むずがゆい神経のルーツを引きずり出して
もぎたての果実を誇るように目の前に投げ出して見せた
それは思っていたよりもずっと刺激的な
ずっと刺激的な光源に思えたんだ
痛みがそこにあったことを覚えている(産み出すときには痛みは付きまとうものだ…それは忘れないようにするための工夫なのだ)
時間は午前を少々回ったばかりで
それはあちらこちらにふわふわとしている諸々を捕まえるにはもってこいの時間だった
水を少し飲んで喉を湿らせ
言葉として生きるように何度か音を注いだ
存在を描くということは時折
本当を嘘にしているのだと思うことがある
判りやすいことを判りづらくしているのだと思うことがある
ほっといていいものにこだわっているように感じることがある―堂々巡りのようなことをしているのではないかと
快感が伴わなければ誰もこんなものを信じはしないね
快感だけを信じるのも馬鹿な話だとは思うけれど
今、そんなことを考えて指を動かしていたとき、一人の羽蟻が液晶の光に擦り寄った
嘘みたいに思える時間の唯一の他者、唯一の現実
孤独であることは物思うには便利だが認識には向かないね
目だけを動かしてその蟻の行方をどこまで追えるか試してみた…もってせいぜい3分ぐらいと踏んでいたけど
40秒もいかないうちに見失ってしまう
そしてリーディングは再開された、いつかも描いたような、だけど違うリズムの
いつかも見たような、だけどより色濃い、デジタル放送のような鮮やかな色合い、眠気を連れながら繰り返す振る舞い
確かに時は流れている、時々それに追いつくような旋律を残したくてキーボードの上で少女のように焦れてしまう
蟻は時々耳元で羽音を聞かせ、何か摘んではどうか、コーヒーでも入れたらどうかと世話を焼こうとする、いいやつなのか悪いやつなのか判らない
が
とりあえずこれ済ませてしまわなくっちゃ今日という日の証拠が無くってさ、ついつい過剰気味に感情を走らせてしまう―明け方までに眠れれば日のあるうちに起きることが出来るから
そして今は少し他の事を考えながら(テレビで流れてるダイエット企画に少し興味がある)この詩にどうして終わりをつけようかと頭を揺らせている
エルカルニチンがミトコンドリアを運び脂肪が燃焼すると言っている
エルカルニチン、なんて言葉を耳に留めながら
詩篇を綴じる言葉なんて思いつくわけが無い
あくびしてから少しテレビに目をやるとよくある写真(使用前、使用後)、マイナス25,1kgだってさ
カルニチン、カルニチン…
俺も
何かを燃やそうとしてこんなことを続けているのかなぁ
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