<表示が「非関税障壁」に
日本がTPPに加盟すると、食べたくもない遺伝子組換え食品を食べさせられるようになる危険性が高い。
その理由を説明しよう。
納豆とか豆腐の原材料欄に「大豆(遺伝子組換えでない)」っていうのを見たことがある人は多いと思う。
でもその逆に、「大豆(遺伝子組換え)」っていう表示を見たことのある人がいるかな?
たぶん、誰もいないと思う。
なぜそうした表示がないかというと、遺伝子組換え作物が安全なのかどうか、みんなが漠然と疑問や不安を持っていて、表示があると誰も買わないからだ。
これは嘘の表示をしている、っていう意味じゃあないよ。
大豆や納豆には遺伝子組換え大豆は使われていない(原則的には)。
でも、日本は遺伝子組換え大豆をいっぱい輸入している。
じゃあ、遺伝子組換え大豆はどこに使われているんだろう?
それを考える前にまず日本にどんな種類の遺伝子組換え作物が輸入されているかを確認しよう。
一番多いのはとうもろこしだ。次が大豆、そして、なたね。最後が綿実。
本当はじゃがいも、てんさい、アルファルファも輸入が許可されているけれど、実質的には全く流通していない。
実際に輸入されている遺伝子組換え作物は上の4種類だけだ。
この4種類の作物には、ある共通点がある。それは一体なんだと思う?
それは、食用油の原料になる、ということだ。
日本では原料に遺伝子組換え作物を使った場合、それを表示しなくてはならない。でも、
「組換えられたDNAや、それによって生成するタンパク質が製品に含まれない場合は、表示しなくてもよい」という決まりがあるんだ。(これが妥当な決まりかどうかは別の話だよ)
油には組換えDNAが残らない。だから、原料のとうもろこしや大豆、なたね、あるいは綿実が遺伝子組換えのものであっても、油の原材料欄にそのことを表示しなくてもいい、ってことになっている。
みんなが食べているサラダ油(大豆油とコーン油の混合である場合が多い)、コーン油、キャノーラ油(=なたね油)、綿実油などは、ほとんどが遺伝子組換え原料のものであると考えた方がいい。>
表示に関してはEUの方が正しいだろう。
全て表示する事に成っている。
<揚げ物に使われている油や、マヨネーズ、マーガリン、ショートニング(植物油を化学的に変化させて固体にしたもの。クッキーやパンなどによく入っている)なども、ほとんど遺伝子組換え原料の油だと考えていいだろう。
でもほとんどの人はそんなこと知らないから、遺伝子組換え原料の油を平気で買って揚げものや炒めものに使っている。あるいは遺伝子組換え原料の油が使われた揚げものやパンやお菓子を平気で買って食べている。>
騙し討ちと言うところだろう。
<つまり「表示」はそれだけ大きな意味を持つということだ。
表示があれば、誰も遺伝子組換え食品なんか買わない。
表示がなければ、気が付かないから食べてしまう。
消費者は「表示」によって守られている、といっていいんだ。
さあ、ここでもう気が付いたかな?
遺伝子組換え作物を売りたいアメリカの企業にとっては、この日本の表示制度は紛れもなく「非関税障壁」だ。
日本がTPPに加盟したら、必ず「表示制度をなくせ」って、イチャモン付けてくるに相違ないぞ。
日本と違ってアメリカには遺伝子組換えの表示義務はないからね。
表示がなくなれば、消費者に選ぶ権利はなくなる。
豆腐も納豆も遺伝子組換えのものかどうかわからないまま食べさせられるようになってしまうかもしれないんだ。>
ここまで来ればもう分かるだろう。
TPPとは消費者の権利を限定し、
メーカーの売り易さの追求であると言えるのだ。
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