jurgen's Heurige Blog (ゆるげんのブログ)

I will, I will いっぱい足りないの切なくて
I feel, I feel いっぱい会いたいのボクだって

ニューヨークからきた猫たち/椎名誠 朝日新聞社

2006年10月18日 | 読書
わしはニューヨークにここ2年連続で遊びに行っていることもあって、特別に思い入れのある街。
椎名誠が書いた本の題名に「ニューヨーク」を持ってくるのは意外な感じがした。
どう考えても椎名誠に「ニューヨーク」はおよそ似合わないのである。
彼が好んで行きそうなのは離島、山、砂漠、北極、チベットなどであり、
賑やかでオシャレで若い女の子に人気のあるニューヨークは、
いかにも軟弱かつ墜落でありケッ!と軽蔑のまなざしで蹴飛ばされそうである。
彼の娘がニューヨークに住み役者業と翻訳業で奮闘中であることを知り、ようやく納得した。

彼がフリーになりたての頃にノイローゼに悩まされたことがあったそうだが、
今回もいろいろな悩みを抱え不眠症に陥りだいぶ参ってしまっている。
しかし、それをしっかり受け止め、前向きに生きていこうとする様子が淡々と描かれている。
あちこち旅に出かけ自由奔放な生活を送り、一見ノイローゼや神経症とは無縁に思える作者だが、やはり普通の人と同様にいろいろなトラブルや悩み事があることがわかって、ちょっと安心した。

この本の最初の物語「ふゆのかぜ」で主人公は、
母が死んでいく夢を見る。
それが正夢になってしまう。
自分は予知夢を見たことがないけれど、
悪い予感がして数時間後に本当に悪いことが起きることがたまにある。

母方の祖母が地元の病院に入院していたときこと。
胸騒ぎというかムシの知らせというか、
どういうわけか祖母のことがものすごく気になった。
その日は一通りの仕事が終わったあと、同じフロア内で机を動かすだけのカンタンな引越しが予定されていたけれど、無理を言って定時後に会社を出て病院へ向かった。
いつもの病室に祖母はいなかった。
病院の人にきいてみると病室をその日に移されたとのこと。
寝たきりで抵抗力が低下していた祖母は院内感染にかかっていたのである。
病院からうちに何の連絡もなく、自分の親はそこのことをまったく知らず青天の霹靂だった。
次の日、会社で当然のごとくイヤミを言われたけど、
自分の行動は正しかったと今でも思っている。





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