終点
光線を静かに受け止めて微笑む君は 印画紙に漬けられたばかりの写真のように揺...
Solitude Standing
そこは永遠に暮方とも明方とも言い難い世界 乾涸びた紙粘土みたいな体毛の無い...
夜はいくつかの希望を摘み取るように
劇場の裏の暗がりで鼠を噛み千切る子猫 母親の贈り物を子供部屋で引き裂く少...
みんな鳥の国が好き
5年前に潰れた320階建てのオリエンタル・ホテルの旧式の警報装置を解除して 1...
白の処方箋
ソファーに横になって うたた寝ているうちに過ぎた今日の残骸を睨む ホワイト...
「判る」
俺の頭蓋骨のレプリカを百個ばかり作って片っ端から叩き壊す、そんな妄想のさな...
トリミング
ルーティン・ワークが過ぎて、濡れて重くなった土砂のような気分の奥底から 溜...
時がそよぐ
粒上のチョコレートがふたつ、迷子のように転がった街路 バケットパンを抱えた...
死の前の粉降りしきる机上
夜に震えた眼が覚めるときの、その感覚を明日まで持っていけ 時の嵐の中ではす...
脈動(RE-BIRTH)
茎を薙ぐ鎌のような速い内臓の呻き 傷みと呼ぶには無自覚に過ぎて 骨に刻まれた記録みたい 袋小路の高いブロック塀を死に物狂いで超えたら 揺るぎないかに見えた...