白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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封じ手予想

2018年10月22日 23時54分53秒 | 囲碁界ニュース等
<本日の一言>
私の囲碁人生において、ある残念なことがあります。
それは級位者の頃の棋譜が全く残っていないことです。
「あの頃はこんな碁を打っていたのか~」と懐かしむことができるのは、アマ三段ぐらいになってからのことです。
そんなこともあって、碁を覚えたての方と対局する際にもなるべく棋譜をお渡しするようにしています。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は名人戦第6局の1日目が行われました。
早速振り返っていきましょう。



1図(実戦)
こっ、これはマネ碁
・・・かと思いましたが、よく見ると違いますね。
同じ形ができているのものの、対称にはなっていません。
第5局でも感じたことですが、両者が示し合わせて面白い碁形にしているかのようです。

ちなみに、驚きのあまり書き忘れましたが張栩挑戦者の黒番です。




2図(実戦)
しかし、この場面での驚きはそんな次元ではありませんでした。
白△の下がり!
こういう形は白Aとポン抜くしかない、というのが常識です。
プロが2000人いれば1999人はノータイムでポン抜くでしょう。
名人に定石無しとはよく言ったものですが、それにしても凄い・・・。





3図(打ち掛け局面)
さて、白△と打ったところで打ち掛けとなりました。
次の黒の手が封じ手ですが・・・。





4図(封じ手予想)
私の予想は黒△の当てです。
石の形からすればここしかありません。
ただ、ここまでの流れからして、形がどうしたと言われてもおかしくありませんが・・・(笑)。


明日の展開は予想が難しいですね。
ヨセ勝負になりそうな気がしていますが、激しい戦いになる可能性もあります。
いずれにしても良い勝負になるでしょう。