今日(2011.3.2)の日経新聞の夕刊、メモしておきたい記事が二つありました。
一つ目はスポーツ欄のコラム、駆ける魂。今週は月曜から今日まで、正月の全国高校サッカーを制した滝川二高の監督、栫裕保さんの話でした。「栫」と書いて、「かこい」さんだそうです。珍しい名前ですよね。
指導方法も独特というか、ボクは逆に王道のように感じましたが、「自分を伸ばすのは自分以外にない」「試合になれば監督の仕事はほとんどない」という姿勢、「何で勝ちにそんなにこだわるのか。負けることで得るものもあるはずだ」「監督は選手の自主性と自由な発想を引き出す黒子に徹するべき」という“根っからの教育者”と言われるような価値観がベースにあるんですよね。
とても興味深く読ませてもらいました。スポーツ界でもプロ、アマ問わず、こうしたスタンスは大事ではないかと。一部の本当のエリート選手を除き、多くの選手はそのスポーツの外の世界のほうが長い人生の中では、大きなウエイトを占めていくことになるんですよね。どんなことも勉強で、どんなことも結局は何かしらの糧となると思いますが、せっかくなら、有意義な時間を過ごしてほしいですし、できれば人間的な成長を期待したくなるんですよね。
こういう風に思うのは、ボクも親の視線になってきたということでしょうかね(笑)。
一番、わが意を得たりと思ったところを、今日の記事から、引用します。
高校生は同じ校舎で過ごし、苦楽をともにする。修学旅行ではしゃぎ、定期試験に悩み……。サッカーとは直接関係しないそんな時間の積み重ねこそ、母校愛をはぐくみ、チームへの忠誠心につながる。粘り強いプレーはこうした土壌から生まれると確信する。
同じ釜の飯を食って初めて深まる仲間の絆。
ここは高校生(学生)だから、ということでもないと思うんですよ。
会社でも同じで、粘り強い仕事、大事なあと一歩の工夫やチャレンジへのこだわり・・・
やっぱりこういう「釜の飯」というと何だか古臭い感じもしてしまいますが、ただ単に会社で過ごす時間ではなく、本質的な「時間の積み重ね」の中で得られる“絆”が大事なんではないかと感じていました。
やっぱり自分が、自分がだけでは長続きしないですし、何よりも同じチームなのに自分以外の成功が本当に喜べないことは組織としての成長を妨げます。今回の話は組織として、リーダーとしてのあり方のヒントが沢山あったように思いました。
二つ目はマーケット欄のコラム、十字路。その中で、今日はみずほコーポレート銀行の方が、こんな話を紹介されていました。
ハーバード大学ビジネススクールのカンター教授は近著で、21世紀に生き残る「バンガードカンパニー(先駆的企業)」のモデルを提示している。短期的利益の追求や株主価値の向上に偏らず、価値観や企業文化・理念を重視し、利益追求と社会への貢献を両立させる企業だという。
最初の話と共鳴していますよね。
勝ちという短期の利益の追求に偏らず、選手の自主性という文化(理念)を重視しつつ、サッカーの大きな大会での優勝や選手の人間的成長という社会への貢献も両立させる・・・
こうしたことができるのも、監督というリーダーの力はもちろんですが、、それだけでは絶対になく、そのリーダーの示す方向に、しっかりと土壌を作ってきた選手(や周囲の人)のがんばりをはじめ、いろいろな要素がきっとあるんですよね。
ローマは一日にしてならず。
こういうチーム、組織作りって、日本の会社でも強みに出来ることだと思うんですよね。効率化とか、生産性とか、そういうことも大事ですけど、もう少し、その効率化や生産性の向上に自主的に向かえるような土壌作りというか、文化作りというか、そういう時間のかかることにそろそろ取り組む必要があるのではないかと考えていました。
まずは、自分の守備範囲からでしょうか。
がんばります。
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