ラン吉のモノローグ---
ぼくは、おうちの中に住んでいます。
ヒトのおうちの中にイヌ用のハウスがあり、夜はその中にふわふわクッションのベッドを入れてもらって寝ます。
朝起きれば庭にだしてもらい、きまった場所でおトイレをします。
朝は、散歩の前か後に、イヌ専用のエサを重さをはかってもらって食べます。
煮干やゆでた鶏肉や野菜をのせてもらうこともあります。
ひまになれば、昼寝したり、ひもをかじったりして過ごします。
おやつの時間には、お店で売っているたくさんの種類の中から、一つか二つをもらって食べます。
夕方のお散歩では、お友だちのワンちゃん達と挨拶したり、ボールや音の出るおもちゃで遊びます。
夕ご飯をもらった後は、マッサージや歯ブラシをしてもらいます。
寝る前には、ヒトのひざの上で、まったりとくつろぎます。
お友だちの中には、衣装持ちのワンちゃんもいます。
イヌの学校やスポーツに通ったり、ヒトと一緒にプールや露天風呂にはいったり、一食何千円もするごちそうを食べさせてもらうワンちゃんもいます。
ぼくは、そんなぜいたくはさせてもらえないけど、寒い時には肉球にクリームをぬってもらい、暑くなれば首に保冷材をまいてもらいます。
ぼくは、今のこんな暮らしが当たり前だと思っていました。
パパの昔の思い出、「ポチの思い出ものがたり」を聞くまでは・・・
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パパは、ぼくの顔をなでながら言います。
「ラン吉、お前は幸せなイヌだなあ~
こんなにきれいにトリミングしてもらったり、注射や薬で病気の予防をしてもらったり、栄養たっぷりのご飯やおいしいおやつまでもらって食べてなあ~
専用のおもちゃもいっぱい持っていて、たくさんのお友だちと遊んでなあ~
それにひきかえ、なんとポチはかわいそうなイヌだったんだろう~
ポチがかわいそう ポチがかわいそう」と、パパはうっすらと涙をうかべています。
ポチとは、パパが子どもの頃に飼っていたイヌの名前。
パパが話してくれたポチの思い出のお話を始めます。
また、連載物ですか~!! ほどほどにお願いします~・・・