白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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決め手

2018年10月05日 23時59分59秒 | 幽玄の間
<本日の一言>
昨日ご紹介した対局ですが、しっかりした若手が記録を取っていたので正しい手順かもしれません。
すると、両者うっかりということに?
不思議ですが、稀にこういうこともあります。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されていた、志田達哉七段と坂井秀至八段の対局に現れた場面をご紹介します。



1図(テーマ図)
志田七段の黒番です。
半目勝負の状況で、黒1に白2と頑張ったところ問題が生じました。
この手で白Aと打っていれば無事でしたが、それでは負けとみたのかもしれません。
さて、上辺白に対してどんな手段があるでしょうか?





2図(実戦)
黒1の両ノゾキから黒3と切りを入れて準備完了です。
次の手で白が投了することになります。
それはどこでしょうか?

ちなみに、白2でも別の受け方はありますが、緩むと半目負けになるということなのでしょうね。







3図(投了図)
黒△の割り込み!
なんとも鮮やかな決め手があったものですね。
黒中押し勝ちとなりました。





4図(変化図)
この黒は捕まえることができません。
取りにいけば、黒8までと逆に白が取られてしまいます。


プロの対局の投了図は手筋の宝庫です。
皆様もぜひ注目してみてください。