ヒビキ、歌舞伎鑑賞教室へGO!

半蔵門にある国立劇場で、親子歌舞伎教室があるというので
親バカ母、ヒビキを連れてGO!
とはいえ、親バカ達は歌舞伎はおろか、そろって演劇一般に造詣なし。
親バカ母に至っては、国立劇場自体が初めてという、
なあんだ子どもと一緒じゃないですか。



プログラムは前半は「歌舞伎のみかた」ということで
「歌舞伎のなかの十二支」をテーマに、
十二支の動物たちを一匹ずつ紹介することを通じて、
役者さん以外のスタッフを紹介して、その意味や役割を解説したり、
回転などの舞台装置について説明したり、するのだが、
そのひとつひとつが、照明といい、道具立てといい、
美術が行き届いていて美しい。

後半は「新版歌祭文　一幕　野崎村」というお芝居で、
野崎村百姓久作住家の場、同土手の場という2場の出し物だったのだが、
これは長い話の一部を独立させた演目なので、
前半の終わりにそれまでの筋をスライドでみせ、
ナレーターであった役者さんも「では私も支度をしてまいります」
と下がって、新たに舞台に登場するという
そんな流れになっていた。

「もしかしたら仙波さんがいるかもよ～」
と向かった国立劇場であったが、
音楽のご担当は黒御簾のおくの小部屋に押し込まれていて
ひと目みただけで「あれじゃ、仙波さんいないよ」
と思ったのであった。

しかし鳴り物入りで役者はせりあがってくるは、
動物たちは登場するは、ふつうの日本語で説明してくれるはで
前半は身を乗り出すほど集中して、みてたヒビキ、
こういったものの鑑賞の場合は多少はおしゃべりしてもいいみたい
といった判断もGOODで、おおいに楽しんでいたようだ。

しかしスライドを見て、どうも悲しいお話だとわかると
ヒビキ、断固拒否。（今まで最後までみた映画はカーズだけ）
しかし一緒なのが親バカ母なので通らないだろうと踏んで
結局、無理矢理寝てました。

結婚目前にうきうきしていた田舎の娘が、
突然現れた御店のお嬢さんと相手の男が実は恋仲と知り、
尼になって二人を見送るという話なのだが
どうしてそういう話を演るのか、悲しいから見たくないというわけ。
帰り道でも、いいとこぜんぜんなし、と実に批判的。

結局半蔵門駅のマクドナルドで、
お話が悲しいことは、お芝居なんだからいいんだと説得したところ、
家へ帰ってからはパンフレットなんかも見直してましたけど。

でも修業した大人達が総勢何十人もで本気で造り上げる舞台なので、
何らかの影響を与えずにはいないでしょう。
兎がいて、狗がいて、舞台が回転して、義太夫がナレーションして、
ロビーではどっこいオレンジジュースも飲める、不思議な１日でした。