どんな結末なら良かった
どんな過ちなら
こんなに胸を痛めずに済んだんだ
春のさなかに至らないほど
冷たい雨が肩で遊んで
苛立つ風が転がした
空き缶の行方をただ眺めてた
窓明りに照らされ
街路で跳ねる雨粒は
どんな術もままならぬ
俺の影を炙るようだ
何も無かったのか
この胸を掻き立てたあの光
確かにあると感じたそれは
水溜まりのように掻き消えてしまうのか
雨に混ざれない
哀しみが心のひだを
撫でるように落ちて行く
くずおれて
決して見つけられなかった
選択を探し出したいのに
どんな結末ならよかった
どんな道化なら
こんな街角で迷わずに済んだのか
甘い映画のように滲む道の向こう
台詞を思い出せず
捨て置かれた役者のように
退き時の分からない
濡れそぼる街路
誰にも認識されない
宝石のように光を弾いている
帰るべき道が見つからない
帰らなくちゃいけない
意味を見つけることが出来ない
本当は止んでいるのかもしれない
俺だけの上に
降りしきるのかも
拭う力もないまま
野良犬のように痩せている
いつかはこの雨の中にも
見たいものがあったはずだった
静寂が神なら
俺は背を向けよう
悟りの気に怯えて
汚れた道を逃げて行こう
どんな結末ならよかった
どんな騒ぎにも
答えられるものは無く
ああ
冷えて行くんだ
凍えて行くんだ
駄目だった
すべて駄目だったよ
雨は
きっと止むことは無いだろう
俺は
夜の中で
亡霊と化して
そして
いつか雨に
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