昨日の毎日新聞朝刊のトップ記事で、「老人虐待」としてある介護施設の問題が写真入りで大きく報道されていました。
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070220k0000m040118000c.html
介護施設の職員の説明の通り、仮に一時的であったにしろ、悪いことであったことは間違いないとボクも思います。
でも、単純にその介護施設だけを責める気にはなれないんですよね。
背景には大きな問題が3つあると思っています。
まずは、キチンとした施設になかなか入れないこと。
本来ならば、経済面でも環境面でも特別養護老人ホームに入れるのがベストなんでしょうけど、順番待ちであったり、現実的にはなかなか難しいんです。
では、いわゆる「認可」された有料老人ホームはと言うと、費用の問題や、介護の状況によって施設に入居できない場合があるようです。(特に認知症の場合は難しいと聞いています。)そうなると、部屋の広さなど認可基準を満たせないような「無認可」施設などで引き受けてもらうしかないようなケースも出てきます。
今回の施設が「無認可」だったという事実で、何となく悪質な印象を受けがちですけど、こういう無認可施設も今の介護の現状では必要なんだと思うんですよね。
さらに言えば、今は介護に対する国の方針として、「施設」から「在宅」へシフトさせていくことが打ち出されています。要介護者は間違いなく増えていくでしょうけど、施設は増えない。つまり、認可施設にはますます入居し難くなっていくでしょう。
次に、「無認可」=介護保険非適用で良いのか?ということ。
記事の中で、施設の管理責任者は職員が少ない理由を次のように語っています。
「介護保険を使わず入居料(一時金30万円、月額15万円前後)だけでやっているので、ほとんどボランティア状態で増やせない」
介護保険の適用があれば、月額15万円の自己負担であれば、かなりのサービスが受けられるはずなんですよ。それを単純に施設の認可がないので、介護保険の適用は出来ないと言うのは、まさに“お役所仕事”であり、施設サービスとは認められないまでも、一定のサービスは在宅介護のテーブルに沿ってでも介護保険での支払いを認めるべきだと思うんですよね。事実、介護しているわけですから。
現実から目を背けて、それでも無認可はいかん!と言うのであれば、業務停止にすべきなんですよね。
そして、最後に家族や親類が面倒を見切れなくなっていること。
これは深刻な問題だと思います。
施設に預けるしかなかった理由はさまざまでしょうけど、核家族化・共働き・親類関係の疎遠化はこれからも進んでいくのでしょうから、ますます施設への依存度は高まるでしょう。
そもそも施設に預ける行為、そのものが本質的には老人虐待であるかも知れない事実から目を背けてはいけないとも思います。
この問題、記事になっている施設だけ見ていると、大きな課題を見落としてしまいます。表面的な批判は簡単ですけど、ここまで書いてきたように本質的な解決は難しいですよね。
毎日新聞や他のマスコミ、もちろん厚生労働省、そして今回の当事者でもある千葉県や浦安市をはじめとした自治体には、この施設だけをターゲットにしないで、もっと深く、そしてもうすでに見え始めている介護の未来について議論を深めて欲しいと思います。
みなさん、ハローです。ホディです。
ホント、春のような天気が続きますね。
ウェザーニューズは、桜の開花予想を発表していました。
東京は3月19日なのだとか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070221-00000097-jij-soci
いよいよ今年も桜の季節ですね。
最後にもうひとつだけ。
「道路の“落書き”?」についての記事です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070221-00000000-kyt-l26
内容は、JR宇治駅前のタクシー乗り場に、誰かが「小型」「中型」と乗り場を分けるような表示を“落書き”したのだとか。この乗り場ではタクシーは今まで、小型も中型も同じ乗り場で特に区別しないで順番に割り当てられていたそうなんです。
この記事では、あるタクシーの運転手のコメントを載せていました。
「乗り場の変更は寝耳に水。お客さんは小型車ばかりに乗ってしまう」
市も許可した覚えはないと困惑し、20日に黒色に塗りつぶしたそうなんですけど・・・
これって、「お客さん」を無視した話ですよね。
市も「許可した覚えがない」だけで黒色に塗りつぶす費用を出したのだとしたら、
もったいない支出ですよ。
格差が開きつつある中、小型と中型の区別は必須でしょう(笑)。
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