死に沈むシニシズム、もはや手の施しようがない
ブライアン・ジョーンズの受け売りみたいに、壁の向こうへの視線で指を鳴らし続ける君
首に縄をつけて
クリニックのドアを叩くこともしなくなった僕をどうか許して欲しい
もう愛ではないんだ
奇跡を待ってる奴隷のようなものさ、がらりと状況をくつがえす
稲妻を待っているだけの情けない結論だ
もう疲れたんだ
もう疲れたんだよ
僕はもう疲れてしまったんだ
君がそこから離れようとしないことに
隠しても
殴っても
蹴飛ばしても
首を締めても
君は僕の言うことを聞こうとはしなかったね
一度は銃を取ったんだ、安全装置を外して
君のこめかみを数秒ほど狙っていた
だけど
それ以上力を込められなくてね、放り出すのも同じことだと思って
二度と手に取ろうなんて思い付かないような場所に隠した―怖いのは僕が僕で無くなる時かもしれないから
いつから僕は酒を飲んで居るんだろう…?血液からもモルトの香りがしているような気がするよ
果物の皮やパンくずが散乱した台所の床を
ハエトリグモがその日最も理性的な態度で徘徊している―彼のシンプルな姿勢について
一晩中でも語り明かしたい気分になる
君、よだれを拭いてくれよ…どうして君のそんな姿を眼に止めなければならないんだ…
とても悔しくて泣きだしたいけれど
僕の涙はここじゃもうなんの役にも立たない
だから我慢していた
我慢して
我慢して
我慢し続けていた
こんなにどうにもならない夜にどうしてとどまってしまうのか?
時間が読み取れないけど
空は晴れているみたいだった
―君?
どうしたんだ、そんなものをどうして?
いつの間にそこに隠していたんだ…僕の眼を盗むような
そんな芸当がまだ出来たのかい?
泣いているのか?泣いて―
ああ、そうだよ
弾はきっと二発は込められているはずだ―ねぇ君、これはきっと喜ぶべきことなんだよね?
ああ、嬉しいよ―あんまり上手く言葉に出来ないけれど
硝煙の匂い…焼けるような痛み、ねえ君、今度あちらで出会う時には
口もとを
奇麗に
しておいておくれよね…
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