働き盛りのがん闘病記〜ほぼ同時進行ドキュメンタリー
朱郷 慶彦
半年以上連載が止まりσ(^^) 死んだのか?と思ってたら
小さな出版社やってて火事に倒産と大忙しだったらしい ~(^◇^)/ぎゃはは
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47524
「あなたは、がんだ」
これほどインパクトのある言葉が他にあるだろうか。
「あなたは、がんです」
などと白衣を着た美人女医さんから告げられたら、どう感じるだろうか。
もう一度言って欲しい、できればもっと強い口調で……などと思ったあなたは、単なる変態である。
普通の人間ならば「が~ん」となるはずである。
とにかく、冗談ではないのである。どうしたら良いか分からなくなること、必定である。
そして、昨年末に私もそのような経験をしたのである。
いや、女医さんに劣情を覚えたという意味ではない。癌を宣告されたという意味である。
「がん宣告されて、あなたの身に起こる10の出来事」
1) 検査の結果が出るまでにとにかく時間がかかる
2) ネット検索して、がんに関する情報の多さに脱力してしまう
3) 心配した知人が、がんの名医を次々と紹介してくれる
4) 日本全国から、ありとあらゆる“がんに効く”食品が集まってくる
5) 祈祷師や霊能力者も次々と紹介される
6) なんだか治療法を考えるのが面倒臭くなってくる
7) 大病院では、素人である患者がプロである医師から治療方針の選択を迫られる
8) 大病院では、とにかく治療開始を急がされる
9) 医師にはネットで得た知識について相談しにくい
10) 大病院の医師の言うことを、とにかく信じてみようか、という気になってくる
「星野式ゲルソン療法」「済陽式食事療法」については、後に詳述することになるが、いずれもかなり厳しい食事療法である。
ちなみに妻が上述した二つの方式等を適当にチャンポンして編み出した食事療法の内容を簡単に説明すると、
① 有機人参・りんご・レモンの自家製ジュースを一日2000ml以上摂る
② 限りなく無塩に近い食事とする
③ 牛肉・豚肉・羊肉・馬肉は禁止
④ 新鮮な野菜(できる限り有機栽培のもの)をたっぷり摂る
⑤ 未精白の穀物や豆類を摂る(精白された白米やパンなどは避け、玄米や全粒粉などを摂る)
⑥ ヨーグルト、海藻、キノコを摂る
⑦ 食品添加物等は排除する
⑧ 使う油はオリーブ油かゴマ油、エゴマ油、亜麻仁油
⑨ 禁酒・禁煙
⑩ ビタミンCを過剰摂取する
つまり、玄米菜食主義やベジタリアンの厳格バージョンである。
実際に、「星野式ゲルソン療法」や「済陽式食事療法」により、治療の施しようがないと現代医学から見捨てられた末期がん患者が奇跡的に生還した事例が数多くあるのだという。
がんになって初めて知った事実であるが、とにかく、がんの大好物は砂糖なのだ。糖分をエサとしてがん細胞は増え続ける。がんになったら、甘いものは大敵である。
砂糖に限らず、ゲルソン療法では精白された穀物もすべて禁止であるが、これには理由がある。
穀物の主成分は炭水化物。炭水化物は消化されれば糖分に変化する。糖分が体内に入ると、血糖値が上がるのが人体のメカニズムだ。そして、精白された穀物や、白砂糖は、急激な血糖値の上昇を引き起こすのである。
血糖値の急激な上昇は人体に様々な弊害をもたらす原因だ。AGE(終末糖化産物)、活性酸素などが発生するのも、インシュリンが分泌されるのも、この血糖値の急激な上昇が原因であり、これらは肥満、糖尿病、老化、そしてがん細胞の活性化を引き起こす。
精白する前の穀物には、食物繊維他の成分が豊富に含まれており、これらを一緒に摂取することで、血糖値の上昇ペースは緩やかになるからである。いついかなる時でも、血糖値の上昇を緩やかに保つことが、ダイエットだけでなく、がん治療にも重要なのだ。
そして星野式ゲルソン療法では、砂糖も精白される前の状態、すなわち黒糖であるならば、血糖値の急上昇は起こりにくいから摂取可能とされている。(もちろん量は控えめに)
実は、ゲルソン療法では大豆は禁止なのである。大豆の発芽力は強く、その発芽力のエネルギーががん細胞の成長を促してしまう危険性があるというのだ。