ムービー録りの快楽

海の日のエプタザール発表会の前後から、
親バカ母がムービー録りにはまっている。

で、試し撮り、というんで、バイオリン練習のときに声をかけると
ヒビキ、気前よく応じてくれる。
すごくわかりやすいきっかけを出してくれる。
テンポも少し遅めで、ま、ちょっとたっぷりしすぎたこともある。
終わりもいかにもこれでおしまいという、
親バカ母には、ちょっと名残惜しくもあり、というふうに終わる。

おもしろいのは、バイオリンをひとりで弾く場合には、
アンサンブルじゃないから、曲をよく覚えていないと
わからなくなることもあるということ。
で、わかんないところはテンポだけ合わせて、
ヒビキ、なんとか思い出せるその曲のどこかへつなげちゃう！
つなげてみるとまあ、クラシックの短い楽曲というのは
案外どこへつないでも問題なかったり（！）して。
タイタニックの楽隊なんかはそうやっていくらでも
演奏の長さを調節していたんだろうと思われたりもする。

そういえば親バカ母、以前一度ウィーンへ行ったことがあり
その時に音楽家の一家が宿屋をしているところへ泊まったために
3日3晩いろんなタイプのコンサートを紹介してもらったのだが、
──ウィーンは、つまり、弦楽アンサンブルの層がぶあつい。
文字通り街角で弾くストリートのバイオリンから、
そのへんの酒場で演るユニット、サロンコンサートの小編成オケ、
ウィーン学友協会まで、ありとあるところに弦楽器を弾く人と舞台があり、
ランクもあったりするのだが、
層がぶあついということはすなわちどれもかなり音楽性が高いのである。
そして、観客もとても身近に存在するんである。
というわけで、目と目で、よりもっと以前のあうんの了解で、
きっと自在に長さを変えたり、曲をつなげたりしているに違いない。

というわけだが、動画がアップできるとなれば、
もとより、百聞は一見にしかず。
ついでに動画を撮り始めてみると、写真だとその人の雰囲気とかキャラを勘違いすることもあるが、動画を見ておいて実際に会ってみたら印象が違ったということは少ないのではないか、と親バカ母、思ったりしてるところ。

突然ふってわいた動画録り・ウチ・ブーム。
ヒビキも楽しんでつきあってくれてるようである。