去年のアカデミー賞受賞の映画ゼア・ウイル・ビー・ブラッドを見た。正月用に3本DVDを借りたが、これで全部見終わった。石油堀に取りつかれた男の物語だが、彼にとって、友人はおろか、血的つながりの家族や親類すら自分の石油堀という目的に必要とはしない。「そこに血は」ないのである。カリフォルニアと言えば、太陽が降り注ぎ、陽気で明るいイメージがあるが、ここに描かれた石油資源開発当時はそんなイメージはなく、農業に向かない枯れた貧しい不毛の大地に他ならない。荒涼とした大地の中で、金から石油へと欲望を張り巡らす男たちのギラギラとした業が燃え上がる・・・