考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

偽善者

2006-04-18 22:01:09 | 徒然なるままに

昨日からマナーについて少し考えていました。
考えれば考えるほど難しい気がします・・・

昨日の続きですけど。
「電車 マナー」でブログ検索すると、結構いろいろ出てきますね。それぞれの感じるマナー違反に怒っている人も多いんだな~と思います。マナー違反も人それぞれですね。
昨日のテレビ「ご近所の底力」には、席を譲らない若者が二人出演していました。

何故、席を譲らないのか?
「席は取ったもの勝ち。」「今は少子高齢化の時代。お年寄りが多くなっているんだから、逆に少なくなっている子どもを大事にすべき。」と、こんな感じの答えをしていました。
西田敏行さんは目に涙を浮かべていましたし、松居直美さんはポロポロ泣いていましたね。

さらに、あなたたちがその年になったとき、同じ目に遭うけど良いのか?
「構わない。自分で座れる場所を探す。」のだとか。
テレビに映る誰もがコトバを失っていました。

みなさん、ハローです。ホディです。

誰がコトバを失わずに、この若者を説得することができるんでしょうね。
論理的に「お年寄りに席を譲る理由」を説明できる人がいないものでしょうか?
いろいろ考えていましたけど、ボクには難しい・・・やはり西田さんや松居さんの涙は正しいとボクは結論付けています。
こういう人を前にしたら、ボクなら泣くしかない。
できれば、その人の親や子、先生や友人といっしょにみんなで泣きたい。

せっかくなので、ボクの頭の中の葛藤を一部紹介します。
この席の理論を経済に当てはめて考えてみました。

A会社は多くのベテラン社員を抱えている老舗の会社。
ある事業に社運をかけて取り組んでいます。

B会社は若者が起業した新鋭の会社。
別の事業で発展して、偶然A会社と同じ事業に進出していました。

そのA社とB社が競合したある事業は成長があまり見込めず、これ以上のマーケットの拡大は可能性が少ないものです。取るか、取られるかの市場です。
現在の情勢は、B社が一気にシェアを拡大して、A社は倒産の危機に追いやられてしまっています。

このとき、B社が撤退すれば、A社の業績は回復することが間違いないとしたら?(B社はその事業がなくても倒産することはありません。)
A社が倒産すると、A社の社員とその家族は路頭に迷います。
さぁ、あなたがB社の社長だったらA社に席を譲りますか?

自己責任、競争社会・・・
こういう世の中で席を譲る「論理」は難しいですよね。
でも、ヒトとして席を譲らないといけない。
ボクには論理はありません。あるのは偽善でしょうか?

今日は「優先席」に少しの時間、座りました。
と言うのは、始発で乗った電車で、たまたま座れたんです。昨日までだったら、空いていても「優先席」とは別の方向に歩いていって立っていたと思うんですけど。
今日はあえて空いていた「優先席」に。いろいろ観察しようと思ったのが、ひとつの理由。
もうひとつは・・・誰か席を譲らないような人が座るくらいなら、ボクが座って席を確保しておいて、お年寄りに譲ろうかな・・・なんて。

結局、発車前にお年寄りが前に来られて、譲りました。
「せっかく座られたんですから、いいですよ。」とその人は遠慮されていましたけど、お年寄りを目の前にしてドッカリと座っている勇気もないボクは「どうぞ、どうぞ」と半ば強引にお勧めしました。
そこには、そんな自分を俯瞰している自分がいました。強張った笑顔と計画的に「優先席」を譲る心を持った自分を、どこかで冷静に眺めているボクが。。。

そんな自分に似合いの言葉は「偽善者」。
別に自分を卑しめるわけでなく、もちろん褒めるわけでもなく。
ヒトだから、偽善ができる。
ヒトとして胸を張って、偽善ができる。

論理だけではなく、自分で良かれと思うことをコツコツとがんばっていきたいなと思う今日この頃です。

※話は変わりますけど、新庄選手が今シーズン限りで引退だそうですね。
 「二度目の引退発表」ですけど、今度は本当でしょうか・・・残念。
 http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20060418&a=20060418-00000045-nks_fl-spo

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4 コメント

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Unknown (shiba)
2006-04-18 22:32:23
 こんばんは。東京は八重桜がきれいですね。



 日ごろリクツばっかり捏ねていて矛盾してるかもしれませんが、どっかで「リクツじゃないんだよね」と強く思うことがあります。



 なぜお年寄りに席を譲らなくてはならないか、ロジックで説明することは難しいのではないかと思います。本来なら、そりゃ常識だろ、で終わるべき話なんでしょうね。でもそれがそうならない。突き詰めると教育の問題なのかもしれませんね。



 そういえば、吉野弘の「夕焼け」という詩はこういうシチュエーションを描いていましたね。



 っと、長くなってしまいました。すいません。
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 (ひろくま)
2006-04-18 22:49:32
理屈でなく、偽善でもなくただ一言『恕』。

思いやりのこころなくして、何で人間といえるであろうか!
返信する
・・・ (fall)
2006-04-19 00:09:21
「優先席」の英訳を見てると、【Priority Seat】って書いてある場合(JR等)と【Courtesy Seat】って場合(メトロ等)を見かけます。直訳すると前者は「優先的な席」、後者は「礼儀・親切の席」。できれば後者でありたいですね。

かく言う私も、ようやく座れた直後だったりすると、咄嗟に席を立つことができなかったり・・・反省!
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(^v^) (hoddy)
2006-04-19 09:56:19
みなさん、コメントありがとうございます。おかげで、またいろいろ考えています。

考えれば考えるほど難しいですよね~





shibaさん、コメントありがとうございます。



八重桜がホントきれいに咲いていますね。

ボクもリクツに頼りがちなんですけど・・・

おっしゃるとおり教育、国家百年の計、なのかも知れませんね。

吉野弘さんの詩は読んだことがありませんでした。今度読んで見ますね。







ひろくまさん、コメントありがとうございます。



「人間だから思いやりが必要だ」と大人が胸を張って言える社会が理想ですよね。

テレビの二人を見ているとボクはかわいそうになりました。最初は怒りでしたけど、最後は哀しみでした・・・

思いやりの心をなくしつつあるのは、誰が悪いんでしょう・・・







fallさん、コメントありがとうございます。



「優先席」、【Courtesy Seat】ですか。

いいですね~。優先というより分かりやすいような気がします。

ボクも立てないことがありますよ。特に座るために早起きした早朝は努力して座っているわけで・・・難しいですよね。



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