NHKスペシャル『ワーキングプアⅡ - 努力すれば抜け出せますか -』を見ていました。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/061210.html
7月の同放送の続編。第二弾なんだそうです。(ちなみに前回は見逃しています。)
働いても働いても豊かになれない・・・
自己責任、自助努力、自業自得・・・
ボクらの「常識」の中だけでこの問題を考えると、なかなか理解できないんですよね。実際、この放送を見るまでは半信半疑、考えようとしない問題でした。
確かに生活保障を受けた場合の所得レベルを基準として、労働してもそれより少ない所得の場合が「プア(貧困)」だと言われても実感がわきにくいですよね。どのレベルが憲法で定める“健康で文化的な最低限度の生活”なのか、と考えると、さらに難しい話になりますし。
今日の放送で感じたのは、「ワーキングプア」なんて変な外来語を使って問題を複雑に統合しないで、個別に考えるべきだと思うんですよね。
具体的には、今日の話だと、
母子家庭、地方の衰退、中小零細企業、無年金者、老老介護・・・
困難な労働を強いられているという結果(現状)は同じように見えますけど、本質は大きく異なると思います。これを単に並べて見せるだけだと、困った話だと涙を流すしかなくなります。
みなさん、ハローです。ホディです。
今日の放送の多くのケースで共通していたとボクが感じたのは、孤独な家族像。
独居と言うわけではないんですけど、比較的都会(に見えた)で二人か三人で支えあっている家族です。(もちろんテレビで眺めるだけのボクが「孤独」と言い切るのは失礼ですね。ごめんなさい。)
これが田舎で、大家族だと「ワーキングプア」にならないと断言することはできませんけど。少なくとも精神的にだけでも、支えあって生活できる環境があれば救いになるんじゃないかな、なんて思いました。
このあたりの話は、ボク自身、もう少し考えてみる必要がありそうです。
そして、「賃金の低下」は奥が深いですね。
単に景気の停滞に伴って一時的に賃金が低下しているだけではなさそうです。中国に代表されるように海外からの安価なモノの流入に加えて、アジア各国からの研修生としての安価な労働力が流入してきているのも原因のようですね。
奇しくも放送の中で、こういう話がありました。
繊維業を営む自営業者が海外の研修生による安価な労働力による事業の悪化で、別の仕事を求めるしかなくなりました。その結果、働きだした職場は、研修生の寮の食事のまかない・・・
もちろん高給の仕事ではないはずですよね。安価な労働力の供給を支えるために、きっと安価な労働で応えているのでしょう。立派な勤労ではありますが、ボクには何となく釈然としない気持ちが残ります。
間接的ながら、自らの手で自らの首を絞めるような仕事なんですから。
ホント、問題は奥深いですよね。
実態は、海外の研修生も「ワーキングプア」ですし。
今日の放送で多く見られたパートタイム労働者や派遣労働者なども安価な労働力の供給サイドであり、それによって苦しめられ安価な労働力で応えざるを得ないサイドでもあるわけです。
「ワーキングプア」が間接的に「ワーキングプア」を苦しめる構図は、今後も続くのでしょうか。
でも、こういう安価な労働力で利益を出そうとする企業を単純に責める気にもなりません。。。何とかならないものですかね。
まずは「人の道を踏み外した」と言っても良いと思われる「法令違反の会社」から徹底的に糾弾していくしかない気もしますね。
例えば、「タイガー魔法瓶」。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2006120901140.html
派遣法違反で長期に派遣労働者を受け入れ続けた挙句、労働者側が労働局に指導を求めると、逆に契約を解除したのだとか。
“タイガー”だからといって、弱肉強食であっても良いわけがない。
一方、エレファント印の実態はどうだか知りませんけど、少なくともこういう話が出てきた以上は、お得意の事実を調査して「いじめ」を糾弾して欲しいですね。
この手の話を、マスコミは許してはいけないと思います。
長くなりましたので、今後のメモを少しだけ・・・
・高齢者の中で無年金者が約40万人だとか。高齢者の問題は想像以上に重たい気がします。いつかはワーキングできなくなるわけで、そのときは何で支えるのか。
・有識者の話では、経済評論家の内橋克人さんの話は面白かったですね。機会があれば本でも読んでみようかな。
・ワーキングプアも問題ですけど、ノーワークプアも問題。でも、それ以上に道徳的には「ノーワークリッチ」のほうがまずい気がします。
僕は2回とも見ました。本当に深刻な問題ですね。国の政策に大きな原因があると感じました。
「ワーキングプア」を訳すと「勤労貧困」という感じでしょうか。外来語のままだと軽い印象を受けます。
内橋克人さんの本は、市民の目線で経済を語っているのでとても勉強になります。一度読んでみて下さい。
余談ですが、今晩のNHKスペシャル再放送で見れるかな?と確認してみたら、今夜の再放送は「分かっちゃいるけどやせられない」でした。これはこれで見なければいけないテーマ(笑)なわけでして。。。
さすがオカダさん、しっかりと押さえられていますね。
ボクも漠然と「国の政策に大きな原因がある」と感じています。でも、本文で触れたように結果として多岐にわたり問題が発生しており、なかなかこれが駄目だと言及しにくいんですよね。
ホント、事態は深刻なんですけど、議論がしにくいですよね・・・
経済学者や多くの政治家が主張するように「景気の回復が先決、それによって改善される」ことを待つ間に取り返しのつかない事態を招くような懸念をしています。
内橋克人さんの本、ぜひ読んでみたいと思います。
名なしさん、
はじめましてでしょうか?
それとも入れ忘れでしょうか?
丁寧なコメントありがとうございます。
番組を見逃されましたか。。。残念。
ぜひ、再放送をやって欲しいですね。
「報われない労働」と言うと少し語弊もある気がしますが、不安定な雇用形態で低賃金で働かざるを得ない層が増えてきています。低賃金の苦労はレベルは違えども多くの人が感じていると思いますけど。
いわゆる「ワーキングプア」と言われる人たちは、きっと安定雇用が前提の正社員(ボクもそうですが)とは全く違う恐怖とリスクを背負っていると思うんですよね。これは苦しいことだと、勝手に想像しています。
「分かっちゃいるけどやせられない」のと同じように、「分かっちゃいるけど改善できない」のがこの問題のような気もしています。悲しいですね。。。
おっしゃるとおり「所得の高さがなくなったとき、ボクらには何が残るのか?」・・・
そのように思うと、今こそ経済面以外の支援が必要なのかもしれませんね。
失礼しました。