地球外知的生命体探査プロジェクトSETI(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)が、
もし本当に宇宙人が発している電波を受信したら世の中はどうなるか?
を描いたカール・セーガン博士の最初で最後の小説。
この小説は10年ほど前に一度読んだことがある。
映画もビデオで見たことがある。
カール・セーガン博士の『惑星へ』、『宇宙との連帯 -異星人的文明論』、『人はなぜエセ科学に騙されるのか』などの著作を読んでいくうちに、
もう一度『コンタクト』を改めて読みたくなってきた。
宇宙探査や地球外知的生命体探査(SETI)に対する情熱、懐疑主義、宗教と科学の関係、
われわれが住んでいる地球の宇宙における位置づけなど、
彼の考え方をある程度予め知っておいたほうが、
よりこの小説を楽しめるし理解を深められると思ったので。
この考えは正しかった。
やはり、彼の宇宙関連の本を読んで科学の知識を蓄えておいたほうが『コンタクト』を何倍も楽しめる。
アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』も読んでおくとなおよい。
以前読んだときと同じ場面で今回も泣かされた。
帰りの電車の中でその場面がやってきたので、困った、コマッタ(汗)。
しかも、たまたまそのとき聴いていたポータブルCDからは、
タイミングよくDream Theaterの美しいバラード曲"Anna Lee"が流れてきた。
ジョン・ペトルーシの感動的なギターソロと小説の情景がシンクロしてまるで映画を見ているかのような錯覚。
話は逸れるけど、
この曲のギターソロを聴くとジョージ・ハリソンのスライドギターをいつも思い出す。
地味だけど隠れた名曲。
周りの人はさぞビックリしたでしょうね。
本を読んでいる怪しいオッサンがいきなり涙を流し始めたのを目撃したのだから(冷汗)。
その場面がなぜそれほど感動的をもたらすのか?
2度目だけにそのシカケがよーくわかった。
序盤に出てくる対称的な伏線が、ここで威力を発揮していたのだ(ネタバレのためぼかしまくり)。
映画版で主人公のエリーを演じたジョディー・フォスターはハマリ役だと思う。
彼女以外のエリーは考えられない。
ドラムリン役のトム・スケリット(『トップ・ガン』でトム・クルーズの教官役を演じたのが印象的)や、
パーマー・ジョス役のマシュー・マコノヒー(『評決のとき』のジェイク・ブリガンス役がよかった)もいい感じ。
エリー対パーマー&ランキンの宗教討論の場面が非常に興味深かった(映画版ではどのように取り上げられていたか?記憶にない)。
自分はかつてミッション系の大学に通っていた。
キリスト教に関する授業が必修(強制)で、ミサに参加してのレポート提出も義務付けられていた。
自分はキリスト教徒ではないので、正直なところこっち関係の授業やレポートは苦痛だった。
しかし、これらをやらないと卒業できないので否応なしだった。
せっかくのいい機会だったので、
キリスト教を信じるところまで行かなくても、
少しでも理解しようとオープンな心で授業やミサを聞いていたつもり。
しかし、話をきいているうちに、
なにかモヤモヤとした割り切れないものを感じて徐々に拒絶反応が大きくなっていった。
聖書読破を何度かトライしてみたけど興味が続かず毎回挫折。
エリーがパーマーやランキンを相手に、
あの当時自分が感じていたモヤモヤを明快・辛らつな言葉スパッと一刀両断してくれたような気がして
なんだかとてもスッキリした気分になった。
わしが不可知論者になったのは大学のせいでもあるよ(自分は決して無神論者ではない)。
ちなみにSETIは実在する世界的なプロジェクト。
残念ながら地球外知的生命から発せられた電波を未だに発見できていない。
われわれの銀河系だけでも数え切れないほど恒星があり(2000億個?)、
その周りにいくつかの惑星が回っているとすれば、
そろそろ何かしらそれらしきものを受信できてもよさそうなのに……。
自分が生きているうちに、
ぜひ地球以外の天体にも生命が存在することを見つけて欲しい。
もし、今この瞬間に地球から100万光年離れたどこかの天体から
知的生物が宇宙に向けて何か電波を発射したとしても、
地球に届くのは100万年後なのであった。
よその天体の生命の進化、
地球からの距離、
現在のわれわれの状況、
光速による伝達速度が有限、
これらの条件を鑑みると、
たとえ本当によその天体に知的生命が存在し何かメッセージを発したとしても、
タイミングの問題が非常に難しいのであった。
さらにどの周波数をスキャンすればいいのか?
どの方角を狙えばいいのか?
を考えていくと恐ろしく気の遠くなる探し物なのであった。
コンタクト 上
著:カール・セーガン
翻訳:池 央耿、高見 浩
出版社: 新潮社 (1989/07)
ISBN-10: 4102294015
ISBN-13: 978-4102294017
発売日: 1989/07
コンタクト 下
出版社: 新潮社 (1989/07)
ISBN-10: 4102294023
ISBN-13: 978-4102294024
発売日: 1989/07
Contact
by Carl Sagan
もし本当に宇宙人が発している電波を受信したら世の中はどうなるか?
を描いたカール・セーガン博士の最初で最後の小説。
この小説は10年ほど前に一度読んだことがある。
映画もビデオで見たことがある。
カール・セーガン博士の『惑星へ』、『宇宙との連帯 -異星人的文明論』、『人はなぜエセ科学に騙されるのか』などの著作を読んでいくうちに、
もう一度『コンタクト』を改めて読みたくなってきた。
宇宙探査や地球外知的生命体探査(SETI)に対する情熱、懐疑主義、宗教と科学の関係、
われわれが住んでいる地球の宇宙における位置づけなど、
彼の考え方をある程度予め知っておいたほうが、
よりこの小説を楽しめるし理解を深められると思ったので。
この考えは正しかった。
やはり、彼の宇宙関連の本を読んで科学の知識を蓄えておいたほうが『コンタクト』を何倍も楽しめる。
アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』も読んでおくとなおよい。
以前読んだときと同じ場面で今回も泣かされた。
帰りの電車の中でその場面がやってきたので、困った、コマッタ(汗)。
しかも、たまたまそのとき聴いていたポータブルCDからは、
タイミングよくDream Theaterの美しいバラード曲"Anna Lee"が流れてきた。
ジョン・ペトルーシの感動的なギターソロと小説の情景がシンクロしてまるで映画を見ているかのような錯覚。
話は逸れるけど、
この曲のギターソロを聴くとジョージ・ハリソンのスライドギターをいつも思い出す。
地味だけど隠れた名曲。
周りの人はさぞビックリしたでしょうね。
本を読んでいる怪しいオッサンがいきなり涙を流し始めたのを目撃したのだから(冷汗)。
その場面がなぜそれほど感動的をもたらすのか?
2度目だけにそのシカケがよーくわかった。
序盤に出てくる対称的な伏線が、ここで威力を発揮していたのだ(ネタバレのためぼかしまくり)。
映画版で主人公のエリーを演じたジョディー・フォスターはハマリ役だと思う。
彼女以外のエリーは考えられない。
ドラムリン役のトム・スケリット(『トップ・ガン』でトム・クルーズの教官役を演じたのが印象的)や、
パーマー・ジョス役のマシュー・マコノヒー(『評決のとき』のジェイク・ブリガンス役がよかった)もいい感じ。
エリー対パーマー&ランキンの宗教討論の場面が非常に興味深かった(映画版ではどのように取り上げられていたか?記憶にない)。
自分はかつてミッション系の大学に通っていた。
キリスト教に関する授業が必修(強制)で、ミサに参加してのレポート提出も義務付けられていた。
自分はキリスト教徒ではないので、正直なところこっち関係の授業やレポートは苦痛だった。
しかし、これらをやらないと卒業できないので否応なしだった。
せっかくのいい機会だったので、
キリスト教を信じるところまで行かなくても、
少しでも理解しようとオープンな心で授業やミサを聞いていたつもり。
しかし、話をきいているうちに、
なにかモヤモヤとした割り切れないものを感じて徐々に拒絶反応が大きくなっていった。
聖書読破を何度かトライしてみたけど興味が続かず毎回挫折。
エリーがパーマーやランキンを相手に、
あの当時自分が感じていたモヤモヤを明快・辛らつな言葉スパッと一刀両断してくれたような気がして
なんだかとてもスッキリした気分になった。
わしが不可知論者になったのは大学のせいでもあるよ(自分は決して無神論者ではない)。
ちなみにSETIは実在する世界的なプロジェクト。
残念ながら地球外知的生命から発せられた電波を未だに発見できていない。
われわれの銀河系だけでも数え切れないほど恒星があり(2000億個?)、
その周りにいくつかの惑星が回っているとすれば、
そろそろ何かしらそれらしきものを受信できてもよさそうなのに……。
自分が生きているうちに、
ぜひ地球以外の天体にも生命が存在することを見つけて欲しい。
もし、今この瞬間に地球から100万光年離れたどこかの天体から
知的生物が宇宙に向けて何か電波を発射したとしても、
地球に届くのは100万年後なのであった。
よその天体の生命の進化、
地球からの距離、
現在のわれわれの状況、
光速による伝達速度が有限、
これらの条件を鑑みると、
たとえ本当によその天体に知的生命が存在し何かメッセージを発したとしても、
タイミングの問題が非常に難しいのであった。
さらにどの周波数をスキャンすればいいのか?
どの方角を狙えばいいのか?
を考えていくと恐ろしく気の遠くなる探し物なのであった。
コンタクト 上
著:カール・セーガン
翻訳:池 央耿、高見 浩
出版社: 新潮社 (1989/07)
ISBN-10: 4102294015
ISBN-13: 978-4102294017
発売日: 1989/07
コンタクト 下
出版社: 新潮社 (1989/07)
ISBN-10: 4102294023
ISBN-13: 978-4102294024
発売日: 1989/07
Contact
by Carl Sagan
海水魚を飼っていると、入れたはずのない生命体(ヒトデとか貝とか、ゴカイとか)がどんどん沸いてきて、生命の神秘を感じさせてくれます。そもそも、人工海水だけでは駄目で、空気中からバクテリアがやってきて繁殖しないと駄目なんですよね。
宇宙の始まりも神秘的ですが、最初の生命体はどこから来たのでしょうか・・・・。知らないことばかりです。
確かに世の中わからないことばかりです。
いろんなことをもっと知りたい欲求があるから、ついついいろんな本を読んでしまうのかもしれません。
年をとっても知的好奇心を失わないようにしたいものです。
生命の不思議といえば、
「意識」って何なのだろう?
って最近よく考えます。
生まれる前の自分の意識はどこからやってきたのだろう?
死んだら意識はどこへ行ってしまうのだろう。
死の恐怖で自殺を思いとどまったり、
寝不足になったりすることが多々あります。
なんだか重いコメントになっちゃった。。
グランド・キャニオンとかイエローストーンとかを訪れてからは、死ぬ前に見たり・聞いたりすべきことがあるかもしれない、と思ったら、それをするまでは生きていようと思いました。
でも、この本のおかげでいろんなことを考えるきっかけをもらっただけでも読んだ意義があったと嬉しく思う今日この頃です。