◎イスラーム 2
★ムハンマド
・ムハンマドの時代のアラブは中央政府はないが、諸部族の中で生きていた
部族は共通の祖先をもつ集団である
部族社会の最小単位は「家」で、これが1つのテントを占め、いくつかのテントの集合体を「ハイイ」といい、その構成メンバー全体を「氏族」という
実際の生活単位は「ハイイ」で、ハイイの集合体が「部族」である
・ムハンマドの生涯に関する資料は、第一に「クルアーン」で、第二の資料はおそらく9世紀前後に編さんされた伝記スィーラで、第三番目の資料は、預言者の言行録ハディースである
○ムハンマドは570年か571年にメッカ(正しくは「マッカ」)で、クライシュ族の一氏族ハーシム家に生まれた
当時は重要人物の名をとって部族名や家名とすることが多く、ハーシムはムハンマドの曾祖父にあたる
・ムハンマドの父アブドッラーはムハンマドが生まれる前に亡くなった
母アーミナは生まれた子をアハマドと名付けたが、祖父はムハンマドと名付けていた
母アーミナはムハンマドが6歳のときに亡くなった
ムハンマドは孤児となったので祖父のアブドル・ムッタリブが保護者となった
祖父の死後、おじにあたるアブー・ターリブに養育される
アブー・ターリブは隊商商人で、ムハンマドはこのおじに連れられて、シリアにまで行ったという
ムハンマドの幼少期についてはほとんどわからないが、商人となったムハンマドは、25歳のときに、ハディージャという裕福な未亡人が持つ隊商の一員に加わった
ハディージャはムハンマドに求婚し、ムハンマドはそれを受け入れて結婚した
そのとき、ハディージャは40歳の頃といわれる
○啓示の始まり
・ムハンマドはふつうの家庭生活を送っていたが、いつのころからかメッカ郊外のヒラー山の洞窟にこもって瞑想するようになったという
610年(40歳ごろ)のある日のこと、ヒラーの洞窟の中でうとうとしていたときに、不意の訪問者が現れ、「誦め」という
訪問者は後で天使ジブリール(ガブリエル)とわかるが、そのときには何者かわからない
ムハンマドは読み書きできなかったので、「誦むすべを知りません」と応える
天使ジブリールはムハンマドの首をしめつけ、手を離すとまた「誦め」という
また「誦むすべを知りません」という
同じことが3度繰り返され、天使ジブリールは最初の啓示となる言葉を伝えたという
・クルアーン 96章「凝血」第1~5節
誦め、「創造主なる主の御名において。
いとも小さい凝血から人間をば創りなし給う。」
誦め、「汝の主はこよなく有難いお方。
筆もつすべを教え給う。
人間に未知なることを教え給う」と。
(コーラン(下)井筒俊彦訳、岩波文庫)
・ムハンマドは驚愕し、山を下り、妻ハディージャ、従兄弟のアリー、そしてワラカ・イブン・ナウファル(キリスト教徒であったか)の三人に打ち明けた
ワラカはムハンマドが彼の民の預言者となることを断言した
ハディージャはそれを受け入れるよう励まし、徐々に自らの使命に目覚めることになった
○預言者は、預言者になる前も、預言者になったあとも、あくまでも人間である
○預言者は、ある修練や修行を積んで能動的にみずからすすんでなるのではなく、受動的、強制的にそうさせられる
自らの意志に反して無理やりに預言者の位置に立たされるのである
○預言者は、将来について予告する「予言者」ではなく、神から預かった「見えない世界」についての情報を人々に伝える者である
しかし、預言者ムハンマドはさまざまな将来の事について予告するように求められたという
★ムハンマド
・ムハンマドの時代のアラブは中央政府はないが、諸部族の中で生きていた
部族は共通の祖先をもつ集団である
部族社会の最小単位は「家」で、これが1つのテントを占め、いくつかのテントの集合体を「ハイイ」といい、その構成メンバー全体を「氏族」という
実際の生活単位は「ハイイ」で、ハイイの集合体が「部族」である
・ムハンマドの生涯に関する資料は、第一に「クルアーン」で、第二の資料はおそらく9世紀前後に編さんされた伝記スィーラで、第三番目の資料は、預言者の言行録ハディースである
○ムハンマドは570年か571年にメッカ(正しくは「マッカ」)で、クライシュ族の一氏族ハーシム家に生まれた
当時は重要人物の名をとって部族名や家名とすることが多く、ハーシムはムハンマドの曾祖父にあたる
・ムハンマドの父アブドッラーはムハンマドが生まれる前に亡くなった
母アーミナは生まれた子をアハマドと名付けたが、祖父はムハンマドと名付けていた
母アーミナはムハンマドが6歳のときに亡くなった
ムハンマドは孤児となったので祖父のアブドル・ムッタリブが保護者となった
祖父の死後、おじにあたるアブー・ターリブに養育される
アブー・ターリブは隊商商人で、ムハンマドはこのおじに連れられて、シリアにまで行ったという
ムハンマドの幼少期についてはほとんどわからないが、商人となったムハンマドは、25歳のときに、ハディージャという裕福な未亡人が持つ隊商の一員に加わった
ハディージャはムハンマドに求婚し、ムハンマドはそれを受け入れて結婚した
そのとき、ハディージャは40歳の頃といわれる
○啓示の始まり
・ムハンマドはふつうの家庭生活を送っていたが、いつのころからかメッカ郊外のヒラー山の洞窟にこもって瞑想するようになったという
610年(40歳ごろ)のある日のこと、ヒラーの洞窟の中でうとうとしていたときに、不意の訪問者が現れ、「誦め」という
訪問者は後で天使ジブリール(ガブリエル)とわかるが、そのときには何者かわからない
ムハンマドは読み書きできなかったので、「誦むすべを知りません」と応える
天使ジブリールはムハンマドの首をしめつけ、手を離すとまた「誦め」という
また「誦むすべを知りません」という
同じことが3度繰り返され、天使ジブリールは最初の啓示となる言葉を伝えたという
・クルアーン 96章「凝血」第1~5節
誦め、「創造主なる主の御名において。
いとも小さい凝血から人間をば創りなし給う。」
誦め、「汝の主はこよなく有難いお方。
筆もつすべを教え給う。
人間に未知なることを教え給う」と。
(コーラン(下)井筒俊彦訳、岩波文庫)
・ムハンマドは驚愕し、山を下り、妻ハディージャ、従兄弟のアリー、そしてワラカ・イブン・ナウファル(キリスト教徒であったか)の三人に打ち明けた
ワラカはムハンマドが彼の民の預言者となることを断言した
ハディージャはそれを受け入れるよう励まし、徐々に自らの使命に目覚めることになった
○預言者は、預言者になる前も、預言者になったあとも、あくまでも人間である
○預言者は、ある修練や修行を積んで能動的にみずからすすんでなるのではなく、受動的、強制的にそうさせられる
自らの意志に反して無理やりに預言者の位置に立たされるのである
○預言者は、将来について予告する「予言者」ではなく、神から預かった「見えない世界」についての情報を人々に伝える者である
しかし、預言者ムハンマドはさまざまな将来の事について予告するように求められたという