皆様こんばんは。
本日から、棋聖戦挑戦第2局が始まりました!
1日目の流れとしては、まず黒番の河野臨挑戦者が意欲的な打ち回しを見せ、そこを井山裕太棋聖が強襲するという流れでした。
河野九段は手堅く受け流しましたが、井山棋聖がさらに仕掛けた所で1日目終了です。
さて、現在の形勢はどうなっているでしょうか?
私の判断は明日お伝えするとして、皆様がどう判断されているかをお聞きしてみたいと思います。
Twitterで個人的にアンケートを取っておりますので、ぜひご協力ください。
本来は幽玄の間など、公式な所でやると良いと思いますが、とりあえずという事で。
封じ手は右下以外考えられず、遊びの余地は少ないですね。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
あまりにも無難な手ですが、右下星の伸びを予想しておきます。
なお、明日も囲碁プレミアムや幽玄の間(解説・金秀俊八段)にて中継が行われます。
ぜひご覧ください。
また、幽玄の間ではシリーズの勝敗予想クイズ(本日まで)と封じ手予想クイズも行っています。
ぜひ、こちらからご応募ください。
さて、本日はMaster対於之瑩五段の対局をご紹介します。
於之瑩五段は中国最強の女流棋士です。
どのぐらい強いかと言えば・・・もし打って私が勝ったら、驚かれるぐらいですね。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/ba/6ad50e2e67578867924d1301b947e366.jpg)
1図(実戦)
白番の於之瑩五段の白△は、工夫した手です。
この手では白Aの飛びが定石ですが、黒Bに先行された後、下辺にぴったりした後続手段が無い事を嫌いました。
白△に対して、もし黒Cなら左上に先行して白満足できます。
黒Aと押さえても、下辺の幅が狭くなっているからです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/40/c809270b6cd43d09b65a8f0fbe118334.jpg)
2図(実戦)
黒は手抜きして左上に先行しました。
白も先手を取って12にハネ、黒4子のダメが詰まって不自由な形になっています。
これが前図白△と這った白の主張です。
ここまでの進行と殆ど同じ布石が、Master相手に何局か打たれていました。
この布石なら、チャンスがあると見たものでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/3d/1d503544ce95a4cb2f2c7203373163d1.jpg)
3図(実戦)
白△と滑った場面です。
ここで私なら、
①黒Aと開いておいて、次にBの打ち込みを狙う
②黒Cのケイマで、左上白にプレッシャーをかける
③左下黒一団を補強する
といった発想が浮かび、どれを選ぼうかという事になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/15/5d941f37142119315f67d99ab3bc8387.jpg)
4図(実戦)
ところが、実戦は黒1、3!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
プレッシャーをかけるというレベルではなく、強引に白を切り離しに行きました。
黒の形が悪くなる、所謂俗筋なのですが、有無を言わせない力強さがあります。
もし白Aなら、黒B、白C、黒Dの分断が厳しいという事でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/c3/bc43f116badb3e417fce88d384c03f93.jpg)
5図(実戦)
そこで、実戦は白1とノゾキを打ちました。
これは上手い手で、もし黒が繋いでくれれば、黒Aの厳しさを緩和する事ができます。
悠々と白2と守って良いでしょう。
ところが、構わず黒2と分断して来ました。
白5と切られた形は、いかにも黒が酷いように見えます。
しかし冷静に眺めてみると、Aの所に穴が空いていますし、Bのツケから生きに行く狙いもあります。
黒が取り切られるまでには時間がかかります。
一方、左上の白にはそういった捌きの余地がありません。
黒6まで、こちらの方が苦しいとみているのですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/5b/3e7bea2cfc3dd42b02096631b3a5d60a.jpg)
6図(実戦)
結局、黒が左上白を取り、白は左下黒を取り込む分かれになりました。
そして、この黒△が見切りの一手です。
遠慮した手のように見えますが、白が黒△を取りに来ればあっさり捨てて、黒Aから上辺を盛り上げて十分とみているのですね。
その進行を私が作ってみた所、確かに黒が盤面10目以上リードしているようでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/96/a19e9122a9d7fd9c2ef995f791a972e1.jpg)
7図(実戦)
という訳で白1と反発しましたが、それなら遠慮なく、と黒2から助けに行きました。
黒16までと全部繋がり、これはこれで黒のリードがはっきりしています。
この後40手で投了に追い込まれてしまいました。
本局は人間が感覚的に避けたくなる手も平気で選べる、AIの強みが出ましたね。
また、形勢判断の確かさも示しました。
次回の対局者は中国の喬智健四段です。
本日から、棋聖戦挑戦第2局が始まりました!
1日目の流れとしては、まず黒番の河野臨挑戦者が意欲的な打ち回しを見せ、そこを井山裕太棋聖が強襲するという流れでした。
河野九段は手堅く受け流しましたが、井山棋聖がさらに仕掛けた所で1日目終了です。
さて、現在の形勢はどうなっているでしょうか?
私の判断は明日お伝えするとして、皆様がどう判断されているかをお聞きしてみたいと思います。
Twitterで個人的にアンケートを取っておりますので、ぜひご協力ください。
本来は幽玄の間など、公式な所でやると良いと思いますが、とりあえずという事で。
封じ手は右下以外考えられず、遊びの余地は少ないですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
あまりにも無難な手ですが、右下星の伸びを予想しておきます。
なお、明日も囲碁プレミアムや幽玄の間(解説・金秀俊八段)にて中継が行われます。
ぜひご覧ください。
また、幽玄の間ではシリーズの勝敗予想クイズ(本日まで)と封じ手予想クイズも行っています。
ぜひ、こちらからご応募ください。
さて、本日はMaster対於之瑩五段の対局をご紹介します。
於之瑩五段は中国最強の女流棋士です。
どのぐらい強いかと言えば・・・もし打って私が勝ったら、驚かれるぐらいですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/ba/6ad50e2e67578867924d1301b947e366.jpg)
1図(実戦)
白番の於之瑩五段の白△は、工夫した手です。
この手では白Aの飛びが定石ですが、黒Bに先行された後、下辺にぴったりした後続手段が無い事を嫌いました。
白△に対して、もし黒Cなら左上に先行して白満足できます。
黒Aと押さえても、下辺の幅が狭くなっているからです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/40/c809270b6cd43d09b65a8f0fbe118334.jpg)
2図(実戦)
黒は手抜きして左上に先行しました。
白も先手を取って12にハネ、黒4子のダメが詰まって不自由な形になっています。
これが前図白△と這った白の主張です。
ここまでの進行と殆ど同じ布石が、Master相手に何局か打たれていました。
この布石なら、チャンスがあると見たものでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/3d/1d503544ce95a4cb2f2c7203373163d1.jpg)
3図(実戦)
白△と滑った場面です。
ここで私なら、
①黒Aと開いておいて、次にBの打ち込みを狙う
②黒Cのケイマで、左上白にプレッシャーをかける
③左下黒一団を補強する
といった発想が浮かび、どれを選ぼうかという事になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/15/5d941f37142119315f67d99ab3bc8387.jpg)
4図(実戦)
ところが、実戦は黒1、3!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_shock_s.gif)
プレッシャーをかけるというレベルではなく、強引に白を切り離しに行きました。
黒の形が悪くなる、所謂俗筋なのですが、有無を言わせない力強さがあります。
もし白Aなら、黒B、白C、黒Dの分断が厳しいという事でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/c3/bc43f116badb3e417fce88d384c03f93.jpg)
5図(実戦)
そこで、実戦は白1とノゾキを打ちました。
これは上手い手で、もし黒が繋いでくれれば、黒Aの厳しさを緩和する事ができます。
悠々と白2と守って良いでしょう。
ところが、構わず黒2と分断して来ました。
白5と切られた形は、いかにも黒が酷いように見えます。
しかし冷静に眺めてみると、Aの所に穴が空いていますし、Bのツケから生きに行く狙いもあります。
黒が取り切られるまでには時間がかかります。
一方、左上の白にはそういった捌きの余地がありません。
黒6まで、こちらの方が苦しいとみているのですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/5b/3e7bea2cfc3dd42b02096631b3a5d60a.jpg)
6図(実戦)
結局、黒が左上白を取り、白は左下黒を取り込む分かれになりました。
そして、この黒△が見切りの一手です。
遠慮した手のように見えますが、白が黒△を取りに来ればあっさり捨てて、黒Aから上辺を盛り上げて十分とみているのですね。
その進行を私が作ってみた所、確かに黒が盤面10目以上リードしているようでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/96/a19e9122a9d7fd9c2ef995f791a972e1.jpg)
7図(実戦)
という訳で白1と反発しましたが、それなら遠慮なく、と黒2から助けに行きました。
黒16までと全部繋がり、これはこれで黒のリードがはっきりしています。
この後40手で投了に追い込まれてしまいました。
本局は人間が感覚的に避けたくなる手も平気で選べる、AIの強みが出ましたね。
また、形勢判断の確かさも示しました。
次回の対局者は中国の喬智健四段です。