福島第1原発事故の海水注水問題・・・
今思えば何がどう問題であったのか?よく分からない話だと思うのですが、結論も官邸や東京電力本社がアタフタする間に、現場が正しく動いて、正しく「誤った指示」をやり過ごしたという笑うに笑えない話だったようですね。
個人的には、今回の一連の問題を見ていて感じたポイントは以下の4点でした。
1.責任や権限の問題
結果的に正しかったとは言え、東電内の業務上の権限、指示命令系統はどうなっているんだ?と感じた人は私だけではないですよね。間違わない自信があったからこそ、現場では中断という誤った対応を取らなかったわけでしょうが、そういう意味では「誤った対応を取らない」ジャッジができる人がその指示命令に関与できなかったことが明らかになったわけです。
今回の現場はたしかに正しかったが、同様に誤らない指示が出来るような体制にしないと緊張と混乱の中で必ずしも現場が正しく対応できるかどうかは確実ではないと思います。
一方で、現場主義でこういう権限はすべて本社ではなく、現場においておくというのもありだと思いますが。
報道を見ると法律上も現場の権限を認めているようなんですがね。
時事通信 5月28日(土)18時2分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110528-00000092-jij-pol
【ブリュッセル時事】菅直人首相は28日午前(日本時間同日午後)、東京電力福島第1原発事故で、冷却のための海水注入をめぐり情報が混乱したことについて「情報が正確に伝わらなかったことは、全体として責任を感じている」と述べ、原子力災害対策本部長として一定の責任があることを認めた。ブリュッセル市内で同行記者団に語った。
また、東電が本社の指示を無視して海水注入を続けた同原発の吉田昌郎所長の処分を検討していることに関し「原発を直接運転する責任者が判断することを法律は認めている。結果として注入を続けたこと自体は間違いではない」と述べ、処分には当たらないとの考えを示した。
いずれにしても、正しい判断をした人が罰せられるようなことにならないことを願います。
2.事実がキチンと記録されていないこと
記録されていないのか、記録がないことにしているのかは、良く分かりませんが。
これだけ大事な判断の際の話が、こうも二転三転されたのでは・・・一々、言葉の隅々まで記録する必要まではないと思いますが、結果としてのメモくらいは確実に残しておいてほしいものです。
3.伝聞と憶測だけで話は広がること
今回の問題で、いろいろな人が顔を出していました。裏ではもっと多くの人が動いていたことでしょう。それだけ、この原発周辺の既得権や利権があるのでしょうと想像することもできます。
でも、みんな自分勝手に誰かの話を解釈して、事実は棚に上げて話だけを広げていっていたわけですよね・・・
そして、一番、感じたのは、
4.被災者不在の不毛な結果論
事故検証も大事なことで、特に今回は「人災」とも言われていますので、いずれはこうしたタイミングごとの判断についても良かったのか、悪かったのか、第三者による調査も必要なんでしょう。
ただし、このタイミングで、しかも国会の場でやるべきことだったのでしょうか?
今回の震災も原発も長い目での支援と協力が不可欠だと思います。
支援も協力も、被災地の人たちに向かってだけではなく、自分たちの周囲や組織、そして国会なども含めたすべての活動に向かっても必要なんですよね。「誰が」ではなく、「みんなで」責任を感じて、やるべきことをやっていくことが今は大事ではないでしょうか。
原発の原子炉も当然ですが、冷やさないといけないものは、私たちの行き過ぎた欲望や競争意識もそうかもしれません。
がんばろう日本!
責任をとるという言葉・・・本当に軽いですよね。
辞めるとか、辞めないとか、何だかそんなことばかりが焦点になり、そもそも何の責任なのかは忘れ去られているのではないか?という感じ。
船長だけではなく、周囲の船員も、実は覗いている我々も全員、子どもだったというのがオチですかね?(笑)
どうがんばるかが問題だったりしますが・・・
とにかく、がんばれ国会議員!ですね~
「船長を信じて揺れる船に乗ってたんだが・・・ 船長室を覗いたら子供が舵を握ってた。
さぁ、どうする?」
責任をとるという言葉が、軽くなっていますね
がんばれ日本というより、今は、がんばれ国会議員という感じです。被災者は、それでも頑張っているんだから・・・