白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

昨年を振り返る(囲碁界編)

2017年01月02日 21時41分15秒 | 囲碁界ニュース等
皆様こんにちは。
年を跨ぎましたが、本日は2016年の囲碁界を振り返ってみたいと思います。

<AI関連>
アルファ碁、登場
棋士にとって最大のニュースは、これしか考えられません。
遠い未来の事だと思われていた、棋士がAIに負ける日がやって来ました。
棋士の存在意義を考えさせられる年になりました。

当ブログも、AI囲碁についての考察から始まりました。
棋士受難の時代がやって来ますが、ピンチをチャンスに変えるつもりで頑張りたいですね。

第2回電王戦
日本でも、趙治勲名誉名人が国産AI囲碁ソフト「DeepZenGo」と対局しました。
三番勝負は趙名誉名人が2勝1敗で勝ちましたが、AIが棋士と勝負できるレベルに達した事を、広く世に知らしめました。
当ブログの記事→第1局第2局第3局

ワールド碁チャンピオンシップ、開催決定!
当ブログでもご紹介したように、日本で世界大会が開催されます!
日本からは井山裕太六冠、中韓からはそれぞれのトップ棋士、そしてDeepZenGo!
井山六冠や、進化するAIの実力が非常に興味深い所です。
3月21~23日の戦いは、見逃せません。

<プロ碁界>
井山裕太、七冠達成!
これも歴史的な出来事でした。
不可能と思われた七冠独占が、達成されました!
井山裕太という大天才が全盛期を迎え、運も味方したのでしょう。
あらゆる要因が重なって、奇跡のような偉業を達成しました。
当ブログの記事はこちらです。

高尾名人、誕生!
七冠を崩したのは、高尾紳路九段でした。
3連勝3連敗で迎えた最終局を制す、劇的な勝利でした。
七冠維持への最大の敵は高尾九段と予想していましたが、その通りの結果になりましたね。
四天王の一角として囲碁界を引っ張って来た高尾九段、10年ぶりの名人復位でした。

七冠独占が崩れたのは、197日目でした。
ここまで長く維持したのも、また凄いですね。
記事はこちらです。

新星・タイトル戦に登場!
余正麒七段一力遼七段が相次いでタイトル戦に登場しました。
井山六冠の次の世代であり、新時代の幕開けを感じさせます。
両者共に敗れましたが、互角に近い勝負を繰り広げました。
今後の囲碁界の動きに注目です。

<女流碁界>
謝依旻、女流タイトル独占!
謝依旻六段が、女流5タイトルを独占しました!
七冠はもちろん、こちらもまた史上初の偉業です。
両方が同じ年に達成されるとは、信じられない事ですね。
記事はこちらです。

ちなみに、昨年は学生囲碁界でも大関稔さんが全冠制覇の偉業を達成しました。
ブームに乗ったのでしょうか

藤沢里菜、女流本因坊に!
藤沢里菜三段が、謝依旻女流本因坊を破り、タイトル奪取しました!
タイトル独占を崩したのが17歳という事で、これから女流囲碁界は賑やかになりそうです。
記事はこちらです。

牛栄子初段、タイトル挑戦!
入段2年目、17歳の牛栄子初段が、女流棋聖戦の挑戦者になりました!
女流囲碁界は長らく謝依旻六段の一強時代が続いていましたが、近年は期待の若手が次々に登場しています。
他にも有望な女流棋士がおり、群雄割拠の時代が来るかもしれませんね。
牛初段の準決勝の対局は、こちらの記事でご紹介しました。

<その他>
日本チーム、丙級リーグ突破!
中国で行われている丙級リーグに、日本チームが参加しました。
メンバーは伊田篤史八段、一力遼七段、余正麒七段、許家元三段
若手四天王で臨んだ結果、見事1位での乙級昇格が決まりました。
来年の乙級リーグでどんな戦いを見せてくれるのか、非常に楽しみです。
記事はこちらです。

大西二段、初出場・歴代最年少での新人王!
大西竜平二段が、初出場・歴代最年少(16歳6か月)で新人王戦優勝!
近年の新人のレベルアップを象徴する快挙でした。
今後は国内に留まらず、世界レベルでの活躍まで期待される逸材です。


他にも多数のニュースがありましたが、このぐらいにしておきましょう。
今までに無いような出来事が多数起こった、激動の1年だったと思います。

なお、週間碁では、『碁界の10大ニュース』を読者投票で決めています。
抽選でプレゼントも当たるので、ぜひご応募ください。
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