皆様こんばんは。
日本棋院若手棋士アカウントの担当者は、前回は富士田明彦五段でした。
そして、今日からは何と、大西竜平新人王が担当しています!
楽しみな一週間になりそうですね。
さて、本日もMasterの対局をご紹介します。
最近はMasterrばかりになっていますが、もちろん他の題材も取り扱って行きます。
とりあえず、タイトルがすっきりするまではお待ちください(笑)。
また、第2回~第4回までの対局者について、読者の方から情報提供して頂きました。
ありがとうございます。
さて、本日ご紹介するのは謝爾豪二段(中国)との対局です。
Masterの白番です。

1図(参考図)
まずはこの図をご覧ください。
左上の形を見た事のある方は、多いのではないでしょうか。
白△を捨て石に、白が左上隅で治まる定石です。
ただし、この形は黒Aなどの有力な後続手段があり、白があまり良くないと見られています。
そこで白が変化して、難解型に進むことが多いですね。
本局は逆に、黒がハメ手に近い手を打って変化しました。
そこから難解な戦いに進んだ実戦もありますが・・・。

2図(実戦)
白は簡明に対応し、黒△の切りを許しました。
白Aと黒Bの交換をしていないので、この手が成立します。
この形、プロの実戦では初めて見た気がします。
不勉強なので、新手と言い切る事はできませんが・・・。
黒△に切られては白悪い、というのが従来の常識でした。
ただ、黒〇と白〇の交換が、白を固めてかなりの悪手になっており、黒Cが先手にならなくなっています。
また、白が先手になるので白△に回れます。
理屈としてはそんな所でしょう。
AIには未練と言うものが無いので、部分に拘らずにどんどん大場へ先行します。
いかにもスピード感がありますね。

3図(実戦)
黒1と挟まれた場面では、なるべく急な戦いを避けよう、というのが一般的な棋士の感覚です。
というのは、左方にも下方にも黒△の援軍があり、いかにも戦いに役立ちそうに見えるからです。
ところが、白2のカケから6の押さえ込み!
この手はプロ同士の対局でも稀に打たれますが、多くは白に有利な条件があっての事です。
何故なら、黒7となった形は、白が2目の頭とお尻を両方ハネられた形になっているからです。
プロは過去の経験から、こういう形は白が良くないと判断します。
しかし、Masterの判断は違いました。
プロもMasterも、石の形の良し悪しが重要である事は変わりません。
白2子は間違いなく悪い形ですが、それよりも隅の黒が閉じ込められた事が、つらいだろうと言って(?)いるのですね。

4図(実戦)
40手ほど進み、白1と飛んだ場面です。
上辺の白は既に生きており、右辺の白も中央に飛び出して危険はありません。
一方、中央と右下の黒は眼が無く、どちらも弱い石です。
明らかに白が有利な状況になっています。
一体、何故こんな事になったのでしょうか?
白が打って来た手は、コスミや1間飛びといった、基本的な手ばかりなのですが・・・。

5図(実戦)
その後、黒は上下の石を治まりましたが、その間に白地が増え、中央の白も厚みに変わりました。
こうなっては、明らかに白優勢です。
この後黒Aと打ったのは必死の頑張りですが、当然ながら白Bのツケが好手で、左辺を荒らしに来られました。

6図(実戦)
結局、黒は左辺の地を守り切りましたが、中央の白がすっかり厚くなりました。
白が厚くて地も多い、必勝形になっています。
こうして見ると、黒△の集団が全く役に立っていませんね。
やはり、石の効率が大差になってしまいました。
次回は中国最強の女流棋士、於之瑩五段が登場します。
日本棋院若手棋士アカウントの担当者は、前回は富士田明彦五段でした。
そして、今日からは何と、大西竜平新人王が担当しています!
楽しみな一週間になりそうですね。
さて、本日もMasterの対局をご紹介します。
最近はMasterrばかりになっていますが、もちろん他の題材も取り扱って行きます。
とりあえず、タイトルがすっきりするまではお待ちください(笑)。
また、第2回~第4回までの対局者について、読者の方から情報提供して頂きました。
ありがとうございます。
さて、本日ご紹介するのは謝爾豪二段(中国)との対局です。
Masterの白番です。

1図(参考図)
まずはこの図をご覧ください。
左上の形を見た事のある方は、多いのではないでしょうか。
白△を捨て石に、白が左上隅で治まる定石です。
ただし、この形は黒Aなどの有力な後続手段があり、白があまり良くないと見られています。
そこで白が変化して、難解型に進むことが多いですね。
本局は逆に、黒がハメ手に近い手を打って変化しました。
そこから難解な戦いに進んだ実戦もありますが・・・。

2図(実戦)
白は簡明に対応し、黒△の切りを許しました。
白Aと黒Bの交換をしていないので、この手が成立します。
この形、プロの実戦では初めて見た気がします。
不勉強なので、新手と言い切る事はできませんが・・・。
黒△に切られては白悪い、というのが従来の常識でした。
ただ、黒〇と白〇の交換が、白を固めてかなりの悪手になっており、黒Cが先手にならなくなっています。
また、白が先手になるので白△に回れます。
理屈としてはそんな所でしょう。
AIには未練と言うものが無いので、部分に拘らずにどんどん大場へ先行します。
いかにもスピード感がありますね。

3図(実戦)
黒1と挟まれた場面では、なるべく急な戦いを避けよう、というのが一般的な棋士の感覚です。
というのは、左方にも下方にも黒△の援軍があり、いかにも戦いに役立ちそうに見えるからです。
ところが、白2のカケから6の押さえ込み!

この手はプロ同士の対局でも稀に打たれますが、多くは白に有利な条件があっての事です。
何故なら、黒7となった形は、白が2目の頭とお尻を両方ハネられた形になっているからです。
プロは過去の経験から、こういう形は白が良くないと判断します。
しかし、Masterの判断は違いました。
プロもMasterも、石の形の良し悪しが重要である事は変わりません。
白2子は間違いなく悪い形ですが、それよりも隅の黒が閉じ込められた事が、つらいだろうと言って(?)いるのですね。

4図(実戦)
40手ほど進み、白1と飛んだ場面です。
上辺の白は既に生きており、右辺の白も中央に飛び出して危険はありません。
一方、中央と右下の黒は眼が無く、どちらも弱い石です。
明らかに白が有利な状況になっています。
一体、何故こんな事になったのでしょうか?
白が打って来た手は、コスミや1間飛びといった、基本的な手ばかりなのですが・・・。

5図(実戦)
その後、黒は上下の石を治まりましたが、その間に白地が増え、中央の白も厚みに変わりました。
こうなっては、明らかに白優勢です。
この後黒Aと打ったのは必死の頑張りですが、当然ながら白Bのツケが好手で、左辺を荒らしに来られました。

6図(実戦)
結局、黒は左辺の地を守り切りましたが、中央の白がすっかり厚くなりました。
白が厚くて地も多い、必勝形になっています。
こうして見ると、黒△の集団が全く役に立っていませんね。
やはり、石の効率が大差になってしまいました。
次回は中国最強の女流棋士、於之瑩五段が登場します。