自分の目線はどうしても下の方にある。23でデビューした時とそんなに変わっていないんじゃないかとさえ思う。自分は下で、他人は上。自分はいつも池のほとりにいて、空で輝く太陽を見上げ恋焦がれる。自分もいつかあの太陽のように輝きたい。その想いは今もきっと変わらないままだ。
その「目線」のせいか、ゴーゴーとトレーナーという立場の相手に敏感に反応する。大昔に手に取ったフライヤーで微笑んでいた完璧なゴーゴー、ジムに行けば圧倒的にカッコ良かったトレーナー達。自分にとって神のような存在であった彼らがいとも簡単に手に入った。
手に入ったかどうかは別として、実際にヤリ目的の時にはいくらでもヤレた。マッチョなウケしか募集していないのだから相応の職業の人に当然偏る。消防士や選手、体操部やらレスリング部やら、やるだけであれば意のままに集める事が出来た。真面目な出会い系で上手くいかず、体育会系とHするなどDVDの中だけのファンタジーだった自分にとって衝撃だった。
20代 デカマラ バリタチ 都内場所有り
当時、この書き込みだけで毎日やれた。20代のパーソナルトレーナーとは一緒にトレーニングをした後部屋でSEXした。20代のゴーゴーはイベントの翌日にSEXした。20代のビルダーは全裸でポージングさせた後犯して、20代の格闘家は2丁目で飲んだ帰り道で露出させた。
自分はあの時何かを手に入れた気がして最高に心が充足されたのを覚えているが、実際には何も得てはいなかった。たかが体だけがいい男達だ。マッチョな体が目の前で射精して感動しても、それもいつかは慣れる。ケツが良かっただの、チ○ポがデカかっただの、どうでもよくなるのだ。だったら、手をつないでくれる男がいい。
やるだけで会ったのに「ちょっとコンビニ付き合って下さい」そう言ってアイスを買ってくれた男がいた。
帰る時、「また来てくれてもいいっすよ」と言ってくれた男がいた。
射精する時に一生懸命指を絡めてくれた男がいた。
なぜ、自分は彼らを選ばなかったのだろう。