今年1月30日に放送された『POWER ROCK TODAY』はリクエスト天国だった。リスナーからのリクエストを中心に番組が構成される特番で、不定期に行われる。そのときオンエアされて曲の中でもっとも印象に残ったのはカルメン・マキ& The Blues Creationの"Understand"という曲だった。ジャニス・ジョプリンの影響を受けてロックに転向したカルメン・マキが竹田和夫率いるBlues Creationとタッグを組み、1971年に発表されたアルバム『カルメン・マキ&ブルース・クリエイション』に収録されている。当時カルメン・マキ女史はまだ20歳。竹田和夫氏にいたっては若干19歳。日本のロックがこれから確立されようとしている時期に、若い才能が今聞いてもなお新鮮で十分に通用する音楽を生み出していたことに、純粋に驚いたし感動いたしました。Blues Creationはその後すぐ解散してしまい、ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンク兄弟のザ・ファンクスの入場テーマ曲"スピニング・トーホールド"を生み出したCreationへと発展する。昭和のプロレスファンにとってはたまらない一曲。一方、カルメン・マキ女史は翌年に「カルメン・マキ&OZ」を結成。このバンドはベースは後にカシオペアに加入する鳴瀬喜博氏。自分の好きな音楽と日本のロックの歴史。点と点でバラバラに存在していたものが、ひとつの線で結ばれた。
Blues Creation w. Carmen Maki ► Understand Live! 1971 [HQ Audio]
ちなみに、この"Understand"はFANTASYというアメリカのバンドのカヴァー曲。オリジナルを聴くと、日本勢はふつうにモノマネ・コピーしていたわけではなく、自分たちの音楽として消化して、さらにブラック・サバス的な味付けを加えて完全に新たな音楽として生まれ変わらせているのがすごい。
UNDERSTAND - FANTASY 1970
この曲をリクエストされたリスナーさんが、カルメン・マキ女史のヴォーカルがLOVEBITESのasamiさんに通じるものがあると書かれていたのが印象的であった。"UNDERSTAND"の直後にかかった曲がLOVEBITESの"HOLY WAR"であった。
LOVEBITES / Holy War [Live at Zepp DiverCity Tokyo 2020]
並べて聴くと確かに相通じる雰囲気があり、目から鱗であった。伊藤政則氏の選曲・演出にも唸らされた。古きを訪ね新しきを知る。知らない音楽はまだまだいっぱいあります。新しい発見を求めて、いろんな音楽を求める旅はまだまだ続きます。
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