大和市は、本市よりも狭い27平方キロメートルの中に、約22万9千人が暮らすコンパクトな都市構造になっています。市域は南北に細長い平坦地で、市内には3鉄道事業者の駅が8つあり、いずれも徒歩15分以内の圏内にあります。また、道路網も国道16号、246号、467号のほか、県道も4線が市内を走り、東名高速の横浜町田インターにも近く交通の利便性に恵まれた地域です。市内ではバス会社3社が32路線を運行し、ほぼ全域をカバーしており、タクシー会社も7社が営業しています。しかし、地域間の移動が不便な地域の存在、駅までは遠く、バスが通っていない(または少ない)などの理由から、(1)公共交通不便地域の不便度の緩和、(2)高齢者、幼児連れなどの移動制約者の移動手段確保、(3)放置自転車の減少や環境負荷の軽減を目的に、駅から700メートル、バス停から200メートルの地域を公共交通不便地域に指定し、2路線でコミュニティバスを導入しました。年間利用者数は30万人を超え、1回100円の運賃収入は約3,000万円で運行経費は約7,000万となっています。したがって市の負担分は差し引き4,000万円程度で推移している状況です。一方、地域乗合交通創出支援事業については、NPO法人かながわ福祉移動ネットワークと神奈川県地域保健福祉課との協働事業としてスタートし、地域の7自治会、約1,500世帯が「乗合バス運行準備会」を立ち上げ、「大和市協働事業等提案制度」に提案し採択され運行を開始しました。一世帯当たりの負担金は120円で添乗員、ドライバー各15名体制で実施しています。市は10人乗り車両のリース代と燃料代で年間約150万円を負担し、運行管理や地域での合意形成などは事業主体である地域が担うことで、22年4月から本運行を開始しています。コミュニティバス事業については、市内交通網が完備されているのにもかかわらず、独自に基準を設けて実施し市民の利便性の向上に努めています。このことは本市が目指しているコミュニティバス導入方針と合致しますが、本市とは高齢化率や財政規模・財政構造が大きく異なるため直ちに適用することは難しいと考えざるを得ません。地域乗合交通創出支援事業については、本市でも実施可能と受け止めていますが、実施主体となる町会・自治会等の負担軽減を含めて、新たに支援策を考える必要があると思います。
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