不定形な文字が空を這う路地裏

ブルーダスト




暗い部屋
苦い果実の夜、音律を
破壊し尽くしたジャズ



二等星から伸びた刃が
しどけない俺の
感情の中枢を貫く、リ、リリン
硝子の風鈴が欠ける様な
そんな欠落



お前の元に届けて
憐憫を請おうか




狙う様な星の砂
俺はいつだって
あんな秘め事が
欲しくて仕方なかった



ミュートしたアルト、俺の絶望的衝動を
僅か数ミリ
なまめかしい方へと
振り抜いて原色を撒く




謳歌する詩情の、ライムの様なバスドラム、あの残響を切り貼りして鼓動に添わせたい
たっぷりと血を含んだ
瞬間のスタッカート、触れたら




とめどなく涙が零れた




この世には
ごく稀に
蘇生と
名付けられる
哀しみがあって



千切られた無数の
ただの五線譜に埋もれて
死ぬことの出来ない
言葉を探した



愛と唄えないがために
夜が永遠の様に長い



墓石の前で
勇気を知る様に
肉塊の臭いで
魂を知る様に
血液に擦り込む
死ぬことの出来ない言葉



伸ばした指先は
美しい恒星の
外郭の温度で
醜く焼けただれた



死んだ組織を削ぎ落としながら、俺はもう
叫び声を
あげたりなんかしない
そんなもので、許される季節は




微笑ましい気概の向こうで
樹氷の様に凍てついていた




さようならと言うには
欲が深過ぎた
引金を引くには
勝機を狙い過ぎた
これ以上無い
オールオーバーのオーバーチュア、悪足掻きの
数を数えろ




耳打ちしなけりゃならない時が
きっと






じきにやってくるぜ

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