話題作『Mommy/マミー』が映す愛と絶望と希望
Love And Struggle
カナダの監督グザビエ・ドラン監督は母子の葛藤の中に、普遍的な生きづらさと希望をみせている
http://www.newsweekjapan.jp/stories/movie/2015/04/mommy.php
舞台は2015年の「架空の国カナダ」。シングルマザーのダイアン・デュプレ(アンヌ・ドルバル)は、矯正施設から出てきた15歳の息子スティーブ(アントワン・オリビエ・ピロン)と一緒に暮らしはじめる。スティーブはADHD(注意欠陥・多動症)で、ときに激しく情緒不安定で攻撃的になる。
トラブルの絶えない生活が少しずつ変わっていくのは、ダイアン親子が向かいに住むカイラという女性と親しくなってから。休職中の高校教師であるカイラはスティーブの勉強の面倒をみることになり、ダイアンの話相手になって――。
ドランは脚本・監督・主演を務めたデビュー作『マイ・マザー』(09年)で反抗期にある少年の母への愛憎を描いた。今回また母というテーマに戻ってきたことは興味深い。