞼を かすめ
冷たき髪を 梳く
光 広がりゆく 青空
霧 消えゆく 森
風 そよぐ 草原
星 泡巻く 渚
枝の間から
あなたの笑顔が 遠ざかる
耀く鳥が 飛びつづければ
いつか あなたの手の中へ
還れる
いくつもの夢が
暗闇に 明りを灯し
細き道を 穿つ
霧が たなびいている
楽園は あなたが いた ところ
あなたが ふれた すべて
あなたが 守り 育てた とき
その数多の ときが
静まり返り 微笑み 耀く
あなたが いまも いる ところ
ここ わたしたちの 心の奥
同じ 一つの
広い海と 山々に かこまれた
森の道の 向うから
あなたが 微笑み
手を振り 歩み來る
そこへ いつでも 行ける
あなたが ひらいた 扉の向こう
わたしたちは ひとり では ない
わたしたちは いつも ふたり だった
身を割いて 半身を 差しのべる手に
もう半身を それを支え 運ぶ 翼に し
もうひとり 二つに 割れ 佇む
人と 出逢い 助けあい 支えあい
羽搏き いまも 飛んでいる
想い出せ わたしたちの
すべては こうして できた
ならば 翼は どこに行った
わたしたちの とじた瞼の奥
心の 古い扉の 後ろ
死角のように かげのように
古い 着られなくなった 衣のように
掛かっている
心の 遺伝子は その片割れだった
螺旋の記憶を かげのように
携えている
それが 翼を つくる
だから
すべては 連なり 続いてゆく
手を 差しのばせば
差しのばされた手に ふれ
ひき揚げ ひき揚げられてゆく
ただ だれかに 会いたくて
虚空に 手を のべても
闇の奥から 薄明の裡から
数多の 懐かしい手が
しっかりと ふれ 握り返してくれる
火の鳥が 白く 金色に
耀きながら 舞い飛んで來て
なだらかな丘に 降り立つ
ふたりの 人の姿に なる
寄り添って 待っている
母が 丘を登って來て
手を とりあう Ludwig van Beethoven - Les Adieux
レンカク (Photo: 旧 Yoshi-World 鳥撮りに夢中 より)
ただ、溶け合った遺伝子とは子供に他なりません。
子供こそが世界の希望でしょう。
ですが、遺伝子だけで人類の英知を伝えるには情報量が足りません。
それには文化が必要でしょう。
自分がどんな文化にコミットするかが最重要かと思います。
人類の愚かさと賢明さは現在の世界が端的に示しています。
科学技術は驚異的に進歩しましたが
心の方はあまり進歩していないようです。
実際、脳の性能はクロマニヨン人と大して変わらないようです。
人々は相も変わらず愚かで利己的、強欲、狡猾、かつ残忍です。
しかし、一方で利他的で賢明な人々も少数ながら居るようですし、人類全体では統合と民主化に向かっているようにも見えます。
人類の最後がどういう形なのか知る由もありませんが統合と民主化の側に立ちたいです。
蝱という鳥は知らなかったです。「あぶ」の字の読み方がわからなかったくらいです。あはは あなたの微笑みが想い出せないでも鮮やかに舞い上がり光り耀く眸に 映っている自分が瞼の奥に見えるという表現は素晴らしいです。最後の文章も希望がある温かい内容で良かったです。面白かったです。痛みの表現は、最初の方の文に不正脈で脈がずれたりとかインパクトがある内容なら、そちらの方に印象がいってしまいます。最初と終わりは特に重要ですので、最初に一番インパクトが残る不整脈の内容だとみんなビックリします。歯がかけてボリボリ口の中で噛んだとかの内容も、痛みがあるみたいな感じです。わたし、歯は子供の頃に乳歯が抜けたくらいしか印象がないです。医療行為の内容でリアルすぎるのは女性には痛い感じです。今回の内容はリアルすぎないで丁度良かったです。ちょーっ、超忙しいです。
hazarさま、お体に充分に気をつけて下さい。
おいそがしいさなか、いつも すぐに ご覧いただき、意を汲み取っていただき、お励ましいただきまして、ほんとうに どうも ありがとうございます
やっと少し推敲でき…入れたかった日本画の朝陽も、手にした本の頁に出て來てくれて、とりあえずは このような ところ だろうか と…
http://okwave.jp/qa/q9269071.html?by=datetime&order=ASC#a_area
すべては marc様の、この御質問から 始まり…
adele様の 御回答を拝見し、考えたことの ほとんどすべては語られている と 感心したのですが、なにか自分にしか 語れないことが あるだろうか、と、はるか昔の記憶をたどり、想いを馳せると 母の声で、その御名が聴こえ…
これらの資料に出逢えましたことは、まことに僥倖でした…
Youtube https://www.youtube.com/watch?v=i8Fu54E4z_o
Wiki https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%83%BC
英語版 https://en.wikipedia.org/wiki/Ben_Bruce_Blakeney
東京裁判の陳述では、難しい法律用語を一切用いず、選び抜かれた言葉と順序で、単純明快な三段論法を構成しながら、いかなる感情も交えず、戦争における殺人行為は、たとえ、どのような非道なものであれ、罪に問い得ないことを、淡々と述べられていましたが、満を持しておられたかのように、宣戦布告せずに攻撃したことが、殺人罪に値するというなら、一般市民の数多住む都市へ原子爆弾を投下したことも、同様に殺人罪ではないのか、と述べられて、聴く耳を持つ者の心を揺さぶられました…
このかたが We と言われるとき、そこには、日本人とか、米国人とか、弁護側とか、訴追側という 立場を越えて、人間は、という 最も重く、温かい響きが、確かに備わっていて、涙が…
原爆を投下するまでに、多くの人の手を経て来ている、その人たちは、このことが、殺人罪に値する行為であることを、わかっていたのだろうか、
We may well doubt it. We may well doubt it.
この言葉と調子には、さまざま想いが胸に呼び起こされ…
深い思慮や注意もなく おこなってしまったことで、起きた結果に慄然とする…(過失致死)
目を逸らし、忘れ、正当化しようとする…(証拠隠滅)
当然の報いだ、思い知らせてやる、と、豪語する…(復讐)
できるから、そうするんだ、何度でも、やってやる、と、悪意を漲らせる…(差別・支配・殲滅)
そして、そういう人間は、もはや人間では、なくなってしまう
戦争と称し、利害の対立する人を殺し続け、事物を無くし続けるだけの、何かになってしまう
そのことを一言も言わずして、本来、裁判が成り立たないことにも こだわらず、与えられた条件の中で、不公平なルールをも遵守されたうえで、最善を尽くされました…
陸軍少佐として知り得た、開戦前夜の日本側による外交努力の進捗状況と、合衆国連合国軍側による日本帝国軍の暗号解読と情報収集による攻撃既知の証拠を積み重ね、双方承知のうえでの開戦逼迫の状況を説き起こされてもいるのです…
このかたが弁護を担当され獄中死されたかたも、終戦前夜、陸軍参謀総長として「アメリカに対する細菌戦は全人類に対する戦争に発展する」と反対し細菌戦の実行を阻止され…
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%85%E6%B4%A5%E7%BE%8E%E6%B2%BB%E9%83%8E
状況を把握、血気にはやる将官を抑えつつ、あらゆる責任を担いながら 少しでもより良い終戦を迎えるべく導き続け、なんの言い訳も残されず、病に斃れ…幽窓無暦日…
弁護人の このかたの御言葉は、まさに叙事詩であり、人類の遺産…
簡潔にして明快、こういうふうに語らずして、その願いを、その目指すところの、より良き未来を、聴く者の心に描き出すことができるのだと…
今日、ふと、ソクーロフの「太陽」を観…
予告 https://www.youtube.com/watch?v=8Ap8mNTbEOM
Original Trailer https://www.youtube.com/watch?v=o8cpBPT2TB4
1つのシーン https://www.youtube.com/watch?v=jcQ22qpXpFA
合衆国での公開時 https://www.youtube.com/watch?v=G_HZtW_rVYs#t=42.608041
なんというか 望外に 真実が伝えられているのではないかと…
上の、合衆国での紹介の冒頭に少し出て来るのですが、東京への爆撃が、魚類めいた飛行生物によって繰り広げられる悪夢が、昭和天皇陛下の眠りの妨げ、落涙されるシーンは、印象的で…
こういう映画が、ロシアの監督によって、全編日本語で(英語のところはありますが…)撮られるということが信じがたいようで…
でも 日本では 到底 無理なのでしょうか…
最後のほうで、昭和天皇陛下が、疎開先から戻られた香淳皇后陛下に、新しい歌ができました…なにを意味しているのか、まだわかりませんが…と言われて詠まれた御歌が心に残り…
しらゆきや さくらの ごとく ふりつもり ときを むなしく ぬぐい さりける
皆様の御蔭様にて、母と、母が私を生む前後まで秘書として働いていた 弁護士のかたについて、かすかに憶えていたことを想い出し、その時代の知らなかったことを、わずかながら知ることができました…
自分が生まれ、こうして好きなことをして、安穏と暮らしていられるのは、あの時代のすべてのかたがたの、懸命の努力のうえに成り立っていることに、いまさらながら想い到り、その御恩を生きていくうちに 少しでもお返し申し上げるべく、次代へと つなげて参りたいと願うばかりです…
ほんとうに 皆様の御蔭様にて、まことに ありがとうございます
まったく のろくさしていて、いったい どれだけ時間がかかるのか、同じようなことばかり、と 想い遣られるものの、これからも なんとか精進して参りたく、どうぞ よろしく お願い申し上げます
この醜く混沌とした世界にも良識が存在することを確信しました。
東条英機が単に狂信的ファシストではなかったことにも救いを感じました。
人間には多かれ少なかれ愚かさが付き纏いますし、社会問題や悪に対してほとんど無力と言えるでしょう。
ですので、一人一人がいかに賢明に生きるかにしか希望はないのだと考えます。