12.4 - 10.5 - 11.4 - 11.5 - 11.7 - 12.4 - 12.8 - 11.8 - 11.8 - 12.9 - 12.4=2:11.6
世界レベルの走りでスノーフェアリーが2連覇を飾った。18番枠から無理することなく馬任せで後方からの追走。道中の折り合いはスムーズでじっくりと脚をタメる。素晴らしかったのは3角からの位置取り。鞍上のムーアはぽっかりと空いたインを果敢に突く。4角の下り坂で中団までポディションを上げる。4角では馬群はバラけなかったため追い出しを我慢する。その中で少しずつ手綱をシェイクさせていつでもトップスピードへ持って行ける準備をする。直線を向き、昨年同様にインを突いてスパートを開始する。狭いところを割って一気に弾ける。しかし、ホエールキャプチャ、アヴェンチュラ、アパパネの脚勢も良くラスト100㍍地点ではまだ2馬身の差はあったが、そこからの末脚が凄まじかった。狭いとこをグンと重心を沈めた抜群の推進力で一気に突き抜けてしまった。上がり3ハロン33秒8の素晴らしい末脚と勝負根性だった。加えてムーアの手綱捌きも素晴らしかった。1番人気を背負っている場合、馬込みに包まれる危険性のあるインを突くのは勇気のいることだ。それでもムーアは3角から迷わずにインを選択した。これは、京都の外回りコースは下り坂で勢いが付き、直線で馬群がバラけやすいことを事前に把握していたムーアの素晴らしい判断だ。これを大一番で実践するのはすごいこと。
秋華賞馬アヴェンチュラは勝って更にデキは上昇していた。1番枠から発馬でトモに重心が掛り、それほど出脚は速くなかった。ここで岩田は無理することなく馬任せでポディションを取りに行く。秋華賞時のような先行策ではなく、7番手のインに落ち着く。道中の折り合いはスムーズで至極順調な道中。勝負どころでモタつくところがあり、本来なら4角の下り坂で勢いを付けたかった。しかし、前のアパパネ、アニメイトバイオが壁となって進路がない。4角の坂を下り切ったところで馬群がバラけたところを見逃さず一気に仕掛ける。直線はステッキを入れて馬場の良い5分どころへ持ち出す。スッとは反応できなかったが、大きなフットワークで一完歩毎にグイッと迫る。直線半ばでは左ステッキに反応して内へ切れ込んだ時にアパパネと接触して怯む場面もあったが、それでも伸びる。勝ち馬の一瞬の決め手には屈したが、最後まで力強く伸びた末脚は際立っていた。発馬を決めてテンからもう少し前めで競馬し、4角の下り坂でスパートして直線もスムーズに捌けていれば、の着差だった。正攻法の競馬をしても力を発揮できるだけの底力がこの馬にはある。一戦毎に強くなっている。
昨年の3冠牝馬アパパネは一週前の地点では馬体は太めで動きもモタモタして見栄えはしなかったが、栗東入りして馬が激変した。直前の追い切りでは素軽い動きで併走馬を突き放して走れる体つきと気性になっていた。4番枠から好発を決めると引っ張り切りの手応えで道中は縦長の展開を4番手から追走する。終始、引っ張り切りの痺れる手応え。4角の下り坂で自らハミを取り、スッと3番手にポディションを上げる。直線で前を行くホエールキャプチャを捕えられなかったし、外のアヴェンチュラにも迫られたが、首をグッと下げた集中力に富んだ走りで一完歩毎にしっかりと伸びた。最後は上位2頭の決め手と底力に屈したが、復活を印象付けるには十分な内容だった。
惜敗続きのホエールキャプチャがあと少しのところでタイトルを逃した。3番枠から少しだけ気合いを付けて先団へ。1角ではハナを行くシンメイフジから大きく離れた2番手に取り付く。実質、ハナに立つ競馬になったが、道中はリラックスした走りで経済コースを立ち回る。4角の下り坂でも前とは2秒4差もあったが、深追いすることなく手綱は持ったまま。これは池添の好判断だ。直線を向きスパートを開始させるとマークされていたアパパネを一旦は突き放す。だが、ラスト1ハロンを切ったところで内側へ切れ込んでしまい、最後は脚が上がったところを上位馬に差されてしまった。惜しい競馬だった。離れた2番手とはいえ、自身も速いラップで追走していた。それが最後に応えたか。秋に入って発馬が安定したことでソツのない競馬ができるようになった。更なる成長に期待したい。
レインボーダリアは川田のソツのない騎乗が光った。9番枠から道中は無理に先行することなく中団のインに潜り込む。道中は痺れる手応えで脚をタメる。4角の下り坂でもグッと我慢し、坂を下り切った4角でアヴェンチュラの内側にできた進路に一気に突っ込む。直線半ばでは一旦は抜け出そうかの勢い。インをロスなく立ち回れた恩恵は大きかったし、最後は上位馬の決め手に屈したが、末脚は光っていた。
イタリアンレッドは勿体ないレースとなった。2番枠発走から発馬後は我慢できていたが、近くのアパパネ、ホエールキャプチャ、アヴェンチュラが先行したことでぽっかりと前が空いてしまう。これによってゴール版の前で壁を作ることができずにポディションを上げてしまった。その後も道中は掛り気味で力みながらの追走。4角で早々と手応えは怪しくなり、直線は伸びることができなかった。ただでさえ距離の長い2200㍍で壁を作れずに掛っては苦しかった。
アニメイトバイオも同様。今回は勝ちに行く積極策を取り、発馬後から少しずつ気合いを付けて出して行った。1角でも手綱を引っ張ることなく少し出し気味。3番手のポディションは取れたものの、前に壁を作れずになし崩しに脚を使わされてしまった。普段は後方で脚をタメて切れ味を生かすタイプが積極策に出た場合、まず好結果にはつながらない。それほど脚をタメることは重要なのである。
シンメイフジは見せ場十分の内容だった。久々でも直前の坂路調教では抜群の動きを見せていた。発馬後のアクションを見る限り、最初からハナを奪うつもりだった。1角でも手綱を緩めることなくガンガン飛ばす。向こう正面では後続を大きく突く放し、1000m㍍の通過ラップは57秒5。3角の上り坂で一旦はペースを緩めたにもかかわず後続とはまだ15馬身以上の差はあった。ここで凄かったのはシンメイフジがラスト4ハロンから11秒8-11秒8の脚を使えたことだ。下り坂を利して大逃げの同馬がこのラップを刻めば後続は簡単には追いつけない。直線はさずがにバテてしまったが、北村友の判断とシンメイフジのスタミナには恐れ入った。しかも久々で20㌔という条件でのもの。3歳時にはクラシック候補と騒がれた逸材が輝きを取り戻してきた。
2歳女王レーヴディソールは直前に速い時計を一本出し、併走馬を突き放す豪快な動きをしていたが、まだ実践に対応できる心肺機能を備えてはいなかった。発馬後は少し行きたがっていたが、その後は中団で我慢できていたにもかかわらず4角で早々と手応えがなくなってしまった。叩いての変わり身に期待。
ブロードストリートは3角までは勝負圏内にいたが、4角の下り坂でズブさを見せて加速できない。その分、馬込みの中を突くことができず直線は大外へ。直線もジリジリとしか伸びなかった。
レディアルバローザは距離の長い2200㍍で終始、馬群の大外を通らされては万事休す。鞍上としてもっと工夫はできなかったのかと思う。発馬を意図的に遅らせて1角手前までに大胆にインを突くなどの騎乗を見せてほしかった。残念。
世界レベルの走りでスノーフェアリーが2連覇を飾った。18番枠から無理することなく馬任せで後方からの追走。道中の折り合いはスムーズでじっくりと脚をタメる。素晴らしかったのは3角からの位置取り。鞍上のムーアはぽっかりと空いたインを果敢に突く。4角の下り坂で中団までポディションを上げる。4角では馬群はバラけなかったため追い出しを我慢する。その中で少しずつ手綱をシェイクさせていつでもトップスピードへ持って行ける準備をする。直線を向き、昨年同様にインを突いてスパートを開始する。狭いところを割って一気に弾ける。しかし、ホエールキャプチャ、アヴェンチュラ、アパパネの脚勢も良くラスト100㍍地点ではまだ2馬身の差はあったが、そこからの末脚が凄まじかった。狭いとこをグンと重心を沈めた抜群の推進力で一気に突き抜けてしまった。上がり3ハロン33秒8の素晴らしい末脚と勝負根性だった。加えてムーアの手綱捌きも素晴らしかった。1番人気を背負っている場合、馬込みに包まれる危険性のあるインを突くのは勇気のいることだ。それでもムーアは3角から迷わずにインを選択した。これは、京都の外回りコースは下り坂で勢いが付き、直線で馬群がバラけやすいことを事前に把握していたムーアの素晴らしい判断だ。これを大一番で実践するのはすごいこと。
秋華賞馬アヴェンチュラは勝って更にデキは上昇していた。1番枠から発馬でトモに重心が掛り、それほど出脚は速くなかった。ここで岩田は無理することなく馬任せでポディションを取りに行く。秋華賞時のような先行策ではなく、7番手のインに落ち着く。道中の折り合いはスムーズで至極順調な道中。勝負どころでモタつくところがあり、本来なら4角の下り坂で勢いを付けたかった。しかし、前のアパパネ、アニメイトバイオが壁となって進路がない。4角の坂を下り切ったところで馬群がバラけたところを見逃さず一気に仕掛ける。直線はステッキを入れて馬場の良い5分どころへ持ち出す。スッとは反応できなかったが、大きなフットワークで一完歩毎にグイッと迫る。直線半ばでは左ステッキに反応して内へ切れ込んだ時にアパパネと接触して怯む場面もあったが、それでも伸びる。勝ち馬の一瞬の決め手には屈したが、最後まで力強く伸びた末脚は際立っていた。発馬を決めてテンからもう少し前めで競馬し、4角の下り坂でスパートして直線もスムーズに捌けていれば、の着差だった。正攻法の競馬をしても力を発揮できるだけの底力がこの馬にはある。一戦毎に強くなっている。
昨年の3冠牝馬アパパネは一週前の地点では馬体は太めで動きもモタモタして見栄えはしなかったが、栗東入りして馬が激変した。直前の追い切りでは素軽い動きで併走馬を突き放して走れる体つきと気性になっていた。4番枠から好発を決めると引っ張り切りの手応えで道中は縦長の展開を4番手から追走する。終始、引っ張り切りの痺れる手応え。4角の下り坂で自らハミを取り、スッと3番手にポディションを上げる。直線で前を行くホエールキャプチャを捕えられなかったし、外のアヴェンチュラにも迫られたが、首をグッと下げた集中力に富んだ走りで一完歩毎にしっかりと伸びた。最後は上位2頭の決め手と底力に屈したが、復活を印象付けるには十分な内容だった。
惜敗続きのホエールキャプチャがあと少しのところでタイトルを逃した。3番枠から少しだけ気合いを付けて先団へ。1角ではハナを行くシンメイフジから大きく離れた2番手に取り付く。実質、ハナに立つ競馬になったが、道中はリラックスした走りで経済コースを立ち回る。4角の下り坂でも前とは2秒4差もあったが、深追いすることなく手綱は持ったまま。これは池添の好判断だ。直線を向きスパートを開始させるとマークされていたアパパネを一旦は突き放す。だが、ラスト1ハロンを切ったところで内側へ切れ込んでしまい、最後は脚が上がったところを上位馬に差されてしまった。惜しい競馬だった。離れた2番手とはいえ、自身も速いラップで追走していた。それが最後に応えたか。秋に入って発馬が安定したことでソツのない競馬ができるようになった。更なる成長に期待したい。
レインボーダリアは川田のソツのない騎乗が光った。9番枠から道中は無理に先行することなく中団のインに潜り込む。道中は痺れる手応えで脚をタメる。4角の下り坂でもグッと我慢し、坂を下り切った4角でアヴェンチュラの内側にできた進路に一気に突っ込む。直線半ばでは一旦は抜け出そうかの勢い。インをロスなく立ち回れた恩恵は大きかったし、最後は上位馬の決め手に屈したが、末脚は光っていた。
イタリアンレッドは勿体ないレースとなった。2番枠発走から発馬後は我慢できていたが、近くのアパパネ、ホエールキャプチャ、アヴェンチュラが先行したことでぽっかりと前が空いてしまう。これによってゴール版の前で壁を作ることができずにポディションを上げてしまった。その後も道中は掛り気味で力みながらの追走。4角で早々と手応えは怪しくなり、直線は伸びることができなかった。ただでさえ距離の長い2200㍍で壁を作れずに掛っては苦しかった。
アニメイトバイオも同様。今回は勝ちに行く積極策を取り、発馬後から少しずつ気合いを付けて出して行った。1角でも手綱を引っ張ることなく少し出し気味。3番手のポディションは取れたものの、前に壁を作れずになし崩しに脚を使わされてしまった。普段は後方で脚をタメて切れ味を生かすタイプが積極策に出た場合、まず好結果にはつながらない。それほど脚をタメることは重要なのである。
シンメイフジは見せ場十分の内容だった。久々でも直前の坂路調教では抜群の動きを見せていた。発馬後のアクションを見る限り、最初からハナを奪うつもりだった。1角でも手綱を緩めることなくガンガン飛ばす。向こう正面では後続を大きく突く放し、1000m㍍の通過ラップは57秒5。3角の上り坂で一旦はペースを緩めたにもかかわず後続とはまだ15馬身以上の差はあった。ここで凄かったのはシンメイフジがラスト4ハロンから11秒8-11秒8の脚を使えたことだ。下り坂を利して大逃げの同馬がこのラップを刻めば後続は簡単には追いつけない。直線はさずがにバテてしまったが、北村友の判断とシンメイフジのスタミナには恐れ入った。しかも久々で20㌔という条件でのもの。3歳時にはクラシック候補と騒がれた逸材が輝きを取り戻してきた。
2歳女王レーヴディソールは直前に速い時計を一本出し、併走馬を突き放す豪快な動きをしていたが、まだ実践に対応できる心肺機能を備えてはいなかった。発馬後は少し行きたがっていたが、その後は中団で我慢できていたにもかかわらず4角で早々と手応えがなくなってしまった。叩いての変わり身に期待。
ブロードストリートは3角までは勝負圏内にいたが、4角の下り坂でズブさを見せて加速できない。その分、馬込みの中を突くことができず直線は大外へ。直線もジリジリとしか伸びなかった。
レディアルバローザは距離の長い2200㍍で終始、馬群の大外を通らされては万事休す。鞍上としてもっと工夫はできなかったのかと思う。発馬を意図的に遅らせて1角手前までに大胆にインを突くなどの騎乗を見せてほしかった。残念。