森のガーデン ロンド

長野県小諸でガーデニング

母の死

2006年10月04日 | 出来事

 目を見開いたまま歯を喰いしばり、のどをぜいぜい鳴らしていた母が急に苦しそうに顔を歪めた。そして、大きく深呼吸をしたかに見えた瞬間、すーっと表情が和らいでいった。これまでのおなかの痛みと嘔吐の苦しみが嘘だったかのように目を閉じて、見る見るうちに穏やかな顔になったのだ。
 父は、「よくがんばったなあ。ご苦労さん、ご苦労さん」とねぎらいの言葉をかけながら頭や顔をなでた。
 
 Y先生による死亡の確認の後、訪問看護師のHさんとSさんが遺体を清め、肌襦袢を身につけさせた後、髪を整え、母の好みの薄紫の着物を着せる。妻が薄化粧をしてあげる。
「素敵になったよ」
「きれいになったね」
 妻とHさんとSさんが口々に褒める。
 母は満足だったろう。
 Y先生、Hさん、Sさんが帰られたのは午前0時20分だった。
(飼い主)




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