白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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封じ手予想

2018年10月10日 20時15分14秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
女流本因坊戦五番勝負が開幕しました。
何度も戦っている両者ですが、今度はどちらが勝つでしょうか?
こちらも注目です。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日、名人戦第4局が始まりました。
井山裕太名人が3勝目を上げるか、張栩九段がタイに戻すか?
いよいよ1局が重たく感じられるようになってきましたね。
それでは1日目の進行を振り返っていきましょう。



1図(実戦)
張栩九段の黒番です。
序盤早々、白は自ら右上隅に閉じこもりました。
数ある三々入りの変化の中でも、最も私が真似したくないものかもしれません。
最近の碁は本当に世知辛いですね。





2図(実戦)
井山名人の白1~5は流石と思いました。
目一杯の形を目指した工夫ですね。
ただ、その後を相当に読まなければならないので、やはり私には真似できません。





3図(実戦)
黒△の置き!
有名な攻め合いの手筋ですが、実戦に現れることは珍しいです。
しかし、際どい読み合いを好む張栩九段の碁には、このような手筋がしばしば現れます。





4図(打ち掛け局面)
左下での黒の打ち方は、私の感性では全く思い付きません。
あえて広大な左辺を放置しているようですが、後から入ってしまえば両方打てるということでしょうか。
張栩九段らしいスピード作戦ですね。

さて、黒△と打ったところで打ち掛けとなりました。
次の白の手が封じ手ですが・・・。





5図(封じ手予想)
封じ手予想は白△の当てです。
棋士全員が真っ先に考えるような大本命ですね。
他には白Aもひょっとしたらあるかなとは思いますが、井山名人のイメージに合わない気もします。


激しい戦いは一段落しましたが、またどこかで戦いが起こることは確実です。
難解な部分戦かもしれませんし、空中戦かもしれません。
どんな戦いを見せてくれるか楽しみですね。
明日もぜひご覧ください。