春日市白水大池公園 星の館

街中にある天文台で星空にとけ込もう

春のダブルスターをみよう その3

2020年03月15日 | 星空解説

こんにちは、坂井です(-_-)

 

『春のダブルスターをみよう』最終回です。

 

今回は実際に春の夜空で探せるダブルスターについて案内していきます。

今回のおはなしは3月15日(日) 午後9時の夜空ですすめていきます。

 

 

 

まずは1つ目…

 

①おおぐま座 ミザール・アルコル

 

 

この星は北斗七星と呼ばれる、おおぐま座にある特徴的な星の並びの中にあります。

 

 

おおぐまの背中からしっぽにかけて、フライパンのような、神社にある柄杓(ひしゃく)のような形をしている星の並びがあります。

 

北……北の空にある

斗……(ひしゃく、ます という意味がある言葉)

七……7つの

星……星!

 

北斗七星です。

 

 

この柄杓の持ち手の部分のはしっこの星から2番目の星、これがミザール・アルコルです。

ココ。しっぽの先、柄杓の持ち手の先から2番目の星。

 

 

さぁ、ちょっとこの星に近づいてみましょう。

 

 

 

 

 

 

おや?まだ北斗七星の全体が見えているのにもう二重星として見えてきました( ゚Д゚)

 

そうなんです!!

 

この星、肉眼(自分の目だけ)でも見える肉眼二重星なんです!

 

 

いや『肉眼で2つに見えるならそもそも重なってないやんけ』というツッコミは…( - ε - ;)さておき…

 

 

昔から2つの星として知られていたようで、

明るい方の星はミザール(二等星)、暗い方の星はアルコル(四等星)と呼ばれています。

 

アルコルは実は、お父さん世代には北斗の拳死兆星して有名な星なんです。

『アルコル知ってる?』と聞いても知らないかもしれませんが、

『北斗の拳って知ってる?死兆星知ってる?』と聞くとわりと知っているかもしれませんよ。

 

 

一説によると昔、アラビアの軍隊で視力検査に使われていた星で『見えると軍隊に入れる』んだそうです。

 

さかいさんは「…見えません!」( ゚Д゚)って言おうかな。。。

 

明るい方の星『ミザール』も実はそれ自身が二重星で、望遠鏡で少し倍率をあげると二重星としてみえます。

 

 

 

②りょうけん座 コル・カロリ

 

これは金曜日に話しましたね!

北斗七星のそばにりょうけん座はいます。

 

北斗七星の持ち手の部分の一番はしっこの星から、拳ひとつ分より少し離れたところかなぁ。

 

※拳での空の計り方は以前の記事でも触れているのでコチラも合わせてごらんください。

2020.3.1 今週の星空の見どころ

 

ちなみにこの星は『コル』と『カロリ』ではありません(-_-;) コル・カロリという一つの星として名前がついています。

 

 

 

三等星なのでちょっと春日市からでは見えにくいですが、慣れれば(場所を覚えれば)簡単に見えるようになります。

 

この星は小型の望遠鏡で低倍率でもカンタンに二重星として見えるのでオススメです。

2つの星の色の違いもじっくり観察をすればちゃんとわかるはずです。

 

 

 

 

③しし座 アルギエバ

 この星は慣れないと探すのが少し難しいかもしれません。

 しし座のたてがみのあたりにある二等星です。

 

 

おおぐま座 → りょうけん座 → かみのけ座 → しし座 とたどると…

とくにたどりやすくはないです。笑(-_-;)

 

 

このしし座の胴体から頭にかけて、ハテナマークを裏返したような形がとくちょう的です。

”ししの大鎌(おおがま)”とも呼ばれます。大きなカマですね!

 

 

一番暗い一等星『しし座のレグルス』からはじまるししの大鎌。レグルスから数えて3番目の星がアルギエバです。

 

 

 

ココ。おや?この星も望遠鏡で見なくても2こ仲良く寄り添っているように見えますね。

しかし、今回は肉眼で見える隣の星は関係ありません。

 

見てほしいのは100倍以上の望遠鏡です!

しし(ライオン)の名にふさわしい黄金色した2つの星がピタッと寄り添っている姿が見られます。

 

 

 

 

 

 

 

というワケで春のダブルスター、楽しんでいただけたでしょうか!?

 

 

 

何…!?実際に見ないと楽しめないだと…!!?(; ゚Д゚)

 

 

 

一日も早く開館再開できるように

星に祈りましょう!!!

 

それでは(((( 一人一)

 

さかい

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春のダブルスターをみよう その2

2020年03月14日 | 星空解説

こんにちは、さかいです(*^-^*)

昨日の続きですね!

 

【昨日の復習】

肉眼(自分の目だけ)で見ると1つなのに、望遠鏡を向けてみると2つの星が寄り添っている姿が見られる。

地球から見て同じ方向になって見える

 

それが二重星(にじゅうせい)です。

 

 

 

 

というところまで話しました。

 

そんな二重星ですがザックリ言うと2種類あります。

※ちなみに今日のお話で出てくる『星』とは、太陽のように自ら光を放つ『恒星(こうせい)』のことをさします。

 

 

①実際に星同士が近くにあり、重力で引きあってお互いが回りあっている連星(れんせい)と呼ばれるタイプ。

 

重力という見えない手をひっぱりあいながら、回ってるってかんじですかねぇ。

 

 

 

 

 

②地球から見てたまたま同じ方向に2つの星が見えているが、実際には離れている見かけの二重星タイプ

 

これはまさに例えるならこんな感じです。

 

どーーーーーーん!!!!超でけぇ!!!

 

 

…と思うかもしれませんが、実はゆきだるまは1メートルしかありません。

では、173cmのさかいさんが小さくなる特殊能力を持っているのか?いえ、違います。

 

これは遠近法を使ったトリック写真です。

 

 

カメラマンから見てゆきだるまが近くにいて、さかいさんはとても遠くにいます。

 

 

遠近感を感じさせないように上手に、さも同じ位置にいるようにとるとあんな写真が撮れるというわけです。

 

 

 

見かけの二重星でも同じことが起こっています。

 

あなたから見て、1メートル先にあるものと、2メートル先にあるものなら、どちらが遠くにあるか。それはすぐにわかるはずです。

 

しかし、300メートル先を飛ぶハトと、330メートル先を飛ぶカラスならどうでしょう?

 

 

 

人間の目は見る物が遠ければ遠いほど遠近感・立体感があいまいになっていきます。

 

 

 

 

 

星となるともっとうんと遠いです。

 

50光年先にある星と、500光年先にある星。たとえ10倍も距離が離れていたとしても、遠すぎてパッと見どちらが遠いかなんてわからないんです。

 

昔の人は『夜空の星は、“夜”という黒いカーテンに星が引っ付いている(同じ遠さってこと)』と考えていたようです。

 

うん、わかります(*´Д`)そうにしか見えないもん。

 

もちろん仮に50光年先にある星と500光年先にある星が、並んで同じ明るさに見えるのなら実際には500光年先にある星の方がとても明るいワケですが。

 

 

 

 

 

というわけで今日のまとめ。

 

二重星には、連星 と 見かけの二重星 がある。

 

 

明日は実際に春の夜空にはどんなダブルスターがあるか紹介します。

夜空での位置がわかれば、もし望遠鏡を持っていれば自分でもダブルスターを見ることができます( *´艸`)

 

 

それでは。

 

 

さかい

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春のダブルスターをみよう

2020年03月13日 | 星空解説

こんにちは、坂井です(*^-^*)

 

昨日、備品修理のために星の館へ行ったらなんと、ボランティアスタッフのNさんと会いました。

普段晴れている日はほぼ来ていただいているボランティアさんなのですが、どうやらお散歩で星の館に来ていたようです。

『突然休館になり、早2週間。こんなに星の館に来ないとソワソワして仕方なくて…』とおっしゃっていました。

 

わかります!!!笑

 

星の館は愛されているなぁ、と嬉しく感じる瞬間でした(*´Д`)

 

 

 

 

さて、今週のブログは『春のダブルスターをみよう』です☆★彡

 

 

 

【1】ダブルスターって、なぁに?

はい! 二重星(にじゅうせい)のことです(*´Д`)カッコつけて英語で言ってみました!笑

 

二重星というのはですねぇ、

①地球から見て同じ方向に、星がすごく近くに2つあるように見える天体

 

②肉眼(自分の目だけ)では1つに見えるが、望遠鏡などで拡大してみると2つに分かれて見える星のことをいう場合が多い

 

です。

読んで字のごとく、なって見える、です。

 

 

 

では、実際の夜空で探してみましょう。

 

これは、3月13日(金) 午後9時の空の様子です。

北東付近には“北斗七星(ほくとしちせい)”と呼ばれる有名な星の並びがあります。

北斗七星の一番下の星からちょっと東側に目を向けると“りょうけん座”というカワイイ2匹の犬の星座があります。

 

 

これがりょうけん座です。

漢字で書くと“猟犬”。ハンティングドッグですね!

 

 

 

…はっ!!!Σ( ゚Д゚)またカッコつけ英語が!!

 

 

 

 

それはさておき、このりょうけん座で一番明るい星“コル・カロリ”に目を向けてみましょう。

 

 

 

この星座絵ではちょうど一匹の犬の首輪のところにあるハートの飾りの部分にあたります。

 

この星は三等星です。白水大池公園からでも星の位置を知っている人なら肉眼(自分の目だけ)で見えるはずです。

でも肉眼では1つにしか見えません。

 

 

 

でも、、、

望遠鏡でコル・カロリを見てみると…

 

 

 

 

 

 

ほら!!

このように2つの星が仲良く寄り添っている姿を見ることができます。

この画像では同じ色のようになっていますが、本来は星の色の違いがわかる美しい星々です。

 

コル・カロリと表記すると、片方が『コル』で、もう片方が『カロリ』と思われがちですが、

もともと肉眼で1つに見えている状態で『コル・カロリ』です( *´艸`)

この名前がついた頃にはそこに2つ星があるなんて知らなかったでしょうからね!

 

 

 

 

 

 

 

【今日のまとめ】

肉眼(自分の目だけ)で見ると1つなのに、望遠鏡を向けてみると2つの星が寄り添っている姿が見られる。

地球から見て同じ方向になって見える

 

それが二重星(にじゅうせい)です。

 

 

では、また明日☆彡

 

 

 

 

 

そういえば、今年は雪がほとんど降りませんでしたねぇ…。

雪が降ったら降ったで大変だけど、降らないと冬らしさがなくて寂しいなぁ。

 

 

数年前の大雪の日の写真。

どうだ!!!すごいデカイだろ!!!!

 

 

 

明日はこの写真の秘密にも迫ります。

いかにしてさかいさんがこの超巨大ゆきだるまを作り上げたのか…

 

 

 

 

 

 

さかい

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開館への準備

2020年03月11日 | 日記

星の館が休館になって2週間。
皆で星が見れないのはとても寂しいです。

しかし、星の館スタッフはいつ、急な再開を言われてもいいように、
準備をしています。

準備①
望遠鏡はカビが大敵。閉め切った部屋や箱の中ではレンズがカビてしまいます。
人が動く部屋の中に出しておけば空気が流れるのでカビは発生しにくいのですが、
休館になってしまうと空気の流れが弱くなります。
レンズキャップを開け、数時間風通しをしに行っています。

2月にメンテナンス部にレンズ清掃をしてもらったばかりなので、
キレイなレンズで皆さんと早く星が見たいです。


準備②
星の館の敷地内にある花壇。
毎年3月~きれいな花を咲かせ、私たちを楽しませてくれます。
今年も花たちがキレイに咲いてくれるように花壇の整備も行っています。

草取り前↓

草取り後↓



準備③
来館者が読む本。
特に星座神話の本と図鑑が人気です。
その本棚がだんだん弱くなっており板を付けネジを増やし修繕をしています。




いつ開館しても、みなさんが居心地よく過ごしてもらえるように準備をしていますが・・・。
新型コロナウイルス、そろそろ落ち着きますように。

よっしー

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一昨日の続き…

2020年03月08日 | 星空解説

こんにちは、さかいです。

昨日は予定を変更してしまってごめんなさい(>_<)

 

 

今日はちゃんと一昨日の続き!

『星空は冬から春へ』ということで、

 

①地球が自転をすることによって1日(日が昇り、日が沈み、夜がやってきて、また日が昇る)というサイクルがある

 

②地球が公転(約365日で太陽の周りを回る)することによって、太陽の周りを1日に約1°動く

 

 

このことにより地球が太陽の光に照らされている部分を『昼』と呼び、太陽の光が当たらなくなり真っ暗になると『夜』と呼びますよね?

 

仮に地球が公転をせず自転だけをしているなら、ずーっと同じ場所で回り続けるので、毎日同じ時間に同じ星座しか見えないことになります。

 

 

地球は1日約1°だけ太陽の周りを公転することによって、地球から見た星空も1日約1°だけ東から西に動きます。

たった1日では1°なのでイマイチ動きを実感できませんが、3ヶ月(90日)経つと…上の図のように地球の位置は90°も動きます。

 

 

地球から見た星空だとこんな感じ( `ー´)ノ

↓↓↓ 3ヶ月前、12月6日 午後8時の星空 ↓↓↓

↑↑↑ 3ヶ月前、12月6日 午後8時の星空 ↑↑↑

みずがめ座やうお座といった星座が南の空にいます。

有名なオリオン座はようやく東の空から出てきたところですね。

 

 

 

 

 

↓↓↓ 3月6日 午後8時の星空 ↓↓↓

↑↑↑ 3月6日 午後8時の星空 ↑↑↑

 

どうでしょう!?

南の空にはもうみずがめ座やうお座はいません。

そして東の低い空にいたオリオン座は、もう南の高いところからちょっと西側に傾いています。

 

 

という風に1日たった約1°でも、30日で30°、3ヶ月で90°、半年で180°、1年365日で360°、つまり太陽の周りを1回転するわけです。

 

 

はオリオン座が天高く昇っているけど、夏の星座さそり座は太陽と同じ方向にあり昼間の空にいるので見られない。

はオリオン座は夕方早い時間に沈む、そして春の星座しし座が天高く昇る、秋の星座は太陽と同じ方向で見られない。

はオリオン座は太陽と同じ方向なので見られない。夏の星座さそり座が見ごろ。

はオリオン座は夜中おそい時間に昇ってくる。

 

 

こんな感じですね!!

 

 

毎日の観察は違いが分かりにくいけど、1ヶ月ごとに全く同じ場所、同じ時間に観察をすると動きがとてもわかると思います。

昔の人はコレを毎日おこなって星空が1年かけて1周することに気が付きました。

昔はもちろん時計などないので、夕方の日が沈んだ直後や、朝方の日の出直前の空をとくに注意深く観察したそうです。

 

 

 

 

ちなみに冬の星座、春の星座~などと言いますがどこからどこまでがその季節の星座!という明確な線引きはありません

オリオン座は冬ど真ん中の星座なので確実に冬の星座なのですが、かに座なんかはちょうど季節の変わり目のところに位置し、

本によっては冬の星座、違う本では春の星座となっていたりします。

 

 

今週の星空解説はこれでおしまいです(*´Д`)ふぅ…

最後まで読んでくれてありがとうございます☆彡

 

 

さかい

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