AKB48の旅

AKB48の旅

NHKEテレ SWITCHインタビュー達人達「AKB48x大林宣彦」

2013年05月20日 | AKB
一言で言うと、面白かった。面白かったけど、いろんな要素がてんこ盛りで、感想としては複雑なものがあるかな。

まず思ったのが、何を今更なんだけど、NHKの仕事の丁寧さ。対談部分にも台本があって、リハがあって、複数回テイクがあって、カメラが何台同時に回ってて、編集も複数回のやり直しが入ってるとしか思えない。そんなの対談か?なわけで、そんなはずがないと思いたいけど。後半の福島のロケも、丁寧ぶりがとても印象的だった。

そして、さすがは大林監督。語る言葉に説得力がある。対談で語った内容については、当ブログ的には既述のことだとは思うけど、語り方がうまいし、表現が的確だと感じた。と言いつつ、どことは言わないけど、そして決して批判の意図はないけど、正直、「この嘘つきめ」と感じてしまった部分もあった。

アメリカのショービズとアイドルの関係性のくだりについては、ここははっきり老いを感じたかな。秋元康氏が見ているものと、事実関係としてのこの辺りに大差はないんじゃないかと思うけど、そのアウトプットは明らかに違うわけで、日本型アイドルというあり方を、大林監督は理解できないんだろうなと思う。

大林監督による「ゲルニカ」の説明は、ある種典型だとは思うけど、「芸術のジャーナリズム」そして「シネマゲルニカ」の表明によって、"So long!"のMVがなぜああなってしまったのか、大林監督自身の「釈明」がついてしまったことになる。いや、これはご本人的には「釈明」どころか「勝利宣言」なんだろうけど、であればこそ、ここはやはり文句の一つも言ってしまおう。

「シネマゲルニカ」という考え方は、向いてるベクトルこそ違えど、それこそ「戦争プロパガンダ」と、やってるレベルとしては同じじゃないか。AKBに貼り付けるて来るというのも、正にプロパガンダの手法そのもの。そういう「情報操作」こそが諸悪の根源とは考えないんだろうか。

もっとも、秋元氏的には、そういうのもオモシロイのかな。プロパガンダすら押し流してしまう、違うな、プロパガンダと言えどもオモシロイものとして引き受けてしまう、大林監督の演出意図を遙かに超えて、飲み込んでしまう。買い被りが過ぎるかも知れないけど、そんなことが実現して行くのであれば、それこそ"So long"MVの記事でもふれたように、AKBの在り方、その物語の方が遥かにリアルであり、世界平和に貢献してることになると思う。