「がん治療で悩むあなたに贈る言葉 米国在住がん研究者のブログ」
がん研究者が心の底から「標準治療を選んで!」と訴える理由
氾濫するウソ情報をクリックしないで…
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59446
大須賀 覚
がん研究者
米国エモリー大学ウィンシップ癌研究所
その結果は、上の図のように、標準治療に比べて、代替療法を取り入れた治療を行った人のほうが治療成績が悪いことが示されています。死亡リスクは2倍になっていることが指摘されています。
代替療法は効果があまり期待できないとしても、なぜ両方の治療を行った人のほうが悪い結果になったのでしょうか?
この理由は、二つのグループがそれぞれ受けた標準治療の内容を比較するとわかります。
代替療法も選択した人には、標準治療の一部を拒否する人が多く、ちゃんと標準治療を受けなかったことがこの論文では示されています。代替療法も選択した人の7%が手術を拒否、34.1%が抗がん剤治療を拒否、53%が放射線治療を拒否しており、この標準治療をしっかりと受けなかったことが悪い結果につながったと、この論文は結論付けています。
これは実際に日本でもたくさん見られている事象です。代替療法を勧める人々には標準治療を否定する人が多くいます。「抗がん剤は毒だ」「手術は免疫力を弱めて、がんを進行させる」など、明確な根拠のない話が山ほどついてきます。