白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
ブログ移転しました→https://note.com/shiraishi_igo

四谷大塚こども囲碁教室

2018年08月10日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
今年も学習塾の四谷大塚で囲碁入門教室が行われています。
本日から明後日までの3日間、1日2コマ、6つの校舎で同時進行ということで、計36回行われることになります。
各回の参加者は数十名だと思いますから・・・相当な人数になりますね。
囲碁普及の大きなチャンスです。

また、この入門教室は後ろで保護者の方々が見学しているのも特徴です。
始めて講師を担当した時は非常に緊張しました(笑)。
ですが、保護者の方々にも同時に囲碁普及ができるということは、非常にメリットが大きいです。
囲碁のルールを覚えて帰った子供達が、すぐに対戦できる相手がいるということですからね。
子供達が囲碁を続けてくれる確率が上がりますし、家族のコミュニケーション強化にもつながるかもしれません。

私は横浜校舎を担当しており、今年で3年目となります。
1年目、特に初日は結構必死にやっていたものです。
入門教室自体が初めてだったこともあり、5分刻みのタイムスケジュールを用意して、教えられることは全部教えようと・・・。
その頃から比べると、今は大分余裕ができましたね。
子供達と一緒に楽しみながら教えています。

この仕事をやっていると、嫌なことは全て忘れてしまうようです。
昨日あれだけ酷い負け方をして、年間成績もどん底ですが、もはや全く引きずっていません。
これには自分でも驚きです。
子供たちからエネルギーを貰ったのでしょう。
明日も良い指導ができるように頑張ります!

本日の対局

2018年08月09日 23時53分54秒 | 対局
皆様こんばんは。
本日は上野愛咲美女流棋聖と対局しました。
対局の模様は日本棋院ネット対局幽玄の間で中継されました。



1図(テーマ図)
私の白番です。
黒△とボウシした形には隙があるので・・・。





2図(変化図)
白1とハザマを衝きたくなるのが人情というものです。
確かに厳しいのですが・・・。





3図(変化図)
黒にも反撃の余地があります。
これが残っていては心配なので、廃案としました。





4図(実戦)
実戦は白1と、もう1つの急所を衝きました。
黒2とダメをつながらせた上、Aの傷を強調してさらに一手かけさせる狙いです。
この後はお互いにここを睨んだ攻防となりました。





5図(実戦)
白1、3が大ポカでした。
黒4と打たれて投了です。

白3を打った瞬間に気が付くという酷さ・・・。
時間は十分にあっただけに、プロ失格です。
白1でAなら、やれると思っていたのですが・・・。





6図(実戦)
投了後白1は黒6まで、AとBが見合いです。
こんな手が見えないとは情けないですね。


プロを13年以上やってきましたが、ついにポカの多さは改善されませんでした。
残念ながら、資質が無かったと判断せざるを得ません。

問題解答

2018年08月08日 23時28分55秒 | 問題集
皆様こんばんは。
東京に台風が近付いています・・・。
明日は対局がありますが、無事市ヶ谷に到着できることを祈っています。

さて、本日は昨日の問題の解答を発表します。



<1図>
まず、黒1と放り込まなければ何も始まりません。
白のスペースを狭める手筋ですね。





<2図>
そして、白1と取った時に黒2と押さえてダメを詰めておく手が好手です。
白3を待って黒4の急所に置き、白5には黒6と突っ込むのが白を欠け眼にするための手筋です。
白はダメ詰まりで、ちょっと嫌な形になりましたね。





<3図>
白1と取る一手に対し、黒2の放り込みがまた手筋です。
次に白Aなら黒Bと打ち、欠け眼になって白死となります。
白が困ったように見えますが・・・。






<4図>
放り込みには白1とつなぎます。
黒2と5子を抜かれますが、おや?
この形は・・・。





<5図>
白1と切る手がありますね!
これで黒2子を取れているので、白生きとなりました。
結局、黒は地を得しましたが、白も全体は無事に済んだということです。

この白1を「石の下」もしくは「跡切りの筋」と呼びます。
アマの皆様の中で、実戦でこの筋を使ったことのある方は少ないかと思いますが、しばしば実戦の死活に潜んでいるものです。
一方、プロの対局では両者分かっているものの、結果が見えているゆえに手を出さないということも多いですね。
知名度が高い割に、不遇な手筋と言えるかもしれません(笑)。

本日の問題

2018年08月07日 23時59分59秒 | 問題集
皆様こんばんは。
本日は記事を書く時間がありません。
お休みしようかと思いましたが、問題だけでも出しておこうと思います。



黒番で隅の白がどうなるか、という問題です。
生き、死に、コウのいずれかですが、果たしてどうなるでしょうか?

ちなみに、この形には元ネタがあります。
3月の情報会員解説の小林光一九段-山城宏九段戦です。
実戦には現れませんが、ちょっと面白い形なのでストックしておきました。
解答は明日発表する予定です。

守りすぎ病

2018年08月06日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座
皆様こんばんは。
本日は有楽町囲碁センターにて指導碁を行いました。
この暑さでは厳しいかと思いきや、意外にも満席でした。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。

さて、本日は指導碁を題材にします。



1図(テーマ図)
白1、3とハネツいだ場面です。
黒はどうしますか?





2図(実戦)
実戦は黒1と受けましたが、これがNHK囲碁講座別冊付録でもご紹介した守りすぎ病です。
白4まで、すでに細かい碁になりつつあります。





3図(実戦)
白△とつないだ場面に戻りましょう。
右下は白Aと切られても黒Bでシチョウに取れますし、白C程度なら黒Bと受けておいてどうということはありません。
ということで、右上白に黒Dなどと仕掛けたり、黒Eに回るなどしたいところです。

このようなことは、有段者なら簡単に分かることです。
では、何故黒Bと守ってしまったのでしょうか?
それは、ノータイムで打ってしまったからです。

白が打った手にはつい受けたくなるものですが、その気持ちのまま打ってはいけません。
本当に受けなければ困ってしまうのか?
それを確認する習慣を付けることで、守りすぎ病は快方に向かうことでしょう。


自分の対局は最高の教材です。
ですから、私は局後のアドバイスに力を入れますし、お客様にもぜひそれを持ち帰ってしっかり復習して頂きたいと思っています。