白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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ひらつか囲碁まつり

2018年10月14日 22時46分48秒 | 仕事・指導碁・講座
<本日の一言>
本日、第5回おかげ杯国際精鋭囲碁対抗戦1日目が行われました。
日本は韓国に1-4負け、台湾に3-2勝ちでした。
明日の中国戦での奮闘に期待したいと思います。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は第23回湘南ひらつか囲碁まつりが行われました。
私は可能な限り参加するようにしているので、今年で10回目ぐらいになったでしょうか?

目玉はなんと言っても1000面打ち指導碁なので、参加者は1000人ぐらいと思われるかもしれませんが、実際には様々なイベントが行われています。
今年の参加者は7000人ぐらいとのことです(棋士は72人)。
遠方から参加される方も多く、また年齢層は6歳~96歳!
6歳でも96歳でも、囲碁を楽しむことに年齢は関係無いのですね。

また、今回は盲学校の生徒さんたちも1000面打ち指導碁に招待されました。
対局はアイゴという、視覚障害者用のセットで行われたようです。
碁盤に石をはめ込めるのでずれることがなく、また手触りで黒白が判別できるようになっています。
私も使ったことがありますが、特に違和感無く対局できます。
列車内のような揺れる環境にも強いので、一般の方も便利に活用できるでしょう。

視覚障害者と囲碁と言えば、「黒白の奇蹟」という囲碁小説を思い出します。
主人公が視覚障害者の女性なのですが、確か対局シーンで専用の碁盤を使っていたような・・・。
記憶が曖昧ですが、今度確認してみましょう。

さて、今回は指導碁を題材にします。



1図(テーマ図)
初級者の子供との5子局です。
全局の配置は色々間違っていそうですが・・・。
記憶力が悪いので、大勢の方と対局するとすぐに忘れてしまいます。

それはさておき、白△と二段バネした場面です。
黒はどうしますか?





2図(失敗図)
実戦は黒1と打ちました。
しかし、これは危険な手です。
こう打ってしまうと4箇所も断点が生じてしまうのですから・・・。





3図(失敗図)
白1、3で両当たりですね。
黒の壁が崩壊してしまいます。





4図(正解図)
ということで、正解は新たに傷を作らない黒1です。
これなら前図より傷が1つ少ないのでなんとかなります。
天元の黒石ともつながりができますね。

初級者の頃は石のつながりの判断、特にナナメの形が苦手です。
そこを克服して、はじめて碁盤が正しく見えるようになるのです。

ちなみに、私の指導方針は「教えない」なので、このような時も最初から答えは教えません。
必ず答えに辿り着いて欲しいのでヒントは出しますが、あくまで自分で「発見」して欲しいのです。
そこに喜びを感じて貰えたら嬉しいですね。