考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

誰がうつ病と診断するのか

2007-08-06 23:26:44 | 徒然なるままに

朝青龍問題が相変わらず話題ですね。

昨日から精神科医が「抑うつ状態」と診断したこと、その際のコメントに対して、いろいろな有識者の意見が飛び交っています。

例えば、精神科医の香山リカさん、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070806-00000008-sph-spo

この状況を招いた本人が謝罪会見もしないうちに診断結果が発表され、批判しにくいような状況になるのは、精神科医として複雑な気分だ。診断が隠れみの的に利用されるようなことはあってほしくない。

記者の都合の良いようにコメントを解釈された可能性も否定できませんが、
このコメントを読む限りでは、例え、うつ病でも記者会見はすべき、と受け取れます。
これは真意ですかね?

精神科医として複雑な気分を感じてほしいのは、
少なくとも医師免許を持っていて、公に精神科医と名乗っている人の診断が疑いの目で見られていることでしょう。
このままでは精神科医の診断は信用できないと、周知しているのと同じ状況ですよね。香山さんのように有名人は問題ないでしょうけど、地道に精神科医の看板を掲げている医師にとっては、それこそ本当に複雑な気分でしょうし、闘病している患者にとってはもっと複雑な気分でしょう。

少なくとも朝青龍の病状を診断したことのある人でなければ、
あるいは、この診断内容の書かれているカルテなど具体的な根拠を示した上でなければ、安易なコメントは寄せるべきではないとボクは言いたい。

そうは言いながら、夕刊フジでは診断した医師の本職は精神科医ではなく、形成外科医だという疑惑を記事にしています。
http://www.zakzak.co.jp/spo/2007_08/s2007080602.html

こういう記事を読むと、さすがに信用できないな、という気にもなるんですけど・・・

今回の報道で誤解があると思うのは、「神経衰弱」という言葉、
確かに病名で神経衰弱と使っているならともかく、
ボクが今回の医師のコメントを聞く限りでは、「神経の衰弱状態。うつ病の一歩手前の抑うつ状態なんです。」という内容の話でしかないんですけど。「病名が神経衰弱だ」なんてどのテレビ局のカメラの前で言ったんですかね?
それとも、神経の衰弱状態という解説自体が、専門の医師にとっては気に入らないのか?
どちらにしても、全く意味のない指摘ですし、その患者本人を診断したわけではない医師としては無責任としか言いようがないコメントだらけです。

うつ病については、以下のサイトに解説がありますが、
http://health.yahoo.co.jp/katei/bin/detail?sc=ST140050&dn=2&t=key
血液検査だったり、レントゲンだったり、残念ながら医学的根拠を示しにくい病気なんです。

しかも心の病と言われがちなので、理解のない会社の上司などは「気合が足りない」だとか、「サボっている」だとか、言われやすい病気なんですよね。笑えない話ですが、従業員の健康に配慮すべき人事部にもこのような輩はまだまだいます。

そんな状況を考えれば、精神科医しては、できるだけ安易な主観的なコメントを避けて、「うつ病診断」はどのように下されるべきかという医学的なコメントを出してほしいんですよね。
このままでは、ますます「うつ病」の社会的な理解は遠ざかっていきます。

みなさん、ハローです。ホディです。

日経朝刊の小説、
今朝から北方謙三さんの『望郷の道』が始まりました。
楽しみです。

さて、再度、精神科医の話に戻りますが、
今回の問題でハッキリしたのは、客観的に病気だと、異常ありと断定できる診断方法がないということなんですよね?

そういう意味では、権威のお墨付きがないと信用することが難しい日本人にとっては、今後もしばらくは「うつ病」を本当の病気として扱うことは出来ない気がします。
つくづく思うのは、
本当に朝青龍が深刻な病状だった場合に誰が責任を取るのか?
ということ。

困った相撲協会は別の精神科医を・・・
これもセカンドオピニオンと言うのでしょうか?
もっと困った親方は病人(!?)に向かって精神論・・・
「ここで『参った』と言ってしまっては負け。もう少し辛抱して頑張ろう」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070806-00000160-jij-spo

こういう病気は難しいですね。
理解のないボクらは事態を複雑にしていくだけでしょう。


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