寝屋川 平和と市民自治の会は寝屋川市長選に立候補を予定されている南部創さんと広瀬けいすけさんに下記のような公開質問状を提出しました。南部創さんからは回答書が届きました。広瀬けいすけさんからは残念ながら回答書は届いていません。南部さんからの回答書はこのブログで公開します。
2019年3月19日
様
寝屋川 平和と市民自治の会
〒572-0837寝屋川市早子町20-12
072-813-2913 090-3927-6382
公 開 質 問 状
時下益々ご清栄のこととお慶び申しあげます。
さて、4月の統一地方選挙に際し、寝屋川市長選に立候補される旨お聞きし、当会といたしまして、平和・人権に関する基本的な見解を伺いたく、以下の3点について、3月27日までに文書にて回答されることをお願い申し上げます。
①2月24日投開票された沖縄県民投票の結果をどう受け止めておられるのか。
②核兵器禁止条約及び核廃絶に向けた取り組みについてどのようなお考えをおもちなのか。
③福島第一原発事故から8年が過ぎようとする中、原発について、どのようなお考えをお持ちなのか。
①に関して
さる2月24日に投開票された辺野古米軍基地建設の埋立ての賛否を問う沖縄県民投票において、「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択の中で、埋立て「反対」が72,15%を獲得、しかも昨年9月沖縄県選において玉城現知事が獲得した39万票を上回る43万票が「反対」に投じられました。
あらためて、辺野古新基地建設NOという民意が、県民投票という直接民主制を体現した手法で示されました。
しかし、政府は時代に逆行する軍事拡大政策を掲げ、「真摯に対応する」といいつつ、沖縄県民の民意を無視して、工事を続行しています。戦争放棄を宣言した憲法9条違反です。
昨年12月20日に決議された堺市議会の「国と沖縄県との誠実な対話を求める意見書」においては、「住民理解が乏しい上での土砂投入工事実施が、今後、国と地方自治体との間で起こる様々な問題を処理する上での、悪しき前例となるのではないかと、一地方議会として深く憂慮している。これらを踏まえ日本政府は、現在行われている集中協議に期限を設けず、住民理解をより一層進める対応を進め、国と沖縄県、地元市町村との誠実な協議を通じた、事態の打開策を見出すことを求める。」とあります。ここにある通り、政府の沖縄に対する強硬姿勢は、地方自治をも否定するものです。政令指定都市の市議会が国政に関わるこのような意見書を採択したことの意味は非常に大きいと言えます。
また直近の国民世論でも、工事の続行に「反対」との回答が52%で、「賛成」の29%を大きく上回っています(3/15,16毎日新聞調査)。
寝屋川市民の中にも、沖縄にルーツをもつ方々もたくさんいらっしゃいます。見解をお聞かせ下さい。
②に関して
2017年7月7日、国連において、「核兵器禁止条約」が122カ国の賛成多数で採択されました。核兵器の開発、実験、保有、使用や使用の威嚇などを禁止するものです。しかし、政府は「被爆国」でありながら、核兵器廃絶への流れに背を向け、批准しようとしていません。
同条約の早期批准は、核兵器のない世界を創る大きな力になると私たちは考えています。
また、国内の過半数を超える自治体首長が「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に対して、署名しています。
私たちは、昨年6月には、北川前市長に「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」への協力を、市議会議員の皆様に「日本政府に対し核兵器禁止条約への署名と批准を求める意見書の採択を陳情しました(資料別紙)。「恒久平和」を高らかに掲げる寝屋川市民憲章の精神を具体化するためにも、ぜひ核兵器の廃絶に向けた寝屋川市としての独自の取り組みを広げるべきであると考えています。見解をお聞かせ下さい。
③に関して
福島第一原発事故から8年が経過しました。
被害の実相ははかり知れず、放射能汚染地域は、福島に限らず関東一円に広がっていると言われています。しかし、甲状腺ガンを発症した約270人の子どもたちの問題を始め、避難者に対する支援の打ち切り等の問題も放置されたままです。
事故を受け、世界は確実に脱原発に舵をきっています。しかし日本政府は、事故への反省もなく、今だに原発再稼働に固執し、頓挫したとはいえ原発輸出を進めようとしています。
かつて「人類と核は共存できない」という言葉を遺された被爆者がいらっしゃいました。
寝屋川市みんなのまち基本条例の前文には、「環境に配慮し、安全で安心して誰もが暮らしやすいまち・・・の実現に努めます。」とあります。
寝屋川市は、関西電力大飯・高浜原発から100km圏に位置しています、もしこれらの原発に事故が起きれば、琵琶湖が汚染され、飲み水が確保できません。市民の命と安全に責任を持つべき自治体の長をめざされるならば、ぜひ原発に反対する立場をとっていただきたいと私たちは考えます。
原子力発電に関して、どのような意見をお持ちなのでしょうか、お聞きかせください。
以上が公開質問状です。
以下は南部創さんの回答書です。はじめの文書は回答書の写真です。
次の文書は南部さんの回答書に基づき、当会が入力した文書です
平成31年3月26日
寝屋川 平和と市民自治の会 御中
南 部 創
3月19日付の文書によりお尋ねいただきました平和・人権に関する質問に回答させていただきます。
① 沖縄県民投票の結果について
安全保障は国の専管事項であり、名護市辺野古への米軍基地建設についての最終的な判断は国において行われるべきものです。ただし、有効投票の7割、40万票を超える反対投票があったことは重く受け止める必要があると考えています。
国には、普天間飛行場の危険除去をはじめ、沖縄県の負担軽減も含めて県との協議を継続し、移設について県民の理解が得られるよう努力を重ねていくことを期待しています。
② 核兵器禁止条約及び核廃絶に向けた取り組みについて
核兵器は、人類を滅亡させる可能性もある恐ろしい兵器であり、この地球上から一日も早くなくし、平和な世界を実現しなければなりません。
寝屋川市は、あらゆる国の戦争と核兵器の廃絶を求めて「非核平和都市宣言」を行った自治体であり、思いを共有する多くの自治体と連携し、核兵器禁止条約や核廃絶についての取り組みを進めていくべきだと考えています。
③ 原発について
原子力発電は、発電時に二酸化炭素を排出せずに大量の電力を安定して供給することができ、しかも使い終わった燃料を再利用できるため、エネルギー資源の乏しい日本にとって重要な発電方法とされています。
他方、福島原発のような重大な事故が発生すると、8年が経過した今日においても多くの人々が避難生活を送られていることからも明らかなように、被害は甚大となるリスクがあります。
現時点で原子力発電をなくすことは地球温暖化の防止、日本のエネルギー事情という観点から現実的ではありませんが、将来的には、枯渇することがなく、環境負荷の少ない新エネルギーへの転換を図っていくことが必要であると考えています。