TENNIS COACH DIARY

ハンサム木全のたわごとです

12歳以下ニューカレドニア遠征ラスト(1964)

2010-11-12 09:48:37 | 12歳以下ニューカレドニア遠征2010
12歳以下ニューカレドニア遠征2010を終えて     木全宏之

今回、ニューカレドニアのテニス協会(フランステニス協会に属します)のジェラール・ウインター氏の力を借りて、「12歳以下ニューカレドニア遠征2010」を行うことができました。この大会はニューカレドニア、日本、ニュージーランド、オーストラリア、オセアニアの国々の選手が一同に会してトーナメントを行うというもので、大変国際的なものでした。まず、第一の大会はオーストラリアンオープンのサーフェスと同じ、真っ青なプレクシクッションという種類のハードコートを持つ、ウエントロテニスクラブで4日間行いました。ここは毎年、ITFニューカレドニアでも使われる、いわばニューカレドニアの中心的なコートです。2大会目はオリンピックテニスクラブという伝統ある古いテニスクラブで、同じく4日間行われました。どちらも試合はすべて3セットマッチ、1位から最終位まですべて決めるとてもタフな大会です。表彰セレモニーや、2大会目はバーベキューパーティーなども催してくれ、子供たちにとっては最高に楽しく、そして、経験を積める大会となりました。


日本から参加した男子4名、女子4名は、どの子もテニスで海外遠征するのは初めて、そしてそのうちのほとんどの子は海外すらも初めてでしたので、テニス、生活、ホームステイ、食事、コミュニケーション、などすべての事に少なからず不安があった事と思います。しかし、逆にいえば、私は、5年生~遅くても中1くらいまでのうちに、こうした異文化との遭遇を経験させ、頭の中に大きなショックを与えたい…そういう事を思っていますので、これは最高です。
この年代の子たちは、我々大人と違ってまだ頭がやわらかく、信じられないスピードで多くの事を吸収していきます。中でも「英語がしゃべれなくても、外国人に自分の思っている事を伝えることができるんだ」という事を知る…これはとても大きなことです。そして、いろんな価値観の違いから、自分をもう一度見直すことができます。
今回参加した子の中に数人、引っ込み思案というかシャイというか…という子がたまたまいました。…しかし、それは、まわりの大人や、親たち、あるいは本人たちの思い込みというか、取り越し苦労?に過ぎませんでした。みな、とてもたくましく、自分の意志を伝え、コミュニケーションして生活、試合しました。そして、それはその子供達にとっても大きな自信となっていった事が、毎日の子供達の目の輝きの変化を見ていて、よくわかりました。(そして、それは送り出した親のみなさんの自信にもなっていることと思います…子供たちは、思っているより幼くはなく、成長していますね!)



海外の子供達の事に話しを移します。10歳より下くらいの、とても小さな子供達まで含めて、とても真剣、本気でした。シード選手がプレーしていたら、みんなその試合の横に集まって真剣なまなざしで勝負のゆくえを見守ります。あるいは、ものすごい実力差のある2人が試合をしていて、上位シードと対戦して(他の人が見ると)こてんぱんにやられている子。ポイントを取られるたびに本当に心の底から悔しがる…本当の意味でファイトしていました!
日本人の選手に比べると感情のコントロールができない、いわゆるキレやすい子もいましたが、その反面、すばらしいエースを決められた時に、相手に「ナイスショット!」と言える選手も多くいました。相手のジャッジが聞こえなければ、レシーブの時も常に自分がカウントコールしている選手、疑わしいジャッジが出るとすご審判にきてくれと要請する子…。いろんな意味で、日本の子達には新鮮だったはずです。(すべての試合が3セットだった事もおどろきかな?外国には1セットマッチは存在しません!!)


第一の大会が終わった時に、けいすけコーチと相談し、試合での注意事項をプリントして渡すことにしました。今回の遠征で唯一不便だったのは、全員がそろう時間帯がなく、ミーティングができなかった事でしたから。
主に子供たちに伝えたこと。
・3セットマッチの行い方、ルール。チェンジコートのしかた、タイブレーク後、次のセットのサーバー、セットブレイクなど。
・試合中、自分で自分を奮い立たせる。人に励まされないと元気が出ないような子はダメ。
・ 3つの場面…チャンス、ピンチ、ニュートラルがある。
・ ポイントを取るための2つのステージ(A)組み立ててチャンスボールをつくる(B)チャンスボールを決める
・ そのそれぞれで使うボール(A)ニュートラライズボール(トップスピン、高い軌道、高い確立)(B)ウイナー(フラットで低い速い)
・ 試合での大切な場面→ダイヤモンドのようなポイントとそこらの石ころのようなポイントがある
・ (1)試合の勝ち負けを左右するような重要な場面がきた時にそれをわかる。(2)そこで自分が一番ポイントを取れる方法を選び実行する。(3必ずポイントを取る。→自分に大きな流れが来る。
・ 自分の一番得意な事をやる…と…相手の一番いやな事をやる…をミックスする(時には自分のやりたい事をやると、それが相手を一番喜ばせる場合もある)
・ 作戦のたて方、実行と通用しなくなった時の作戦の変更、移行について

こういった事です。14歳くらいで全国大会に出ている子たちにとっては、当たり前の事…。でもあたり前の事を当たり前にできる事からやらないといけないと感じました。


子供達の生活について。各ホームステイの家にはプールがあったり、ある家にはヨットがあって海をクルーズしに行ったりしたところも…。毎晩のご飯も、あんなに行く前には心配していたのに、行ってみると毎晩みんなおいしかったそうです。ステイファミリーとの交流、その家の子との遊び、買い物、水族館、すべて楽しかったようです。
実は、私も、各ステイファミリーの方々が、これほどまでに手厚くしてくれるとは思っていませんでした。ですから、今回の遠征が本当にすばらしいものであった事のうち、このことが多くのパーセンテージを占めていると言えます。



今回、浜松のブレスガーデンテニスクラブからけいすけコーチがお手伝いで参加してくれました。彼がとても熱心で、よく気がつき、本当に助けてくれました。毎日のブログ書き込みが深夜にまでなり、昼間、子供達の試合を見ながら時々うとうとしてしまった時もありましたが(子供達には内緒!!)、彼がしっかり試合を見てくれていたので、すべての子のすべての試合にアドバイスする事ができました。毎日のホテルでの共同生活でも、すごく気を使ってくれました。
そして、子供達に多くのすばらしいアドバイス…うーん、いや…アドバイスというよりヒントを与えてくれました。本当にすばらしいコーチです。彼がいなかったらこんなにすばらしい遠征にならなかったと思います。



この遠征を実現するのに力をいただいたすべての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ニューカレドニアで大会、ホームステイ他すべてをオーガナイズしてくれたジェラルド氏。大会運営してくれたウイリアム氏他すべてのスタッフ。各国から選手を連れてきたコーチたち。けいすけコーチ。今回、遠征にいっしょに行った子供たちとそのご父兄。各国の選手たちとそのご父兄。ホストファミリーのみなさん。みえこさん、みかちゃん、あつこさん。
日本で私の留守中、レッスンをしてくれたコーチのみなさん、留守中もがんばって練習した生徒さんたち、けいすけコーチのクラブのオーナー、コーチ、スタッフのみなさん、生徒さん。私の家族、けいすけコーチの家族のみなさん。
本当にありがとうございました。

コメント (2)
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