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久しぶりに函南の山荘へ出かけた。
富士山がずいぶん高く見えた。
午後の2時。よい天気だ。
枯れたコスモスの茎が狭い庭を窮屈にしているので片付け始めると、ラッキーもやってきて手伝うかのように動き回る。
しばらくして、隙間が出来た芝生の上で仰向けになる。空を見ているうちに眠ってしまった。
突然、「ウオーン、ウオー」と今までに聞いたこともないような低いけれどもただごとではないというような叫び声を聞いた。
慌てて飛び起きた。瞬間、足を滑らせ、9月に怪我をしたときのことが頭をよぎった。落ち着いて行動しなければならない。確かにラッキーの声のようだったが浴槽にでも落ちたのか、玄関のドアに挟まれたのか。起こり得ないことを考えながら玄関の方へ回ると、妻が、「ラッキーの様子を見てー!」と叫んだ。
ラッキーの顔の右側が血だらけになっていた。よく見ると、右耳の先端が1センチほど裂けていた。ときどきブルブルっと全身を震わすので、血しぶきが飛ぶ。
耳の先端を押さえて止血を試みる。ラッキーが顔を振るたびにポタポタと血が落ちた。座り込んで抱えるようにして耳を押さえているうちに、静かになり、やがて血が止まった。消毒液をつけて絆創膏を挟むように貼ると、ラッキーもすっかり落ち着いたようだった。
原因は、家のすぐそばに生えたイヌザンショウの木にあった。長く鋭いとげをもった枝が大きく成長し、玄関から庭に続くところを覆っていたのだ。それをくぐり抜けようとして右の耳が引っかかってしまったのだ。動けなくなってうずくまっていたところを妻が救い出したのだった。とげは耳にしっかりと刺さって貫いていたという。
本当にかわいそうなことをしてしまった。私の不注意だった。