jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

青春漂流/立花隆

2010年10月11日 | 読書
1983年頃に雑誌スコラに連載された立花隆氏と職業も種々な11人の若者たちとのインタビュー集。
11人の若者たちは下記のラインナップ。
年齢はインタビュー当時のもの。

稲本裕(オーク・ヴィレッジ塗師32歳)
古川四郎(手づくりナイフ職人33歳)
村崎太郎(猿まわし調教師22歳)
森安常義(精肉職人33歳)
宮崎学(動物カメラマン34歳)
長沢義明(フレーム・ビルダー36歳)
松原英俊(鷹匠33歳)
田崎真也(ソムリエ25歳)
斎須政雄(コック34歳)
冨田潤(染織家34歳)
吉野金次(レコーディング・ミキサー36歳)

自分が知っているのは猿まわしの村崎さんとソムリエの田崎さんだけだった。
当時から27年もの歳月が経っているけれども、
皆さん今もなお元気で活躍中のようです。

最初から読んでいくのは入りにくそうだった。
木工やナイフはよくわからないし。
もっとも得意分野の音楽からということで吉野さんから読み進めてみた。

はっぴいえんどの「風街ろまん」の録音にこの人が携わっていたのを初めて知った。
ビートルズの研究にかなり熱心だったというエピソードにぐいぐいと引き込まれた。
彼らのプロデューサー、ジョージ・マーティンがどうやってあの音を作ったのかを
かなり苦労して分析したそうな。
ビートルズの音楽は自分のDNAレベルまで染み込んでいるだけに、
スタートをここからにして正解だった。
それぞれの感想を書いていくと長くなってしまうのでやめときます。

プロローグにグサリと来るところがあった。

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人生の最大の悔恨は、自分が生きたいように自分の人生を生きなかったときに生じる。
一見いかに成功し、いかに幸せに見えても、
それがその人の望んだ人生でなければ、
その人は悔恨から逃れることができない。
反対に、いかに一見みじめな人生に終わろうと、
それが自分の思い通りの選択の結果として招来されたものであれば、
満足はできないが、あきらめはつくものである。

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最近このブログに続けて書いてきた迷言のエッセンスはまさにこれ。
自分と正直に向きあって生きるにはどうしたらいいかというテーマ。。
わしなんか自分にウソつきまくってきたから、
そのツケがだんだん大きくなってしまい、
今となっては耐えがたいほどに重くのしかかっている。

やって失敗に終わった後悔は納得できるけど、
やらない後悔は一生残るし、納得できないまま死を迎えることになります。

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世間の常識から一歩も外れないことばかりいい、
また、そういう身の処し方、生き方しかしようとしない。
精神だけが老化した青年とは、
実は、あらゆる失敗の可能性を前にして足がすくんでしまった青年のことである。
口を開けば人生にチャレンジしない自分の生き方について聞いたふうなことをいうかもしれない。
真実は人生を前にして足がすくんでしまっているというごく単純なことなのだ。

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足がすくんでいる>>はい、自分のことです。
もともとは自由な考え方の持ち主だけに、
物分りのいい・常識的な人を演じ続けるのはもうたくさんであります。
常識的なコースで生きていくことに疲れ果てました。
そこに自分と正直に向かい合っている自分がいる余地はありませんから。
っていうかそもそも「常識」というコトバが大嫌いであります。

人生にチャレンジしない自分を正当化するつもりはないし、
自分に正直になっていかないと精神的に破滅してしまうでしょう。

この本に出会えてよかった。
いや、もっと早く会いたかった。。
自分が20代のころに。。


青春漂流
立花隆
出版社: 講談社 (1988/6/7)
言語 日本語
ISBN-10: 4061842234
ISBN-13: 978-4061842236
発売日: 1988/6/7


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