古墳を作った人々

2010-05-07 | 授業記録
前時は、大山古墳について学習した。
本時は、その古墳が作られるまでを学習する。

導入では、大山古墳の模型を提示。
(森や木々などをいっさい排除した)無機質なもので、
大きさや形状がシンプルにくっきりと分かる。

東京ドームや教室の大きさと比較しながら、このような巨大な形の造形物を
作るには「どのような仕事」が必要かを考えさせた。
現代のように便利な重機はない。
子どもたちは想像力を働かせて予想した。

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・運ぶ仕事
・積む仕事
・掘る仕事
・設計する仕事
・線を引く仕事
・型を作る仕事
・指示をする仕事
 etc・・・
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たくさんの予想が出た。

この無機質なモデルから、よくここまで意見が出たと感心する。

では、実際に古墳が作られたときの様子はどうであったか?
子どもたちは既に興味津々。
教科書を開きたいと言う。そこを我慢させて課題設定。
彼らが設定した課題は

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古墳はどのようにして作られたのか?
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課題をノートに書き写すと、一斉に教科書を開き、
掲載されている古墳作りの想像図に食い入る子どもたち。
そこからたくさんのことを読み取らせた。

読み取る視点は導入段階でたくさん予想しているので、敢えて提示はしなかった。

子どもたちは
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・はにわの存在
・階段
・服装の違い
・(まっすぐにするための)ヒモ
・固定するための石
・渡来人の存在
・物見櫓
・設計図をもっている人
・・・・
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など、本当にたくさんの情報を読み取った。

一人一人発表しながら、疑問点や新たな予想を整理し、今度は資料集を開かせる。

資料集にはさらに詳しく想像図が描かれてあり、
また、その解説がピンポイントで載っている。

自分たちが話し合ったことが合っていたり、外れていたり。

子どもたちはわいわい言いながら資料集を読んでいた。
教師が仕切らなくても、子どもたちが自然と
グループごとに会話の中でまとめていた。

その後、大陸から伝わった高度な技術を整理し、
それらが”渡来人”の活躍によるものであることをおさえ、授業は終了。

今までであれば、いきなり古墳が作られる様子の想像図にズバッと入った。
しかし今回は、あえてそれを見せず、無機的な古墳の形から入り、
抽象→具体というステップを踏んでやってみた。

その結果、資料の読み取りの際に、教師側が敢えて視点を提示しなくても
自然な形で子どもたちが気づきながらメイン資料を読み取ることができた。

全てにおいて汎用性があるパターンではないかもしれないが、
今後このような形で読み取りを行える場面もあるかもしれない。
そういう意味では非常に勉強になった。

課題に対するまとめは、全て子どもたちが
メイン資料から10以上の要素を読み取り、
箇条書きでノートにまとめていたので
敢えて取り組ませなかった。

その分、教科書本文の音読をいつも以上にきっちりとさせ、
重要語句(記述的知識)は特に強調して読ませた。

最後に(次の道徳の時間に食い込んでしまったが・・・)
NHK「見える歴史」のweb資料をピンポイントで提示。
小単元の振り返り、まとめにもなった。
映像の力はやはり凄いなぁと思った。